ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

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「え、…あのっ」

「呼んだのは藍蒔だけど、俺の相手してよ。」

「わ、分かった!相手するね!ソファでお話しよっ。あのっ…は、離れて?」

取り敢えず照れアピールしとこ。


「やだ。」
「は、恥ずかしいよ…。」

「ずっとくっついてれば慣れるよ、きっと。…俺だって、ほんとは恥ずかしいんだ。」


会ったばかりなのに積極的ね!

まぁ、私って美少女だし~、気持ちは分かるわ~。


でも、藍蒔と知り合いだし、もしかすると、今日が初めてじゃない可能性も。





ある日、藍蒔と居た美少女な私に一目惚れした少年。藍蒔に相談したら、じゃあ俺が協力するわってなった。

迷路でさんざん不安感や恐怖心を煽り、ヒーローが颯爽と登場。


吊り橋効果で私が意識。


自分だけを意識させる為と、すんなり部屋に誘導する為に、それらしいこと言ってアイマスクを着けさせ部屋へ。


さぁ、ここからが真の目的って訳。

多分最初は、私と部屋でいろんなこと話して、私のこと知りたい、仲良くなりたいってのが目的だった。

でも、密着してるうちに、それだけじゃ物足りないことに気付く。


『恋人になりたい』



どうしたらいい?

どうしたら恋人になれる?

会ったばかりなのに恋人になりたいなんて、図々しいと思われないだろうか?冗談でしょって笑い飛ばされやしないだろうか?


それが怖くて素直な気持ちを口に出せない。


悶々とした気持ちのまま、気付いたら、抱きしめていた…


て感じ?


やだもー、私ってなんて罪な存在なの!





「――ん、美羽さん?俺の話聞いてました?」

「…ほぇ?」

「立ったまま寝てました?」


「や、やあね!そんなわけないでしょ!」


おかしい、ちっともおいしい流れにならない。


美少女の私を間近にしてるのに、まるで平常心なのは何でなの!?


「聞いてなかったみたいだし、もう一度言います。腹減ってますよね?すぐ用意するんで食べてください。」


「失礼します。」


開きっ放しだったドアから、使用人らしき人が入って来て料理をテーブルに置く。


一礼して下がった。


たっぷりウニを使用したパスタの上には、キャビアが。

グウ~~っ

良い匂いに刺激され、お腹が鳴る。


恥ずかしさにチラリとソファの少年を見れば、聞こえてないのか、こっちを見ることもなく本を読んでいた。




テーブルに並べられた料理の数々を平らげ、飲み物で一息ついた頃


「まだ時間大丈夫ですか?」

「大丈夫よ。」

「じゃあ、美羽さんの時間、俺に少しだけください。」

ついにおいしい流れが!





ソファに並んで座り、他愛もない話に花が咲く。


時折ボディタッチをしてあげれば、摩れてない初々しい反応を見せるからすごく楽しめる。


すっごく可愛いから、ついついボディタッチサービスを大盤振る舞いしちゃった!


「美羽さん。…これ、今日の記念に。」


そう言って見せられたのは、花をあしらったブレスレット。

「受け取ってくれますか?」

「え、くれるの?」

「美羽さんの為に作ったんです。」


私の為に作った物が用意されてるなんて、やっぱりどこかで私に一目惚れしてたのね!


「ありがとう。」

さっそく着けると、嬉しそうに彼が笑顔を見せる。


いや~ん、可愛い!!







その後『今日はありがとう』とキラキラした笑顔で菓子折りを渡され、帰宅。



あ、名前聞くの忘れちゃった。


まぁ次に逢った時聞けばいいわね!


少年は私に惚れてるから、訪ねてあげれば喜ぶし、その時に聞こうっと。





お菓子は某有名高級菓子で、めちゃくちゃ美味しかった。






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