紅茶

夕月 檸檬 (ゆづき れもん)

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呼吸をするためのミルクティー

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パーティー会場を抜け出してきた。
パウダールームから戻る気になれなくて、カフェに入った。

店員さん以外誰も居ないカフェで窓辺の席に座り、川面かわもににじむライトをぼんやりと見つめていた。

ゆっくりと、このミルクティーを飲んだら、会場に戻ろう。

人数が多くても、私が特別目立つ存在でなくても、居ないことに気づかれやすい立場で参加している。

そう、これは「仕事」の合間の休息。

ただでさえパーティーは得意じゃないけど、会社行事となると、なおのこと苦手。

ミルクティーを飲む間くらいは、会場に居ないことを許されたい。

甘くして飲んだミルクティーで、心の呼吸を取り戻して、会場の扉をそっと開けた。
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