ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

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【2】

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人食い烏賊キラースクイッドに思いを馳せてるうちに授業終了。


移動しながら、自身の集中力の無さを反省。

年頃の乙女として三原君を一途に思う妄想って誓ったのに、私の乙女心は揺れ動き、三原君から人食い烏賊キラースクイッドに移ろってしまった。なので取敢えず謝っておく。


「三原君ごめんね。」
「何急に。」

「三原君のこと思ってたのに、気づいたら人食い烏賊キラースクイッドのこと思ってた。」

人食い烏賊キラースクイッドさんありがとう。お陰ですばるの中の俺が、おかしなことにならずに済みました。」

「ここは『俺のことを…』とキュンとして抱きしめる場面だと思う。間違っても人食い烏賊キラースクイッドにお礼を言う場面ではないよ。」

「俺だってそうしたいよ。今すぐすばるを抱きしめたいよ?でもさ、絶対、間違っても、キュンとするような内容ですばるの中に出てきてないよね。人食い烏賊キラースクイッド登場前の俺。」



私に対する偏見が酷い件。



「三原君、果たして本当に人食い烏賊キラースクイッドは三原君にお礼を言ってもらえるような立場にあるのだろうか。」

「どういう意味?」

「聞きたい?」


妄想の中で、三原君と人食い烏賊キラースクイッドの絡みはなかったので、聞きたいとか言われると、今から即興で話を創作しなければならないのだが。



「いや、特に聞きたくはない。」

「私の話聞きたくないとか、なんて酷い言いぐさなの。もっと私に興味持とうよ。どんなに些細で面白みのない話でも、お前の話なら何でも聞かせてくれよくらいの意気込みで聞こうよ。もっといろんな私を知りたがろうよ。」

「そこだけ聞かれちゃうと、俺が嫌な男に思われてしまうのですが。」

「皆に三原君が嫌な男だと思われても、私だけは嫌な男だと思わないから安心するといい。」

「皆に思われてる時点で全然安心じゃない。」

「三原君、人類全てに良い人と思われることなど不可能だよ。」

「そんなスケールのデカいことは目指してないから。」

「じゃあ、要するに人類全てにモテたいってこと?まさかの人類皆俺の物宣言?」

「人類全てから離れようか。あと、別にモテたくはない。」

「つまりは、私の話を聞くってことですね。」
「つまりはどこにかかってるのかな。──聞きません。」

「確かに女子の話は特にオチがないけど、オチなんてなくても広い心で優しい目差しで、懐の深さを見せて聞いてほしい。」

「今俺に聞かせようとしてるのって、オチとかそういう次元のと違うじゃないですか。人食い烏賊キラースクイッドだよ?8本ある腕は鋭い歯がついた吸盤で覆われ、触腕に捕まって引っ張られたら肩とか脱臼する力強さだよ?おまけに嘴の噛む力はライオンを凌ぐんだよ?手首噛まれたら千切れる威力だよ?伊達に人食い烏賊とか言われてないよ?そんな相手と同じ舞台に立ったら、結末は聞くまでもないと思うのですが。」


うん、まぁ、グロ一択ですね。

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