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美優を追いかけないと──思いとは裏腹に、圭はサナキを抱きしめていた。
自分で自分の行動にハッとなり、慌てて離れようとした圭を、サナキがギュッと抱き返す。
香水だろうか──窓際で並んだ時も香った甘い匂いが、鼻孔をくすぐりクラクラする。離れないと──思うのにどうしても離れられない。
不意にサナキが背伸びし、圭の唇を奪う。驚きで何か言おうとしたところをまた奪われた。
サナキの舌が口内に忍び込み、中を舐め回し、圭の舌を舌で絡めて擦られ、翻弄されながら、圭はぎこちなくそれに応えていく。
第三者が今の圭を見たら、クズだと思ったことだろう。何しろ追いかけるべき恋人が居るのに、それを忘れたかのように他の女とキスに耽っているのだ。
第三者──圭を知らない人物だった場合、そう思われても仕方ないが、これが圭を知ってる人物だと話は違ってくる。何故なら圭がそんなことをする奴ではないと知っているから。
圭は確かに性的なことに興味津々だが、あくまでも恋人としたいのであって、セフレ願望も浮気願望もない。寧ろそういうことを軽蔑するタイプだった。それなのに…
生まれて初めての大人のキスに夢中になり、ずっと気づかないふりでやり過ごそうとしていた、胎内で燻る火種はみるみる大きくなっていき、やがて無視出来ないところまできてしまう。
もう歯止めは効かず、一刻も早く挿入したくて堪らない圭は、サナキの向きを変えテーブルに手をつかせると、服の上から胸を捏ね回し、スカートの中へ手を突っ込むとストッキングと下着をずり下げ、サナキの中に入れた指をおざなりに動かして抜くと、ヨダレでべとべとに汚れたジャージの下を脱ぎ捨て、準備万端なソレを入口に当て一気に貫いた。
「ぁあん!」
がむしゃらに腰を振り肌を打ち付け、激しくサナキを揺らしていく。
「あんっ、あんっ、すっ…ごい、よぉ!気持ちいっ…圭君、圭君っ、気持ちいいっ……」
「はっ…はっ……サナキさんっ…俺も、気持ちいっ………」
熱くトロけてるのに、きゅうきゅうに締め付けてくる中が最高に気持ち良く、突きまくるたび、ぐちゅぐちゅ、ぐぷぐぷイヤらしい音が鳴るそこでもっともっと気持ち良くなりたくて腰を振るのを止められない。
「あっ、あっ、んっ」
「はっ、はっ、も、もう出る!中に出すから受け止めて!」
「あんっ、あんっ、圭君の子種ちょうだい!」
「サナキさんっ、サナキさん!」
サナキの奥にどくどくと子種が注がれた。
翌朝圭が目覚めると、ベッドで一緒に眠った筈のサナキが見当たらずホッとする。
(帰ってくれて良かった)
不意に浮かんだ本心に、これではまるでセックス済んだらさっさと帰れと言うような、身体だけが目当てのクズ野郎ではないか。
(俺は断じてクズ野郎じゃない!)
とは思うものの、果たして本当にクズ野郎とは違うと言えるのか疑問だ。何しろ恋人を追いかけもせず、好きでもない女とセックスしていたのだ。
(やっぱクズかもしれない)
昨日の自分は明らかにどうかしてた。一体お前はどうしたんだと問い詰めたい。
何かに駆り立てられるようにリビングでセックスし、それだけでも美優に顔向け出来ないのに、気づけば場所を移してセックスしまくっていた。
体液まみれで帰すわけにもいかず、先にサナキに風呂に入ってもらい、圭がその後風呂から出ると、サナキが夕飯を準備してくれていた。サナキが作ってくれた夕食を食べ終わった頃、収まっていた熱がぶり返し、気づけばサナキをソファに押し倒し、夢中で身体を貪っていた。
自分の行動を冷静に振り替えると、性欲の強さに愕然となった。きっと覚えたての快感がおかしくさせたんだと思う。
サナキの感触を思い出しそうになるのを無理矢理片隅に追いやると、美優と顔を合わせた時にどうするかを考えた。追いかけもせず、連絡もせず、いったい何をしていたと責められたら、何と言って誤魔化せばいいのか。
考えて考えて──何一つ良い案が浮かばず圭は頭を抱えた。
「あのさ、家庭教師なんだけど…」
(また会うのは気まずいし、家庭教師は断ってもらおう)
「どうしたの?急に家庭教師のこと言い出すなんて。あんた勉強に目覚めたの?」
「は?─あ、い、いや、やっぱなんでもない…」
