ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

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草食動物ってこんな気持ちで生きてるのかもしれない≪灘流≫【1】

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「そんなわけでお願いします。灘流さん。」


どんなわけですか?と思わなくもないが、何時ものことだから気にしない。



我が家の…、我が家の?ていうか姉ちゃん作の姉ちゃん迷路と呼ぶのが正しいかな。そこへ転移。


この迷路、ちょっと危ない。


普通の迷路だと思って挑むと、大変なことになるんだよね。


例えば、壁を壊して直進しようとすると、普通の蔦の振りしてた蔦が、巻き付いて身体を千切る。


蔦問題をクリアして壁ぶっ壊せたとしても、足下に落とし穴が出来て、串刺しになったり、酸の中に強制入浴させられたり。


俺が知ってるのはそれくらいだけど、まだまだ有るんじゃないかな。

姉ちゃんて、念には念を入れるの好きだし。

備えあれば憂いなしを実践してる。


つか出入口って何ヵ所かあるのに、何故敢えて出口ないここを指定したんだろ。





目の前の人を観察する。




姉ちゃんよ、心駄々漏れになる迷路て…

迷路の枠組みから逸脱してないかな!?



迷路の干渉力遮断してなかったら、俺の心が駄々漏れちゃってたよ!?

こういうことは先に言っておいてほしいんですけど!!


俺の知られたらヤバい部分が、危うく暴露されちゃうとこだった。


この人みたいに。





妄想ですごく盛り上がってるっぽくて、声掛けずらいのですが…。


俺だったらこんな状態で、知らない奴に話しかけられたらめっちゃ嫌だ。


誰も居ないと思って大声でアニソン歌ってたら、すぐ側に知らない人が居て聴かれてたくらい居た堪れないわ~。

でも、いつまでもこうしてるわけにもいかない。


「え~と、美羽、さん?で良かったかな、名前。」


突然の声に一瞬ビクッとしてこっち見た相手は、小動物っぽい雰囲気の美少女だった。





…見た目だけは。



駄々漏れてくる心もそうだけど、俺を見る目がね、もうね、肉食獣が獲物を見るが如くギラギラしててドン引きだよ!


この場所、媚薬的な物が散布されてるの?


つか、この人の中の俺のキャラ…



下心満載で突っ込んで来たから避けてみたら、めっちゃ文句言われた。解せぬ。



「俺の手を握ってください。」

「は?急に意味分かんない。」


お気付きじゃないと思いますが、いろいろ駄々漏れてますよー。

本人曰く、お得意らしいウルっとした上目遣いで見てくるが、全く心が動かされない件。

さっと手を掴んで転移した。




迷路から出て、道順覚えられないようにアイマスクを渡す。

まぁ、覚えるなんて無理だろうけど念のため。



防犯上の問題で、転移が使えるとこと使えないとこがあるから、ここからは徒歩か移動用乗り物で移動する。


徒歩だと時間かかるし、ずっと手を引くのも嫌だってことで乗り物を選択したわけだけどーー何か選択ミスったかもしれない。

まるで捕らえた獲物を離さんとするかのように、俺をガッツリ捕らえてくる後ろの人が。


あれー?おかしいなー。

美少女のおっぱいを背中で堪能してるのに全然全くこれっぽっちも楽しくない。


「だって見えないから、すごく怖いの。」


寧ろ俺の方が怖いから!

肉食獣に食らい付かれた草食動物の気分だよ!


さりげなさを装って、身体さわさわしてくるのをやめて欲しい。お触りサービスは実施してないから!


なんなの?痴女?痴女なの?発情期なの?まさぐらないと死んじゃう病なの?



…ほんと迷路に媚薬的なヤツ散布されてないよな?



好きでもなんでもないヤツに触られるのって、すごい気持ち悪い…。




移動中、姉ちゃんと目が合ったら、『美少女のおっぱい堪能ですね分かります』という目をしていた。

違うんだ姉ちゃん違うんだ美少女密着ヒャッホーッおっぱいグヘへのノリじゃないんだ


楽しんでないから!全然楽しんでないからね!?





嫌な感じにドキドキして、なんか変な汗が止まりません…


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