TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

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くじ引き

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「いてて...なんだ...?」

 ケロナの奴が頭を抑えながら辺りを見回していたのだが、俺を見た瞬間に表情が一気に険しくなった。

「ア~リ~カ~?、なんでいっつも断りもなく召喚するのかな~?、そろそろ本気で怒るよ私」

 笑いながらもマジな視線を送ってくる彼女は正直怖い。

「いやいや~...、今日はちょっと宴の為の準備ということで皆にくじ引きを...」

 そこまで言いかけると嫌な視線を感じずにはいられない。

「おい...まさか本当にそんなくだらない事で私を呼んだんじゃないだろうな...?」

「あっ...え...っと...、ごめんちゃい☆」

 俺は可愛く媚びた表情で小首を動かした。
 その結果、一瞬の静寂を得たのだが...、次の瞬間罵倒が飛び交うと思いサッと身構えていると...。

「きゃー!!可愛い~♡!」

 ルキィの喜ぶ声に呆気にとられたケロナを見て助かったと思った。

「もう一回やって!」

「ごめんちゃい☆」

「きゃ~♡」

 1人だけ無駄に持ち上がっているので面白くなさそうな表情をするリュアが、ヘソを曲げた様な表情をしながら背を向けた。

「まあ、このメンツでパーティをするというのであれば面白そうではあるな」

 そう言いながらケロナに視線を送るロムパ。
 悪魔王がニヤニヤしながら彼女を見ていると、カエル娘はマフラーを掴みながら彼女をギロッと睨む。

「ロムパ...、あんたは面白いかも知れないけど、私からすれば良い迷惑なの、それにルキィも私の話を中断したことは解せない」

 今にも怒り出しそうな表情のまま、態度改めてくれる気は無い彼女を見ているとヒヤヒヤが止まらない。

「正直すまないケロナ...、でも俺が幹部クラスだと思っている者しかこの場に呼んでいないんだ、つまりお前は俺にとってかなりの戦力だと思っているんだよ!」

 出来るだけ彼女の評価を高めにしている俺である。
 正直彼女が居なければ今頃俺は...。
 盗賊のおっさんの嫁にされ、孕まされている自分を想像するとゾクッとした。

(俺異世界に来ていきなりゲームオーバーになりかけてたんだよな...、そう思うと本当にありがとうケロナ!)

「お前...?」

 お前と言われた事に苛立ちを考えているのか、先程よりも怖い表情を浮かべる彼女。
 ここは間違えの無いようにさん付けで呼ぼう。

「ケロナ...さん...」

「ハァ...、まあアリカに振り回されるのはいつもの事だし、もう半分諦めてるから良いけどね...」

 ため息を吐きながらも、俺の事を毎回許してくれるのは、彼女の気質による所が大きい。
 実際の所、俺が彼女の立場だったらもう絶交と言っていてもおかしくは無いと思うと、彼女に対し感謝の気持ちが芽生えてきた。

「ケロナ...」

「何?」

「いつもありがとうな!」

 俺が絞り出した精一杯の感謝を彼女がどう受け止めてくれたのかはわからないが、きっといい方向に受け取ってくれたと思う。

「あんたって本当憎めないよね...」

 ぼそっと呟いた言葉が気になりもう一度聞いてみた。

「今なんて?」

 俺が聞き直したら、はぐらかされた。

「なんでもない、それよりも何するの?」

「おお!そうだった!、実は皆にこれを引いて欲しいんだ!」

 俺は人数分のくじを入れたBOXを皆の前に出した。

「1人一本な!、先端に赤い色がついてたやつが当たりだ!」

 俺がそこまで説明すると、ユカから質問が飛んで来た。

「アリカ様、これは一体何を決める物なのででしょうか?」

 ああそうか、知らない人からしたら意味がわからんよなと思ったので説明する。

「この城侵略祝いのパーティをやるんだが、その時俺の左右に座る人を決める為のくじだ」

「なるほど、分かりました」

 お辞儀をして一歩下がる彼は本当に礼儀正しくて俺に仕えるには勿体ないくらいの子だと思う。
 ...、こうしてみるとこの光景は結構圧巻だ。
 カエル娘、悪魔王、タコ娘、ドラゴン娘、妹、そして人間が同じ場所に存在し、仲良くくじを引くというのである。

(俺が作りたいのは、こういう国なのかもな...)

 そう思うと少し笑えた。

(いいな...こういうの...)

「アリカ...どうかした?」

 ケロナにそう言われた時、俺はこう返した。

「なんでもない!、さあ皆で一斉に引こうか!」
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