サナキの嘘が暴かれ、圭はただただ愕然となった。
自分で自分の行動にハッとなり、慌てて離れようとした圭を、サナキがギュッと抱き返す。
香水だろうか──窓際で並んだ時も香った甘い匂いが、鼻孔をくすぐりクラクラする。離れないと──思うのにどうしても離れられない。
不意にサナキが背伸びし、圭の唇を奪う。驚きで何か言おうとしたところをまた奪われた。
サナキの舌が口内に忍び込み、中を舐め回し、圭の舌を舌で絡めて擦られ、翻弄されながら、圭はぎこちなくそれに応えていく。
第三者が今の圭を見たら、クズだと思ったことだろう。何しろ追いかけるべき恋人が居るのに、それを忘れたかのように他の女とキスに耽っているのだ。
第三者──圭を知らない人物だった場合、そう思われても仕方ないが、これが圭を知ってる人物だと話は違ってくる。何故なら圭がそんなことをする奴ではないと知っているから。
圭は確かに性的なことに興味津々だが、あくまでも恋人としたいのであって、セフレ願望も浮気願望もない。寧ろそういうことを軽蔑するタイプだった。それなのに…
生まれて初めての大人のキスに夢中になり、ずっと気づかないふりでやり過ごそうとしていた、胎内で燻る火種はみるみる大きくなっていき、やがて無視出来ないところまできてしまう。
もう歯止めは効かず、一刻も早く挿入したくて堪らない圭は、サナキの向きを変えテーブルに手をつかせると、服の上から胸を捏ね回し、スカートの中へ手を突っ込むとストッキングと下着をずり下げ、サナキの中に入れた指をおざなりに動かして抜くと、ヨダレでべとべとに汚れたジャージの下を脱ぎ捨て、準備万端なソレを入口に当て一気に貫いた。
「ぁあん!」
がむしゃらに腰を振り肌を打ち付け、激しくサナキを揺らしていく。
「あんっ、あんっ、すっ…ごい、よぉ!気持ちいっ…圭君、圭君っ、気持ちいいっ……」
「はっ…はっ……サナキさんっ…俺も、気持ちいっ………」
熱くトロけてるのに、きゅうきゅうに締め付けてくる中が最高に気持ち良く、突きまくるたび、ぐちゅぐちゅ、ぐぷぐぷイヤらしい音が鳴るそこでもっともっと気持ち良くなりたくて腰を振るのを止められない。
「あっ、あっ、んっ」
「はっ、はっ、も、もう出る!中に出すから受け止めて!」
「あんっ、あんっ、圭君の子種ちょうだい!」
「サナキさんっ、サナキさん!」
サナキの奥にどくどくと子種が注がれた。
翌朝圭が目覚めると、ベッドで一緒に眠った筈のサナキが見当たらずホッとする。
(帰ってくれて良かった)
不意に浮かんだ本心に、これではまるでセックス済んだらさっさと帰れと言うような、身体だけが目当てのクズ野郎ではないか。
(俺は断じてクズ野郎じゃない!)
とは思うものの、果たして本当にクズ野郎とは違うと言えるのか疑問だ。何しろ恋人を追いかけもせず、好きでもない女とセックスしていたのだ。
(やっぱクズかもしれない)
昨日の自分は明らかにどうかしてた。一体お前はどうしたんだと問い詰めたい。
何かに駆り立てられるようにリビングでセックスし、それだけでも美優に顔向け出来ないのに、気づけば場所を移してセックスしまくっていた。
体液まみれで帰すわけにもいかず、先にサナキに風呂に入ってもらい、圭がその後風呂から出ると、サナキが夕飯を準備してくれていた。サナキが作ってくれた夕食を食べ終わった頃、収まっていた熱がぶり返し、気づけばサナキをソファに押し倒し、夢中で身体を貪っていた。
自分の行動を冷静に振り替えると、性欲の強さに愕然となった。きっと覚えたての快感がおかしくさせたんだと思う。
サナキの感触を思い出しそうになるのを無理矢理片隅に追いやると、美優と顔を合わせた時にどうするかを考えた。追いかけもせず、連絡もせず、いったい何をしていたと責められたら、何と言って誤魔化せばいいのか。
考えて考えて──何一つ良い案が浮かばず圭は頭を抱えた。
「あのさ、家庭教師なんだけど…」
(また会うのは気まずいし、家庭教師は断ってもらおう)
「どうしたの?急に家庭教師のこと言い出すなんて。あんた勉強に目覚めたの?」
「は?─あ、い、いや、やっぱなんでもない…」
サナキの嘘が暴かれ、圭はただただ愕然となった。
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