51 / 162
男女が二人きりになったら雰囲気作りは大事
しおりを挟む
北斗を連れ近くの空き教室に入る。
掃除用具入れから箒を出して跨がり、柄を両手で持ったら、後ろに跨がるよう北斗を促す。
「何すんの?」
「静かに。」
深呼吸を数度繰り返せば、波紋一つない水面の心。何処までもシンとしたこの瞬間を逃さない。
ジャーンプ。
後、着地。
後ろの乗客と若干タイミングが合わず、柄がおかしな場所に当たってしまったのは多分気のせいだ。
北斗を見ると、なんか複雑な表情をしている。
どこか痛いのだろうか。
「……………飛ばないの?」
「箒に夢見すぎ。」
「ええ~…如何にも飛びます的なあの流れは一体…。」
「雰囲気作り。」
というのは嘘だけど。
秘密基地その1に行くのに必要な行動なんだよね。これをやってからスイッチ押さないと、作動しない仕組みになってる。
まぁ、行動はこれだけじゃなく、何気ない動作も組み込まれてたりする。例えば右足から入るとかね。
「…どんな雰囲気作りだよ。無意味に箒に跨がったという事実が恥ずい。」
ちょっと照れた顔の北斗には構わず、箒をかたずけ教卓に向かう。
「今度は何すんの?」
教卓の見えない部分にある印に指をやれば、秘密基地その1への入口が床に現れる。
「え、何これ。」
地下へ続く階段を降りていく。
「え、無視?無視なの?俺の質問。」
四次元的摩訶不思議ポケットから懐中電灯を出して照らせば、ゴツゴツした天然の壁が洞窟っぽさを醸し出す。
「ちょ、マジで何ここ。」
懐中電灯でグルリと照らしてから歩き出した。
「行き止まりが見えなかったんだけど、もしかしてずっと奥まで続いてんの?奥って行くと何があんの?」
「細かいことばっか気にしてるとハゲるよ。」
「細かくないし、俺の立場になったら、誰しもが普通にわく疑問だと思う。あと、頭皮のことは男子は触れられたくない問題だから!………今何か居なかった?」
居たね。
「怖いの?怖いと錯覚起こすから、何か居たように見えたのでは。」
「え~…そんなんじゃなくて、何か居たって絶対。」
「私と二人きりが嫌なの?幻覚か見えるほど。」
「いやいや、そんなんじゃないよ!寧ろ二人きりの方が、あっ、いや、何でもない。そんなことよりも、絶対何か居たって!」
そうだね。
「ねぇ、無視?無視なの?俺の主張。」
壁に指で渦巻きを描き、隠し扉を出現させ中へ入れば、自動で明かりが灯る。
「部屋…?なんでこんなとこに部屋が。つか、学校の下に謎の地下世界が存在しててビックリなんですが。まさか作ったとか言わないよね…って安定の無視なの?ねぇ、無視なの?」
そこは六畳ほどの広さに、テーブルと椅子、小さめの冷蔵庫があるだけの殺風景な秘密基地その1なのであった。
「こじんまりした部屋から地下世界を想像するって、北斗は妄想力が凄いね。」
「いやいや違うから、部屋からじゃないから。ここ入る前に見た光景からだから。奥の方見えなかったけど、四方八方に枝分かれした道が続いてるよね。」
「何勝手に探索してんの。このエロ野郎。」
「なんで!?」
「女子の下着が見えない、でもどうしても見たい。いや寧ろ下着の中こそ絶対見たい。そうだ、魔法だ。と何の躊躇もなく魔法をエロ活用するタイプだね。」
「なんで探索からそんな流れに!?いやだってするよね普通。得体の知れない場所来たら。何が起こるか解んないわけだし。なんか居たし。」
「こんな平和な世界で、一体何が起こると言うのか。せいぜい鳥の糞が上から落ちてくるくらいだよ。」
「いや、もっといろいろあるから。強盗とか殺人とか。あと、世界が平和だからって、ここも平和とは限らないだろ。」
そうだね。
「さぁ、チーズ食べよう。」
「そしてやっぱり無視の流れ!?」
