TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

急変

　俺はホウザの方を見上げながら、ジリジリと壁際に追い詰められて行きました。

「人がわざわざ仕立てに出てお願いしてるんだからな...、その態度はないだろう？」

　威圧するような声に、俺は思わず生唾を飲む。

(べべべ...別に怖くなんかねーし！！、お前みたいなのは以前にやっつけてんだからな！！)

　と心の中では去勢を張れましたが、実際には何も言えておりません。

　ガタガタと歯を何度も鳴らし、皆に助けを求めます。

「た...助け...」

「「「分かりました！！！」」」

　息のあった返事と共に、対◯忍三人衆が俺とホウザの間に一瞬で入って来てくれました。

「ホウザ殿、悪いですが、我が主に手を出される様であれば、御身を保証する事は出来ませんがどうします？」

　挑発的に彼を煽るシュガー。

　だが、それは彼の欲を増幅させただけだったのだろう。

　彼はシュガーを指差してこう呟いた。

「その強気な表情...気に入った♡、シュガーちゃん♡」

　その言葉を聞いた瞬間、ムッとした様な表情を浮かべている彼女であったが、すぐさま気を取直し、俺にこう言ってきた。

「アリカ様...、下がっていて下さい...、テイマー同士のバトルは迷惑がかかるのでダメなのでしょう？、でも、モンスターがテイマーを攻撃すればそれは事故ですよね？、怪我をしたく無ければ今すぐに消えて下さい！」

　彼女がそう叫ぶと、寧ろ喜ぶ彼。

「ぐふふ...♡、その強気がいつまで続くか楽しみだよ...」

　彼がゆっくりと手を上げた瞬間！。

「そこまでだ！！」

　聞き覚えのある声が聞こえてきた方を見てみると、ユカがいました。

「ユカ！！」

　俺は思わず歓喜の声をあげます。

　彼は何やら面白くなさそうな表情を浮かべてホウザを睨みつけました。

「ホウザ...、相変わらずだな」

「ユカか...、そろそろリュアちゃんを受け渡す気になったか？」

「お前に？冗談だろ」

　一色即発状態の2人を見てゴクリと生唾を飲み込みました。

(なんだ？、ユカとホウザの間には何かあったのか？)

　意味深な会話を続けるユカに擦り寄り、話が終わるのを子供の様に待ちます。

「これくらいでどうだ？」

　ホウザは懐から大量の金をちらつかせましたが、ユカ一瞬たりとも視線を動かしませんでした。

「安いな...、テイマーが育て上げたモンスターを買うっていうのであれば安すぎる」

　挑発的なユカの態度を見た彼は、面白くなさそうに振り返りました。

「ふん！、お前くらいだよ、これだけ金を積んでもモンスターを売ってくれないテイマーは...」

「寧ろそんなはした金で自分のモンスターを売る様なテイマーとしか合っていないお前がおかしいんじゃないか？」

　その言葉を聞いたホウザは唇を噛み締めながら、お供のモンスター娘達共々何処かに去って行きました。

「ふぅ...やっとどっか行ってくれた...」

　俺は安堵のため息を吐きながらその場に座り込みました。

　すると、彼は少し驚いた様な表情を浮かべています。

「大丈夫ですか！？アリカ様！」

　ユカが直ぐに近寄り体の心配をしてくれる事に心が安らいで行く...。

「ああ大丈夫...、ありがとうなユカ」

「いえ...、たまたま通りかかっただけですから」

　それを聞くと本当に助かったと思える...。

　もしも誰も来なかったらバトルになっていただろうけど、俺はテイマーとしては未熟なので勝てる自信がほとんどなかったのである。

　それに...、もし負けていたら恐らく俺たち全員...。

　そう思うと身震いする...。

　また自分の体を変態に抱かせるなんて嫌なのである。

　ただ...、気になった事があったので彼に聞いてみることにした。

「なあユカ...、さっきの男と知り合いみたいだったけど...、昔あいつと何かあったのか？」

「...」

　一瞬口ごもる彼だったが、しばらくすると口を開いてくれた。

「あいつ...、ホウザは...」

　俺はユカの口から、彼についての説明を受けるのでした。