オンゲー始めた私の自由日記

友人見捨てるなんて本当に最低だよね！！え？アイスくれるの？ありがとう！

　ムス～とした表情の私を見て笑い続ける彼女に少し腹を立たせる。
　結局彼女の魔法1発でボスを倒したので、私には爽快感のかけらもなかったのだ。

「あーあ、もう少し楽しみたかったな～」

　そう言いながらゆっくりと歩き出した私に彼女はこう答えた。

「ごめんって、まさか無限ループに入って死ぬなんて思ってなかったからさ」

　そう言いながらも文章から滲み出る笑いの気配がムンムンしているのは隠しようが無い。
　本当に謝る気があるのか疑わしくなったが、まあ仕方がない事だと切り捨てる。
　ゲームを楽しむコツは今できることと出来ない事をハッキリさせてからやるということだ。
　出来ない事を今考えてもしょうがないので、できることからやって行く。
　そしていつか出来なかったことに挑戦して成功させる。
　その時の得られる達成感こそ、私がゲームをやり続ける意味である。
　それに比べれば、受験で合格したなどという小さい事はどうでもよくなるのだ。
　きな粉に刀を振るわせながら決めポーズを決めさせていると、葵からこんなメッセージが届いた。　
　メッセージの内容はこうだ。

「明日学校が終わったら私の病院に来て、ブルボンのアイスを親戚に貰ったから一緒に食べよう」

　私は葵の方に目をやってから喜んだ。

「イチゴ味あるんだったら残しといてよ！」

　私はメッセージを彼女に送る。

「勿論残しているよ、きな粉はイチゴ味のアイス大好きだもんね」

　と返ってくる。
　そう、私はイチゴ味のアイスが大好きなのだ。
　それもブルボンというメーカーのアイスは特に私の好みに合っていて美味しいのだが、少し値段が高いのであんまり買えないのである。
　お小遣いは月に一万しか貰えないので、ラーメンの誘惑に負けることが多い私では、なかなかアイスを口にすることができないのだった。
　急に明日が楽しみになってきたが、まだ夜は長い。
　彼女に言って効率の良い狩り場でレベル上げをした後に寝た。