上 下
6 / 6

サマータイムサマータイム ~花火見逃しからの空港ぶらぶら~

しおりを挟む
2018年8月某日ぼうじつ、花火大会に行こうとした。肉眼で花火を見るのは、2016年の冬以来。

間に合うだろうか……?
別の用事を済ませてからの移動。綱渡りのスケジュールだった。

……綱を渡り切れなかった。
ちょうど終わった頃に、会場最寄り駅に着いてしまったようだ。
あ~あ、ガックリ。

そうだ、もう少し先に行けば空港がある。せっかくここまで来たなら、空港まで行くことにしよう。

電車を降りたホームに戻り、空港行きの電車を待った。
電車が来るのは20分先。少し長く待たなくてはいけないけど、反対側のホームの込み具合を見ると、なおさら戻る気にはならなかった。



――空港にて――


「スカイタウン」に向かう途中、ピカチュウとイーブイが居た。


喉をうるおそうとフードコートに行き、特急列車の中でお弁当を食べたことを、少し後悔した。お馴染なじみのチェーン店に、空港限定メニューがあったからだ。次に来る時には、その季節のメニューに変わっているだろうな……。

外を眺められる席で、ゆっくりとアイスティーを飲んだ。夜なので、窓ガラスに自分の姿が映ってしまい、思ったほどいい眺めではなかったけれど。

目的の「スカイデッキ」に出た。
夜風よかぜが心地いい。

会場最寄り駅に向かうことしか考えていなかったけれど、きっとここからも花火が見えたんじゃないかな?
地元の人によると、会場最寄り駅と空港の間の駅付近でよく見えるという話だけれど。案外、みんな考えることは似ていて、その3つの駅周辺は混雑するんだろうなぁ。
外を眺められる席が空いていたのは、花火大会が終わったあとだったからかもしれない。

タラップから飛行機に乗り込む人達の姿が見える。
どこに向かう飛行機だろうか?

飛行機が停まっているエリアよりも海側のほうは、青や緑のライトで埋まっていて、綺麗だった。



少し、雨がパラついた。
傘は晴雨せいう兼用のものを持っていたので、困りはしなかった。

パラついた雨はすぐに止んだけれど、ノースリーブの服から出ている腕だけが冷えてきて、スカイデッキを後にした。

飲食店などが立ち並ぶスカイタウンでは、もうほとんどの店が営業を終えていたものの、お酒が飲める一部の店はにぎわわっていたし、通路にも結構、人が多かった。
ターミナルビル1階のコンビニは、レジ待ちの行列が店の外にまで伸びるほどの繁盛はんじょうぶりだった。
そんなだから、帰りの電車も予想より込んでいた。

たまには、郊外こうがいの夜景を眺めてみるのも悪くない。
ネオンライトや街灯がいとうだらけの夜景に慣れた私には、灯りがまばらに見える夜景は新鮮だった。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

伊良湖岬

夕月 檸檬 (ゆづき れもん)
エッセイ・ノンフィクション
初めて愛知県田原市・伊良湖岬を訪れた時の思い出。 あえてデジタル機器を一切触らないと決めて、それによって起こるハプニングを楽しんだ小旅行でした。

'want'の意味

夕月 檸檬 (ゆづき れもん)
エッセイ・ノンフィクション
状況が許さず、再会が叶わない人への思いを掌編に綴りました。

ハーブティー

夕月 檸檬 (ゆづき れもん)
エッセイ・ノンフィクション
ハーブティーにまつわるショートショートストーリー。

ある愛妻家の脳内

夕月 檸檬 (ゆづき れもん)
恋愛
妻を溺愛・偏愛している愛妻家とその妻の脳内を文章化! 理想の夫・上司・萌えネタ提供者とその妻像を、個人的な趣味嗜好100%で作品にしました。 読者様の萌えネタになれば、幸いです。

愛しい人へ

夕月 檸檬 (ゆづき れもん)
エッセイ・ノンフィクション
眠る前に綴る、愛しい人への想い。 「声を聴かせて」から「眠りたくないの」までは、Writoneで音声化済み。 「声を聴かせて」は、2021年9月、fm GIGで大原みゆさんの朗読版が放送されました。 「月あかりの下で」以降は、Twitterで54文字原稿用紙のフォーマットに書いて公開していた作品にタイトルをつけたものです。 一部の作品は、若干、書き改めました。

カフェ

夕月 檸檬 (ゆづき れもん)
エッセイ・ノンフィクション
カフェにまつわるショートエッセイ集。 最初の一篇『バータイムのカフェでひとり…』は、2018年のTwitterハッシュタグ企画参加作品としてnote・Writoneで公開。 Writoneで音声化され、2021年8月、声優・熱情誠さんの朗読版がfm GIGで放送されました。 それ以外のストーリーは、今後、執筆します。

カップ焼きそばの作り方〜夕月 檸檬 編〜

夕月 檸檬 (ゆづき れもん)
大衆娯楽
書籍『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』から派生した旧Twitter(現在のX)のハッシュタグ「#物書きのみんな自分の文体でカップ焼きそばの作り方書こうよ」や、note内企画に寄せた投稿から、私流のカップ焼きそばの作り方だけを抜粋しました。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

処理中です...