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2章 王立学院編ー前編―

29<お仕置きと躾④>

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「いっ…!」
答えずに目を閉じたままでいると、首筋に思いきり歯をたてられる。痛みに思わず目を開けると、アクアマリンの双眸と目が合う。

「閉じるな。俺がおまえにすることを見ていろ」
ジェラルドは俺と目を合わせたまま見せつけるように真っ赤な舌を出す。そうしてアイスを舐めるように下から上へと右の先端を愛撫し始めた。

もう片方の手は左胸を擦るように撫でたり先端を引っ掻いたりと動き出す。一度に異なる刺激を与えられた上に、淫らな光景から目が離せない。恥ずかしいはずなのに身体は確実に興奮していた。

「あ……っ、そこ――や」
快楽漬けでぼうっとしている隙に片手が下へ降りる。その手はすでに勃ち上がっている俺の昂りを包み込むようにして握るとゆっくり上下へ擦り始めた。先走りで濡れそぼっていたために痛みはない。

「やだ……っ!……あ、ああ……っ!」
口の端からよだれを垂らしながらよがる俺を目に映して、ジェラルドは笑顔で攻め続ける。あっという間に頭の中が真っ白になり、絶頂めがけて熱が高まっていく。もうダメだというその瞬間、パッと手が離された。

「なん……でっ」
涙目で抗議をすると、ジェラルドは満足げに目を細める。
「物欲しそうな表情をしているな。だが仕置きだと言うことを忘れるな。おまえだけが気持ち良くなるのは許されない。俺のことも良くしてくれ」

ジェラルドは俺と目を合わせたままボトムスと下着を男らしく脱ぎ捨てる。引き締まった彫刻のように美しい下半身に目を奪われてしまう。腹に付きそうなほど反り返ったジェラルドのソレは今まで見た誰よりも大きい。

「そんなにじっと見るな。照れるだろう」
少しも恥じらいを感じさせない堂々とした笑みが憎らしい。
(こいつ……!)

「ひっ! なにして……ああっ!」
せめてもの抵抗に、悪態を吐いてやろうと開いた口から自分のものとは思えないほどの媚びた嬌声が漏れる。

再び覆いかぶさってきたジェラルドは、俺と自分の中心を手のひらに握り込むと、ゆっくりと優しく上下に擦り始めた。
(今俺、兜合わしてんのか。自分がプレイしてがゲームの攻略対象と)
そんなことを考えているうちに、擦る速度が上がり強く擦られていく。2人分の先走りのせいか、ローションを使っているわけでもないのにぐちゅぐちゅといういやらしい水音が部屋に響く。

「ん……っんん」
ジェラルドは俺の唇の端からたらたらと零れ落ちる唾液を舐めって、そのまま舌を突っ込んでくる。熱い舌で口内を蹂躙するような激しく執拗なキス。上と下、両方からの快感に腰が浮き上がり、つま先に力が入る。

「や、ああっ……! も、出ちゃ……いそ」
「可愛いこと、言ってっ……っく、出せばいいっ……!」
「や、あ、あ、あ……も、ダメっ……! あああああっ!!」

俺とジェラルドはほぼ同時に欲を吐き出した。無意識にしがみついていた背中は汗で濡れている。ジェラルドは、はあはあと荒い息を吐きながら俺の肩口に顔を埋めていた。

ようやく互いの呼吸が落ち着いた頃、ゆっくりと顔を起こしたジェラルドは汗で貼りついた俺の前髪を掻き分けるようにして額に優しくキスを落とす。そうして俺の右側に仰向け倒れ込んだ。

(やば……めっちゃ出た。早く綺麗にしないと……)
そう思うのに急激な疲労感に瞼が重くなっていく。隣に目をやるとジェラルドも同じようで、眠たげにゆっくりと瞬きを繰り返している。

(まあ、いいか。どうせ夢だし……)
夢の中でまた眠るというのもおかしは話だなと思いながら俺は目を閉じた。
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