4 / 17
4.
しおりを挟む
敷地内にあるカフェテリアは混んでいるとまではいかないまでも、思い思いに過ごす学生たちで賑わっており、空席を探す理とアダムに気づいた者からの合図を見た二人はそちらへ向かった。
理たちを呼んだ人物──イヴの前に置かれた物に即注目したアダムが目を輝かせる。
「何それ新作?旨そう!」
「そ。美味しいよ。」
色とりどりのフルーツに囲まれたソフトクリームをスプーンですくったイヴの手を掴むと、アダムは断りもなく自分の口へ。
「うっま!チョコバナナ味のソフトうっま!」
「ちょっと!勝手に食べないで!」
「ちょっとくらいいいだろ。減るもんじゃないし。」
「減るでしょ!」
そんなアダムとイヴのやり取りを、同じテーブルに居る見知らぬ二人が口を開けて見ている。
イヴとアダムは美しい顔立ちの双子で、二人が並べばそれはそれは美しい芸術品のようだ。
(エッロい身体。こいつとヤる時はパイずりは外せないな)
見知らぬ二人──巨乳の方でいやらしい妄想をしているなどオクビにも出さず、理は相手に好印象を与える笑みを浮かべて話しかけた。
「もしかしてうちのサークルに入ってくれる人たちかな?」
声に反応して理を見た女子二人は、そこで理の美貌に初めて気が付く。
(すっごい美形・・・)
(え、このサークルってもしかして皆美形とか!?)
目線を合わせたままに耐えきれず、二人は俯いて小声ではいと答えた。
「こんなに可愛らしいメンバーが増えるなんて嬉しいねアダム。」
「顔真っ赤にしてマジ可愛い!スレてない感じが堪んない!こんな可愛い恋人欲しい!──ハッ!!よく考えたらこれって理にハート鷲掴みってやつじゃね!?僕に望みない状況では!?そんなのやだやだぁ!」
「アダム五月蝿い。あんたは理と違ってそんなんだからダメなのよ。残念ね!」
「なんだとぉ!そう言うけどイヴだって──」
ギャーギャーとくだらない言い合いを続けるアダムとイヴをスルーし、理は女子二人と会話を続ける。
「うるさくてごめんね。この姉弟っていつもこんな感じでうるさいんだ。・・・入るの嫌になったかな?」
シュンとした理に慌てブンブンと二人が首を振る。
「いえ、あの、ちょっと驚いたというか・・・」
「現れた時の印象というかなんというか・・・」
「ギャップが酷すぎて幻滅だなんて、君たちって初対面相手に結構ハッキリ言うタイプなんだね。」
「「言ってませんけど!?」」
「実は心が読めるんだ。」
まるで内緒話をするように、二人だけに聴こえるように理が言う。
「表情が真面目過ぎて何て返すのが正解なのか分からないんですが・・・」
「冗談言わなそうな人の変な発言て、本気なのか冗談なのか分かりにくいんですが・・・」
「サークルで作ってるキャンディーの試作品なんだ。感想聞かせてほしいな。」
唐突に差し出されたキャンディーを受け取り、先輩は話題変えたかったんだろうなという思いは顔に出さないように二人は食べた。
((あ、美味しい))
その後も他愛ない会話を楽しみ、美麗なのに親しみやすい先輩とすっかり打ち解けた女子二人は、サークルメンバーがよく訪れるという店に連れていってもらうことに。
理たちを呼んだ人物──イヴの前に置かれた物に即注目したアダムが目を輝かせる。
「何それ新作?旨そう!」
「そ。美味しいよ。」
色とりどりのフルーツに囲まれたソフトクリームをスプーンですくったイヴの手を掴むと、アダムは断りもなく自分の口へ。
「うっま!チョコバナナ味のソフトうっま!」
「ちょっと!勝手に食べないで!」
「ちょっとくらいいいだろ。減るもんじゃないし。」
「減るでしょ!」
そんなアダムとイヴのやり取りを、同じテーブルに居る見知らぬ二人が口を開けて見ている。
イヴとアダムは美しい顔立ちの双子で、二人が並べばそれはそれは美しい芸術品のようだ。
(エッロい身体。こいつとヤる時はパイずりは外せないな)
見知らぬ二人──巨乳の方でいやらしい妄想をしているなどオクビにも出さず、理は相手に好印象を与える笑みを浮かべて話しかけた。
「もしかしてうちのサークルに入ってくれる人たちかな?」
声に反応して理を見た女子二人は、そこで理の美貌に初めて気が付く。
(すっごい美形・・・)
(え、このサークルってもしかして皆美形とか!?)
目線を合わせたままに耐えきれず、二人は俯いて小声ではいと答えた。
「こんなに可愛らしいメンバーが増えるなんて嬉しいねアダム。」
「顔真っ赤にしてマジ可愛い!スレてない感じが堪んない!こんな可愛い恋人欲しい!──ハッ!!よく考えたらこれって理にハート鷲掴みってやつじゃね!?僕に望みない状況では!?そんなのやだやだぁ!」
「アダム五月蝿い。あんたは理と違ってそんなんだからダメなのよ。残念ね!」
「なんだとぉ!そう言うけどイヴだって──」
ギャーギャーとくだらない言い合いを続けるアダムとイヴをスルーし、理は女子二人と会話を続ける。
「うるさくてごめんね。この姉弟っていつもこんな感じでうるさいんだ。・・・入るの嫌になったかな?」
シュンとした理に慌てブンブンと二人が首を振る。
「いえ、あの、ちょっと驚いたというか・・・」
「現れた時の印象というかなんというか・・・」
「ギャップが酷すぎて幻滅だなんて、君たちって初対面相手に結構ハッキリ言うタイプなんだね。」
「「言ってませんけど!?」」
「実は心が読めるんだ。」
まるで内緒話をするように、二人だけに聴こえるように理が言う。
「表情が真面目過ぎて何て返すのが正解なのか分からないんですが・・・」
「冗談言わなそうな人の変な発言て、本気なのか冗談なのか分かりにくいんですが・・・」
「サークルで作ってるキャンディーの試作品なんだ。感想聞かせてほしいな。」
唐突に差し出されたキャンディーを受け取り、先輩は話題変えたかったんだろうなという思いは顔に出さないように二人は食べた。
((あ、美味しい))
その後も他愛ない会話を楽しみ、美麗なのに親しみやすい先輩とすっかり打ち解けた女子二人は、サークルメンバーがよく訪れるという店に連れていってもらうことに。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる