怠惰な蟲使い(仮)

胸の轟

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会った時の態度から、もう店を再開しないかなとは思ったけど、万が一ってこともあるし、監視の目は付けておいて正解だった。

こっそりキャサリンん家に住まわせてた蜘蛛シュピネちゃんから、キャサリンが店を開けたっていう朗報。

そのうち買いに行こう。





ダンジョンの仕事したり、めんどくさい雑用を押し付けられたりしながら、目まぐるしく時間が過ぎていく。

そのうち行こうと思ってたキャサリンの店にも結局行ってない。

おかしい、なんか俺忙し過ぎでは?全然まったり出来ない。これは誰かの嫌がらせだ──と抗議してみたら『普通だろ』とすげなく言われた。おかしい。絶対普通じゃない。俺基準で。


仕事のし過ぎで荒んだ心と身体を癒したい。求む癒し系。


ダンジョンと違って劇場だと早く上がれるから好きだ。出来ればいつも劇場勤め希望──いや、やっぱりそれも微妙だな。早く上がれるし、ダンジョン程大変じゃないのはいいけど、金銭面が。

お金を取るか楽チンを取るかそれが問題だ。非常に悩ましい。


「いつもの店で飯にしようと思ってるんだが、ジグはどうする?」

「行く。」


店に向かって歩いていたら、友達と一緒のイネッサに会った。


「あっ、ジグ!」
「やぁ、イネッサ。」

「どこ行くの?」
「ご飯食べ行くところ。」
「私たちも一緒していい?」
「こう言ってるけど、一緒でもいい?」


答えは分かってるけど一応聞く。


「ああ、勿論!今日はついてるな!こんな可愛い娘たちと飯食えるなんて!」


そんなわけでイネッサたちも一緒にご飯食べることになった。




店は冒険者向けなこともあって、安くて量も多い。味も美味しい。──と言えれば良かったけど、残念ながら普通。

お菓子以外の物の美味しさに、そこまで拘りとかないから、俺的には別に不味くなければ構わない。


店は冒険者向けなこともあって──大事なことだからもう一度言う──イネッサたちの場違い感が。



女の子連れなんだから行く店変えようよ。全く気が利かない奴らだね。なんでここに来るかな。──と意見を言ったら『洒落たとこなんか知らねえんだよ!じゃあお前がどっか連れてけば良かっただろ!』とキレ気味に言われた。いやだよ、めんどくさい。


回りがじろじろ見てくるから、イネッサたちが落ち着かない様子だ。


「ごめんね?」

取り敢えず謝っておく。

「ううん。ここってよく来るの?」

「うん。安いし量もあるからね。」

「え、でもジグってそんなに食べないよね?」
「そうだね。」

「デブになりたくないとか言って、あんま食べないんだよ。アンタからももっと食べるよう言ってやってくれよ。」

「そうなんですか?てっきり少食なのかと思ってました。ジグ、ちゃんと食べなきゃダメじゃない!」

「ご飯よりお菓子食べたい。」

「アンタって子はもう・・・」

呆れた顔された。



チーズの盛り合わせやソーセージの盛り合わせ、大盛りサラダに、パンの盛り合わせ。後は煮込んだ肉やロースト肉、海風で乾燥させた物を薄切りにした肉やなんかを頼んだ。

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