掃除用具入れから箒を出して跨がり、柄を両手で持ったら、後ろに跨がるよう北斗を促す。
「何すんの?」
「静かに。」
深呼吸を数度繰り返せば、波紋一つない水面の心。何処までもシンとしたこの瞬間を逃さない。
ジャーンプ。
後、着地。
後ろの乗客と若干タイミングが合わず、柄がおかしな場所に当たってしまったのは多分気のせいだ。
北斗を見ると、なんか複雑な表情をしている。
どこか痛いのだろうか。
「……………飛ばないの?」
「箒に夢見すぎ。」
「ええ~…如何にも飛びます的なあの流れは一体…。」
「雰囲気作り。」
というのは嘘だけど。
秘密基地その1に行くのに必要な行動なんだよね。これをやってからスイッチ押さないと、作動しない仕組みになってる。
まぁ、行動はこれだけじゃなく、何気ない動作も組み込まれてたりする。例えば右足から入るとかね。
「…どんな雰囲気作りだよ。無意味に箒に跨がったという事実が恥ずい。」
ちょっと照れた顔の北斗には構わず、箒をかたずけ教卓に向かう。
「今度は何すんの?」
教卓の見えない部分にある印に指をやれば、秘密基地その1への入口が床に現れる。
「え、何これ。」
地下へ続く階段を降りていく。
「え、無視?無視なの?俺の質問。」
四次元的摩訶不思議ポケットから懐中電灯を出して照らせば、ゴツゴツした天然の壁が洞窟っぽさを醸し出す。
「ちょ、マジで何ここ。」
懐中電灯でグルリと照らしてから歩き出した。
「行き止まりが見えなかったんだけど、もしかしてずっと奥まで続いてんの?奥って行くと何があんの?」
「細かいことばっか気にしてるとハゲるよ。」
「細かくないし、俺の立場になったら、誰しもが普通にわく疑問だと思う。あと、頭皮のことは男子は触れられたくない問題だから!………今何か居なかった?」
居たね。
「怖いの?怖いと錯覚起こすから、何か居たように見えたのでは。」
「え~…そんなんじゃなくて、何か居たって絶対。」
「私と二人きりが嫌なの?幻覚か見えるほど。」
「いやいや、そんなんじゃないよ!寧ろ二人きりの方が、あっ、いや、何でもない。そんなことよりも、絶対何か居たって!」
そうだね。
「ねぇ、無視?無視なの?俺の主張。」
壁に指で渦巻きを描き、隠し扉を出現させ中へ入れば、自動で明かりが灯る。
「部屋…?なんでこんなとこに部屋が。つか、学校の下に謎の地下世界が存在しててビックリなんですが。まさか作ったとか言わないよね…って安定の無視なの?ねぇ、無視なの?」
そこは六畳ほどの広さに、テーブルと椅子、小さめの冷蔵庫があるだけの殺風景な秘密基地その1なのであった。
「こじんまりした部屋から地下世界を想像するって、北斗は妄想力が凄いね。」
「いやいや違うから、部屋からじゃないから。ここ入る前に見た光景からだから。奥の方見えなかったけど、四方八方に枝分かれした道が続いてるよね。」
「何勝手に探索してんの。このエロ野郎。」
「なんで!?」
「女子の下着が見えない、でもどうしても見たい。いや寧ろ下着の中こそ絶対見たい。そうだ、魔法だ。と何の躊躇もなく魔法をエロ活用するタイプだね。」
「なんで探索からそんな流れに!?いやだってするよね普通。得体の知れない場所来たら。何が起こるか解んないわけだし。なんか居たし。」
「こんな平和な世界で、一体何が起こると言うのか。せいぜい鳥の糞が上から落ちてくるくらいだよ。」
「いや、もっといろいろあるから。強盗とか殺人とか。あと、世界が平和だからって、ここも平和とは限らないだろ。」
そうだね。
「さぁ、チーズ食べよう。」
「そしてやっぱり無視の流れ!?」
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる