38 / 152
2章 王立学院編ー前編―
27<お仕置きと躾②>
しおりを挟む
「どうしてっ!」
「内側の布地の色も確認しないといけないだろう。外側と内側が違うこともある。今回は大丈夫だったようだが」
俺の大切な部分を守っていた布は、はらりとはかなげにシーツの海へ落ちた。おかげで俺は今、下半身を丸出しにして四つん這いの姿勢になっているのだ。
「も、もう確認できましたよね? お許しいただけるのでは」
「ダメだ。何度言わせる気だ。仕置きと躾だと言っただろう。主導権も選択権も俺にしかない」
「そんな……」
「抵抗なんかするからこうなるんだと分からせてやる」
ジェラルドは言葉の酷さとは不釣り合いなほど優しい手つきで再び尻を揉みしだき始めた。
「んっ、あっ」
最初はただ触れられているという感覚だけだったのに、次第に快感に変わっていく。
「相変わらず可愛い声だな。その声が聞きたかった」
背後でジェラルドが嬉しそうに呟く。
「んあっ、あっああっ!」
尻に触れていた手が、ゆっくりと下がっていく。鼠径部や太腿の内側を撫でられると膝がガクガクと震えた。
やがて一回り大きな体が背後から覆いかぶさってくる。ジェラルドは両脇の下から腕を通すと、後方へ俺の体を引っ張った。
「うわっ!」
気づくとこの前のように、ベッドに座って背後から抱きしめられている状態になる。四肢は憎らしいほど長い脚に絡め取られて大きく開かれる。
制止する間も間もなく不埒な両手がシャツのボタンを器用に外していく。そうして次に袖を腕から抜かれた。俺の身体を守ってくれていた最後の布はジェラルドによって遠くに放り投げられてしまう。
あっという間に一糸纏わぬ姿にされたことがたまらなく悔しいのに、胸の奥で何かを期待してしまっている自覚もある。
ジェラルドは肩口に顎を乗せて後ろから覗き込むようにして俺の体をじっと見ていたが、やがてはぁと息を吐いた。耳の後ろや首筋に息がかかり、肩がびくりと跳ねてしまう。
「可愛い……可愛すぎる……」
熱に浮かされたように呟きながら、ジェラルドが胸や腹を撫でまわす。だがなかなか肝心のところには触れてくれない。あと少しというところで、向きを変えてしまったり、スレスレのところで止まってしまう。
(ダメだ俺、落ち着け。理性を保て)
心の中で落ち着けと繰り返してみる。だがそんな意思とは裏腹に、触れられてもいない先端は勝手に何かを期待してピンと勃ち上がってしまった。
もちろんジェラルドがそれを見逃すわけはない。
「いやらしい身体だな」
小さく笑うと、また寸止めを繰り返して俺を虐める。最初はなんとか精神統一を図っていたのだが、やがて俺はおかしくなっていった。
触れてほしい。摘まんだり捏ねたり、引っ掻いたりと様々な刺激を与えてほしい。気持ちよくなりたい。頭の中がその思いだけでいっぱいになる。
「あっ。はぁっ。も、やぁ……」
目からは生理的な涙が流れ出している。もう無理だ。緩い快感だけで決定的なものが長時間与えられない事が、こんなにも辛いだなんて。まるで地獄だ。無意識に自分の手を先端へと伸ばすと、跳ね除けられた。
「ダメだ。ここに触れていいのは俺だけだ」
「ひど……っ、触れてくれないくせにっ……」
もう限界だ。首だけで振り返って子どもようにみっともなく泣きじゃくりながら喚くと、熱い舌でべろりと頬を舐められる。
「ああ……泣き顔も可愛すぎる。堪らない。もっともっと泣かせたくなる」
「い、やあっ、ひどいっ……」
「じゃあ自分で言ってみろ。俺にどうしてほしいのか」
「やだぁ……んんっ」
「そうか。ではずっとこのままだな」
ジェラルドはそっけなく言うと、再び俺の頬を伝う涙を舐めたり目尻に唇をつけてちゅうと吸ったりし始める。
「やだあ、おねがい……」
「だったら自分で言え。おまえは俺に何をしてほしい」
自分で言うなんて恥ずかしすぎる。だがこのままでは地獄のような緩い快感のからジェラルドが満足するまで解放されることはない。
絶望にも似た気持ちで涙を長しているうちに、俺はあることに気づいた。
(ていういか、これ夢なんだよな。だったら別によくないか? 俺の夢なんだから、何が起きても誰にも――ジェラルドにすら知られることはないんだ)
そうして俺は快感を貪ること以外は考えることをやめた。胸を這いまわる手に自分の手を重ねると、泣き叫ぶように思いを口にした。
「ジェラルドさまっ……! 俺の乳首に、触れて、ください……」
「……っ!」
俺の言葉にジェラルドの動きが一瞬にして止まった。
「内側の布地の色も確認しないといけないだろう。外側と内側が違うこともある。今回は大丈夫だったようだが」
俺の大切な部分を守っていた布は、はらりとはかなげにシーツの海へ落ちた。おかげで俺は今、下半身を丸出しにして四つん這いの姿勢になっているのだ。
「も、もう確認できましたよね? お許しいただけるのでは」
「ダメだ。何度言わせる気だ。仕置きと躾だと言っただろう。主導権も選択権も俺にしかない」
「そんな……」
「抵抗なんかするからこうなるんだと分からせてやる」
ジェラルドは言葉の酷さとは不釣り合いなほど優しい手つきで再び尻を揉みしだき始めた。
「んっ、あっ」
最初はただ触れられているという感覚だけだったのに、次第に快感に変わっていく。
「相変わらず可愛い声だな。その声が聞きたかった」
背後でジェラルドが嬉しそうに呟く。
「んあっ、あっああっ!」
尻に触れていた手が、ゆっくりと下がっていく。鼠径部や太腿の内側を撫でられると膝がガクガクと震えた。
やがて一回り大きな体が背後から覆いかぶさってくる。ジェラルドは両脇の下から腕を通すと、後方へ俺の体を引っ張った。
「うわっ!」
気づくとこの前のように、ベッドに座って背後から抱きしめられている状態になる。四肢は憎らしいほど長い脚に絡め取られて大きく開かれる。
制止する間も間もなく不埒な両手がシャツのボタンを器用に外していく。そうして次に袖を腕から抜かれた。俺の身体を守ってくれていた最後の布はジェラルドによって遠くに放り投げられてしまう。
あっという間に一糸纏わぬ姿にされたことがたまらなく悔しいのに、胸の奥で何かを期待してしまっている自覚もある。
ジェラルドは肩口に顎を乗せて後ろから覗き込むようにして俺の体をじっと見ていたが、やがてはぁと息を吐いた。耳の後ろや首筋に息がかかり、肩がびくりと跳ねてしまう。
「可愛い……可愛すぎる……」
熱に浮かされたように呟きながら、ジェラルドが胸や腹を撫でまわす。だがなかなか肝心のところには触れてくれない。あと少しというところで、向きを変えてしまったり、スレスレのところで止まってしまう。
(ダメだ俺、落ち着け。理性を保て)
心の中で落ち着けと繰り返してみる。だがそんな意思とは裏腹に、触れられてもいない先端は勝手に何かを期待してピンと勃ち上がってしまった。
もちろんジェラルドがそれを見逃すわけはない。
「いやらしい身体だな」
小さく笑うと、また寸止めを繰り返して俺を虐める。最初はなんとか精神統一を図っていたのだが、やがて俺はおかしくなっていった。
触れてほしい。摘まんだり捏ねたり、引っ掻いたりと様々な刺激を与えてほしい。気持ちよくなりたい。頭の中がその思いだけでいっぱいになる。
「あっ。はぁっ。も、やぁ……」
目からは生理的な涙が流れ出している。もう無理だ。緩い快感だけで決定的なものが長時間与えられない事が、こんなにも辛いだなんて。まるで地獄だ。無意識に自分の手を先端へと伸ばすと、跳ね除けられた。
