TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

ちょっと待てよ...、もしかしたら...【改】

「いや～、助かったよ！ケロナ！」

　俺は元気になった姿を彼女に見せている。

「ふん！、今度は助けないし、これは貸しだからね！」

「わかってるって！、コルネロの屋敷も手に入ったし、これからはここを拠点にしようと思うんだけどどうかな？」

　俺が彼女に提案すると「いいんじゃない？、私は社に住み着くつもりだけど」と返された。

「ええ～、ケロナもここに住もうよ～」

　俺が彼女に抱きついてそう呟くのだが、鬱陶しそうに手を払いのけられる。

「はいはい、気が乗ったらね」

　そう言いながら彼女が懐に抱きしめている赤ちゃんに目が行った。

「その子は？」

　一瞬の沈黙の後、彼女は口を動かした。

「あの村に住んでいた親子の片割れだ、親は死んでもういない、だから私が育てることにした」

　それを聞いた時、俺は現実に戻された。

　お爺さんとお婆さんが死んだという事実は現実なのだと言うことを痛感する。

「俺を育ててくれたお爺さんとお婆さんももういないんだよな...」

「アリカ様...」

　突然現れたサアヤを見て俺は驚いた。

「サアヤ！？、もう体の方はいいのか？」

「はいっ！、媚薬をしっかりと抜いて貰ったのでもう大丈夫です！」

「それは良かったな」

(媚薬まみれのサアヤ...ゴクリ)

　心の中で不謹慎な妄想をする俺だったが、今はそんな事をしている場合ではない。

「サアヤ！、お爺さんとお婆さんの家に一度戻るぞ！、もしかしたらあの二人を呼び戻せるかもしれない！」

「それってどう言う意味ですか？、お二人はもう...」

　そこから先のことを彼女の口から言わせるのは酷と言うものだろう。

　俺は笑顔を浮かべ、彼女の不安を取り除く為に笑う。

「大丈夫だよ、二人とも俺がなんとかするから...！」

　俺はそう言いながら彼女の手を握りしめてその場所へと向かった。