TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

ダレカからの使者！！

　サラが俺に首輪をつけて横に連れて歩き使者とやらに会うことにした。
　こうすることで俺は使者の話を聞くことができるし、今回は怪しまれずに事を終えさせる事ができるからだ。
　取り敢えずどの様な事を伝えているのかが気になるので、しっかりと聞く。
　使者の男がサラの部屋に入ってきて敬礼をした。

「サラ様！お元気そうで何よりです！」

「そうだね、...っでいつものお小遣いは？」

　サラに300万ゴールドを渡すのをしっかりと確認する俺。

(民衆は消費税で困ってたと言うのに...、許せん！、俺は庶民側につくぞ！消費税増加反対！！)

　しょうもない事を考えていると、話題は本題に入って行く。

「サラ様...、実はあなた様の婚約が決まりました...」

　俺は思わず吹きそうになったが頑張って耐える。
　だってまだサラは子供だぞ？、おかしいだろ！。
　俺が精神内でツッコミを入れていると、次に相手の写真を見せてきた。
　俺もコソッと見たのだが、どう考えても中年オヤジにしか見えない。

(おいおい...、流石に本人通してるんだろうな？)

　ちらっと彼女の表情を伺ったのだが、若干どころかかなり引いているようだった。

「えっ...、ちょっと...」

　どんどん彼女の表情が死んでいくのが分かる。
　俺が何とかして上げたいが、今は彼女のペットという役をしている為、何も言ってあげられない。
　それを御構い無しにどんどん情報を積み重ねて来る使者に段々と腹が立ってきた。

(おいおいおい...、サラの母親は子供を自分の所有物か何かと勘違いしてるんじゃないのか？、話を聞いてみた感じでは、有力者に自分の娘を売り込むことで更に事業を大きくしようとしてるのはわかるんだが...、それに娘の一生を使うか？普通...)

　使者の話がある程度終わると、後日改めてまたくるらしい事を告げて帰って行ったのを確認した俺はサラに聞いてみる。

「サラ...、結婚の事は...知らなかったんだな...」

　顔を見ているだけで分かってしまうほどには絶望していた。

(腐ってんな...、だが...自分の娘の幸せを犠牲にしてまでそれを得る意味はあるのか？...、いや...ないな！)

　だがこれはあくまでも俺の観点から見た答えであり、サラの母さんは更に上の目線から彼女の幸せを考えているのかもしれないという可能性がある限り結論を急ぐのは早い。
　けれど、もし個人的な理由だった場合、俺は自分を止められそうにない。
　俺が死んだのも信用していた友人に裏切られた事が原因だった。
　俺はただその場にいただけである。
　だが、突然友人からメールが来てベッドを見てくれと言われたので調べてみると、血のついた包丁と彼の彼女の死体が置いてあり、その後すぐさま警察が突撃してきた。
　友人は俺を見て「あいつが人殺しです！」と微笑みながら俺を指差してきたのを今でも覚えている。
　その後の事は1話とあらすじで話した通りだ。
　俺は頭をぶつけて死亡し、この異世界に転生した。
　その異世界にすらこういう問題があるのは見捨てて置けない。
　サラを教育すると俺は決めているので、先にサラの母親から教育した方が良さそうだと考えを改めた。
　震える彼女の手を握り、俺はこう呟いた。

「俺に任せろ...、どうにかして見せるから」

　力強い言葉を幼い少女にかけてあげる俺カッケェ...をしながらも、次の一手はすでに考えている俺だった。