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目が覚めた...【改】
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「...かちゃん!...アリカちゃん!!」
「う...う~ん...」
ゆっくりと目を開くと、お爺さんが心配そうな眼差しで俺を見ていた。
俺が体を起こすと、彼は安堵したような声を出す。
「よかったよかった...、肝が冷えたわい...」
「お爺さん...、ケロナは?」
「ああ、あの青髪のお嬢さんならワシが来たと同時に草むらの方へ飛び込んで行ったぞ...、知り合いなのか?」
「うん...む...、友達なの」
娘と言いかけて止める。
流石にこの歳でそんなこと言っても不審がられるだけだろうからな。
こっちの世界に慣れるまではお爺さん達の元で暮らそうと思っているので、余計な心配をさせたくないのだ。
鼻を抑えてみたが、もう血は止まっていた。
俺がふうっ息を吐くと、お爺さんはケロナが去って行った方角を見ていたのが気になったので聞いてみる。
「どうしてその方角を見ているの?」
「ああ、アリカちゃんは知らないかもしれないが、あの方角にはケロ次郎様の社が立っているんじゃよ」
「ケロ次郎?」
俺が不思議そうな顔をしていたので彼は丁寧に語ってくれた。
どうやら昔この村に流行り病が襲ったらしい。
その時どこからともなく現れた青い皮膚のカエルが流行り病を治めたという言い伝えがあるらしいのだが、そんな昔の言い伝えを本気で信じている者は少ないとのことだ。
「もしかしたらアリカの友達はケロ次郎様の生まれ変わりかもしれんな、あんな髪色の子供わしらの村には住んどらんし」
(いや...それはないから...、ケロナは俺が召喚したモンスター娘だし...)
なんてこと言えるわけがないので口にチャックする。
帰りにケロ次郎様の社にお爺さんと魚をお供えしに行った
「アリカがお世話になりました」
手を合わせてお辞儀をするお爺さんと同じ動きをする。
(ったく...なんで俺が...)
そう思いながらも律儀にしてしまうのは、やはり根が真面目な日本人としての本質が残っているからだろうか?
と言うか他の召喚は失敗したのに、カエルのモンスターであるケロナだけは成功したのにはこういう土地柄的な理由も影響しているのかな?。
考えれば考えるほどお腹がすいて来るので、取り敢えず帰ることにした。
(ケロナもお爺さんとこにいれば良いのに、そうしたら野生動物のようにして生きなくても良いのにね)
そう思いながらお爺さんと一緒にバケツ一杯に入ったお魚を抱えながらゆっくりと帰っていった。
「う...う~ん...」
ゆっくりと目を開くと、お爺さんが心配そうな眼差しで俺を見ていた。
俺が体を起こすと、彼は安堵したような声を出す。
「よかったよかった...、肝が冷えたわい...」
「お爺さん...、ケロナは?」
「ああ、あの青髪のお嬢さんならワシが来たと同時に草むらの方へ飛び込んで行ったぞ...、知り合いなのか?」
「うん...む...、友達なの」
娘と言いかけて止める。
流石にこの歳でそんなこと言っても不審がられるだけだろうからな。
こっちの世界に慣れるまではお爺さん達の元で暮らそうと思っているので、余計な心配をさせたくないのだ。
鼻を抑えてみたが、もう血は止まっていた。
俺がふうっ息を吐くと、お爺さんはケロナが去って行った方角を見ていたのが気になったので聞いてみる。
「どうしてその方角を見ているの?」
「ああ、アリカちゃんは知らないかもしれないが、あの方角にはケロ次郎様の社が立っているんじゃよ」
「ケロ次郎?」
俺が不思議そうな顔をしていたので彼は丁寧に語ってくれた。
どうやら昔この村に流行り病が襲ったらしい。
その時どこからともなく現れた青い皮膚のカエルが流行り病を治めたという言い伝えがあるらしいのだが、そんな昔の言い伝えを本気で信じている者は少ないとのことだ。
「もしかしたらアリカの友達はケロ次郎様の生まれ変わりかもしれんな、あんな髪色の子供わしらの村には住んどらんし」
(いや...それはないから...、ケロナは俺が召喚したモンスター娘だし...)
なんてこと言えるわけがないので口にチャックする。
帰りにケロ次郎様の社にお爺さんと魚をお供えしに行った
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手を合わせてお辞儀をするお爺さんと同じ動きをする。
(ったく...なんで俺が...)
そう思いながらも律儀にしてしまうのは、やはり根が真面目な日本人としての本質が残っているからだろうか?
と言うか他の召喚は失敗したのに、カエルのモンスターであるケロナだけは成功したのにはこういう土地柄的な理由も影響しているのかな?。
考えれば考えるほどお腹がすいて来るので、取り敢えず帰ることにした。
(ケロナもお爺さんとこにいれば良いのに、そうしたら野生動物のようにして生きなくても良いのにね)
そう思いながらお爺さんと一緒にバケツ一杯に入ったお魚を抱えながらゆっくりと帰っていった。
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