「ダメだ。ここに触れていいのは俺だけだ」
「ひど……っ、触れてくれないくせにっ……」
もう限界だ。首だけで振り返って子どもようにみっともなく泣きじゃくりながら喚くと、熱い舌でべろりと頬を舐められる。
「ああ……泣き顔も可愛すぎる。堪らない。もっともっと泣かせたくなる」
「い、やあっ、ひどいっ……」
「じゃあ自分で言ってみろ。俺にどうしてほしいのか」
「やだぁ……んんっ」
「そうか。ではずっとこのままだな」
ジェラルドはそっけなく言うと、再び俺の頬を伝う涙を舐めたり目尻に唇をつけてちゅうと吸ったりし始める。
「やだあ、おねがい……」
「だったら自分で言え。おまえは俺に何をしてほしい」
自分で言うなんて恥ずかしすぎる。だがこのままでは地獄のような緩い快感のからジェラルドが満足するまで解放されることはない。
絶望にも似た気持ちで涙を長しているうちに、俺はあることに気づいた。
(ていういか、これ夢なんだよな。だったら別によくないか? 俺の夢なんだから、何が起きても誰にも――ジェラルドにすら知られることはないんだ)
そうして俺は快感を貪ること以外は考えることをやめた。胸を這いまわる手に自分の手を重ねると、泣き叫ぶように思いを口にした。
「ジェラルドさまっ……! 俺の乳首に、触れて、ください……」
「……っ!」
俺の言葉にジェラルドの動きが一瞬にして止まった。
586
お気に入りに追加
5,149
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
魔力ゼロの無能オメガのはずが嫁ぎ先の氷狼騎士団長に執着溺愛されて逃げられません!
松原硝子
BL
これは魔法とバース性のある異世界でのおはなし――。
15歳の魔力&バース判定で、神官から「魔力のほとんどないオメガ」と言い渡されたエリス・ラムズデール。
その途端、それまで可愛がってくれた両親や兄弟から「無能」「家の恥」と罵られて使用人のように扱われ、虐げられる生活を送ることに。
そんな中、エリスが21歳を迎える年に隣国の軍事大国ベリンガム帝国のヴァンダービルト公爵家の令息とアイルズベリー王国のラムズデール家の婚姻の話が持ち上がる。
だがヴァンダービルト公爵家の令息レヴィはベリンガム帝国の軍事のトップにしてその冷酷さと恐ろしいほどの頭脳から常勝の氷の狼と恐れられる騎士団長。しかもレヴィは戦場や公的な場でも常に顔をマスクで覆っているため、「傷で顔が崩れている」「二目と見ることができないほど醜い」という恐ろしい噂の持ち主だった。
そんな恐ろしい相手に子どもを嫁がせるわけにはいかない。ラムズデール公爵夫妻は無能のオメガであるエリスを差し出すことに決める。
「自分の使い道があるなら嬉しい」と考え、婚姻を大人しく受け入れたエリスだが、ベリンガム帝国へ嫁ぐ1週間前に階段から転げ落ち、前世――23年前に大陸の大戦で命を落とした帝国の第五王子、アラン・ベリンガムとしての記憶――を取り戻す。
前世では戦いに明け暮れ、今世では虐げられて生きてきたエリスは前世の祖国で平和でのんびりした幸せな人生を手に入れることを目標にする。
だが結婚相手のレヴィには驚きの秘密があった――!?
「きみとの結婚は数年で解消する。俺には心に決めた人がいるから」
初めて顔を合わせた日にレヴィにそう言い渡されたエリスは彼の「心に決めた人」を知り、自分の正体を知られてはいけないと誓うのだが……!?
銀髪×碧眼(33歳)の超絶美形の執着騎士団長に気が強いけど鈍感なピンク髪×蜂蜜色の目(20歳)が執着されて溺愛されるお話です。
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる