貴様とは婚約破棄だ!え、出来ない?(仮)

胸の轟

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初顔合わせから5年。陰気で薄気味悪い少女は美しく成長──することもなく、やはり陰気で薄気味悪いままだった結果

一部の上位貴族と国王夫婦のみ参加のささやかなパーティーの最中、場違いな大声が響くこととなる。


「ポーテ・シャドウライン!貴様と婚約破棄し、ララン・ドーム男爵令嬢と婚約する!」

「きゃあ!ロング様~、ララン感激ですぅ!」

抱き合うロングとララン。それに付き従うように側に居るのは、宰相次男、騎士団長三男、魔術師団団長三男、副理事長。


つい今しがたまで聴こえていた談笑や緩やかな音楽は、一瞬で静寂へと変わった。


「何故?」

「何故だと?貴様のように性根の腐った女は王子妃に相応しくないからだ!」

ロングと結婚してもポーテ嬢は王子妃にはならない。
結婚後はシャドウライン公爵家へ婿に入り、ロングは王族ではなくなると説明されていたのに、そこをすっかり忘れているようだ。


「俺の愛するラランをさんざん苛めたらしいな。話はラランから全て聞いているぞ!嫉妬に狂い俺のラランを虐げた貴様にかける慈悲などないと思え!」

「嫉妬?何故わたくしが嫉妬などしなければならないのかしら?」

「ハッ!この期に及んで惚けるか。俺を愛してる貴様にとって、俺に愛されてるラランはさぞかし邪魔だったろうな。陰湿な苛めを繰り返し本当に救いようがない醜悪な女だ。」

「顔を合わせるたび罵り、わざとぶつかったり足を引っかけて転ばせ、教科書を破って困らせる。それだけでも許しがたいのに、お前はラランの母親の形見を取り上げたそうじゃないか!」

「知ってますか?学園は身分の差はなく平等なんですよ。だと言うのにあなたは──「もしもわたくしが」
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