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ひゃあ!!

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 ガラガラドーン!!!

「ひゃあ!!!」

 生娘のような声をあげながら布団にくるまる悪魔王。

「アリカ!!この音はなんなのだ!!」

「これは雷だ、そんなに驚くほどのことか?」

「雷?、あの稲妻か!、魔法の類ならば何も恐れる事はないのだが、自然の物となるとこれほどまでに恐ろしいとはな...」

「...、お前本当に悪魔の王なのか?」

 俺がそう呟くと毛布から顔だけ出してこう言って来た。

「我は正真正銘の悪魔王なるぞ!!、我の実力は先ほど見せたばかりであろうが!!」

「まあ、そりゃそうなんだが、いかんせんその子供のような感じがな...」

 俺が弱虫とつけた反動がここに現れているのだろうが、それにしても怖がりすぎだと思う。
 先程から毛布にくるまり出てこようとしないのでまるでミノムシである。
 涙目になりながら雷に怯える彼女は可愛い♡。
 そんな事を思っていると、見覚えのあるドラゴンの少女が扉から素直に現れた。

「げっリュア...」

「アリカ...、ううん、今日はそっちに用があるの」

「我にか?、フッ、いいだろう何なりと申せ」

「...、なんで毛布に包まっているの?」

 痛い所を突かれた彼女は目をキョロキョロさせながら苦し紛れの言い訳を炸裂させる。

「こ...これはだな...、そ...そう!悪魔の王たる者は如何なる時も弱者だった頃の気持ちを忘れないように、たまにこうやって弱かった頃の気持ちを思い出す為こうやっているのだ!」

 ハハハと笑う彼女だったが、その瞬間に雷が落ちる。

「ギャァァァァ!!!!!」

 今度は尻をこっちに向けて白パンツを丸見えにしています。
 余りにも可愛くて尊死しそうな俺でしたが、リュアはどうやら別の意見だったようだ。
 目を見開いて驚いたような声を出していた。

「なにっ、あなたまさか雷が怖いの!?、あんなに強いのに!?」

 その問いに対して答えがなかなか返ってこない。
 数分経ってようやく雷が治まってくると顔だけ出して答えてくれた。

「...、実は大きな音が苦手なんだ...、赤ちゃんの時に見る花火って凄い音に聞こえるじゃん...、一回聞いた時からトラウマになって、そこから今まで大きい音が苦手になっちゃったんだ...」

 グスッと泣く彼女を見て今度は笑うドラゴンの少女。

「...ぷっ...」

 僅かな音だったがそれを見逃さない悪魔王。

「今笑ったな...!」

 凄まじいまでのオーラが屋敷を包み込んで行くのを感じた俺はリュアに謝るよう諭す。

「リュア!早く謝れ!屋敷が無くなる!」

「謝ったら後でエッチしてくれる?」

「してやるから早く謝れ!」

「やった!、パロムどうもごめんなさい...」

 深々と頭を下げる姿に満足したのかは分からないが、取り敢えず魔力を収めてくれる悪魔の王。

「ふんっ...、お前如きにムキになるようじゃ我もまだまだだな...」

「あっ!今私如きって言った!?、言ったよね!!、私が成長したらボッコボコにしてあげるから覚えてなさいよ!」

「ふん!、そこいらの竜なんぞ我の相手にならんよ、せめて黒龍クラスじゃないとな」

「私その黒龍よ!」

「えっ...まじ?」

「うん!まじ!」

 なんとも言えない雰囲気になったので咳払いをする王様。

「コホン...、ともかく、なんでお前はまたここにきたのだ?、まさかもうリベンジにきたという訳ではあるまい?」

「あっ!そうそう!、あんたはアリカに手を出さないでよね!、彼女は私の嫁なんだから!」

「アリカがお前の?」

 じっ~っと俺を見てくるパロムの視線が痛い。

「違うぞパロム!、俺の嫁がリュアだ!」

「どっちでもいいわ!、てか別に我はアリカを手篭めにしようとは思っておらんわ!」

 そりゃそうだ、たまたまリュアの性癖がやばかっただけで、この子はまともなんだなと思える。
 ケロナに続いてようやく戦えるまともなモンスターを仲間にできた事を喜んでいると、部屋にノック音が響いた。

「入れっ!」

 俺がそう言うと扉が開き、サアヤの奴が姿を現した。

「アリカ様、報告があります!」

「話せ」

「はいっ、どうやらダレカの城からの使者とやらがお見えになられたのですがどうしましょうか?、追い返しますか?」

「丁度いい時にきたな、取り敢えずサラを呼んできてくれ、それとモンスター達は皆各自の部屋にいるようにとな」

「わかりました」

 ついにきたなと思いつつ、こっからが本当の戦いだと思う俺だった。

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