最強の弱虫達

影悪・ドレミ

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第5章 最後に涙

勿忘草のもう一つの意味

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スイマ「ね、ねぇ~、バスク~…?」
バスク「なんだ?」
スイマ「美味しいココアの売ってるカフェがあってね~…、バスク~、最近~大変そうだし~、息抜きにどうかなって~」
バスク「忙しいから無理。また今度な。」
スイマ「……わ、分かった~。」

スイマ(それ、3日前にも言ってたな。)

バスクは、最近無限ループの為に働き過ぎている。そのおかげでか、目の下にはクマが出来ていた。
スイマとバスクの間には小さな壁があった。
跳び越えようと思えば、簡単に跳び越えられる。
しかし、それをしないのはお互いに気を遣っている証拠。
無限ループ内では、バスクとスイマは最高の組合せで、息もピッタリと合っていると好評価だ。
しかし、裏ではほとんど話さず、お互いに距離を置いている。

スイマ「………。」
バスク「スイマ。」
スイマ「…なに~?」
バスク「次はここら辺で…」

二人はお互いの事をどう思っているかと聞かれれば、相棒と答えるようにしている。
しかし、相棒というのは表面だけ。
あくまでも、無限ループの仲間。

そんなある日。
スイマはとある公園にバスクを呼び出した。
「あまり無理はしないで欲しい。仲間だから。バスクの事をおもって言っている。少しは僕を頼ってくれ。」
そう伝えたかった。
なんとか時間がとれたのは夜中だった。

スイマ(まぁ、その方が誰かに聞かれる心配もないしいいよね。…ちょっと肌寒いから、バスクの分のコートも持っていこっと。)

しかし、公園で待っていたのはいつものバスクではなかった。
敵(?)であるリウスに悩み、不安などを話し、最後は見たことない笑顔で別れていった。
その時スイマは思った。

スイマ(ああ…、…僕ってそんなに信用ないかな?出来れば僕に相談して欲しかったな。)

立ち尽くすスイマに、バスクが気付く。

バスク「あ、遅かったじゃねーか。」
スイマ「ご、ごめん~。これ、コート。」
バスク「ああ、悪い。ありがとな。」
スイマ「……こんな夜にごめんね。」
バスク「逆にこんな夜しか空いて無くてごめん。それで、話って?」
スイマ「…………。」
バスク「…?」
スイマ「…ねぇ、僕は頼りない?」
バスク「急にどうした?」
スイマ「さっきリウスくんに相談事してたよね?」
バスク「…聞いてたのか。」
スイマ「僕じゃあ…ダメなの…?」

気付けば、スイマの目からは涙が溢れていた。

バスク「…お前はそんな事気にすんな。」
スイマ「…やっぱり頼りないんだ……。」
バスク「そうじゃなくてっ…!」
スイマ「…?」
バスク「………とにかく信用してないとか、頼りないとかそう言うのは思ってないから。」
スイマ「でも最近冷たいし…。たまに遊びにさ避けてるよね?」
バスク「…だって…お前、俺と一緒にいたら悪口言われるぞ?…嫌われ者とはあんまり一緒にいない方がいい。」
スイマ「バスク…。」
バスク「お前は…俺の初めての友達だから…。」
スイマ「僕はバスクと一緒にいることが幸せだよ。…嫌なんて思ったこと無い。バスクと一緒にいられるなら、笑い合えるなら……例え悪口を言われても、ハブられても、虐められたって本望だよ。」
バスク「……そうかよ。」

素っ気ない言葉とは真逆にバスクの顔は笑顔だった。
とても幸せそうなその表情に、スイマもつられて笑顔になる。

その時、スイマの目の先には、あの時踏み潰したはずの勿忘草が咲いていた。

勿忘草のもう一つの花言葉は、
『真実の友情』

バスク「これからもよろしくな。相棒。」
スイマ「…勿論!当たり前だろ!相棒!」






ーーーーー
次回・会議とコワイハナシ

リウス「余計な喧嘩はなるべく避けるように。魔法を使うときはなるべく俺の許可をとれ。喧嘩を売られても買わないこと。逃げること優先。」
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