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「バイバイ」のあと

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去りぎわに「バイバイ」と言われたあと、二度、面会した。

両日りょうじつとも眠っていたようで、特に母の意思表示を感じる出来事はなかった。
それでも、病室を出る前には「また来るね」と声をかけてきた。


最後に面会した日は、呼吸器をつけられていた。
それでも息苦しそうにしているのが、見て取れた。
口を開け閉めする様子が、水面で口をパクパクする金魚のようだった。

その晩だった。
母が息を引き取ったと連絡が入ったのは。

あの「バイバイ」が、私が聞いた母の最後の言葉になった。


遺体は、冷蔵庫で保存してもらえる葬儀場に運んでもらった。


最後の面会をする前、葬儀のことを現実的に考えなくてはならない状況だと連絡を受け、決めておいた葬儀場。
親戚にわかりやすい場所を選んでおいた。
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