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第二部 2章
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「ありがとうございました! とてもよくわかりました」
ディナーの後、推しの部屋で魔数秘学はの復習を手伝ってもらった。
教え方がカリスマ塾講師かと思うぐらいわかりやすくて丁寧で、どれだけ教科書を読み返しても理解不能だった箇所が驚くほど理解できた。
(これほど完璧って言葉が似合う人もいないよなあ。いや、推しを表現するために完璧という言葉が生まれたのかしれない)
勉強後、紅茶を淹れてくれるという推しの美しい所作に見惚れながらそんなことを考えていると、ふいに話しかけられた。
「今日、ジェイソンとマークと何を話していたの?」
ジェイソンとはバーロウ先輩の、マークとはウィリアムズ先輩のファーストネームである。
「えっ!?」
推しには絶対に知られたくない内容だったこともあり、俺は飛び上がりそうなほど驚いてしまう。
「どうしたの?」
アシュリーは少し驚いたように目を丸くしている。
「あ、えーと……な、なんだったかなあ。他愛のない世間話です! 内容も忘れてしまうぐらいの話でした」
うまくごまかせただろうか。
「そうなんだ。最後、ジェイソンがルイスの耳元で何か言っていたように見えたけれど、それも忘れちゃった?」
「そ、そんなことしていましたっけ? 記憶にないです」
「……そう」
少しだけ声が低くなった気がする。分でも悪いのだろうか。心配だ。
「アシュリー兄さま? どうかなさったのですか」
顔を覗き込むと推しは少し笑った。
「ううん、なんでもないよ。ルイスはクラブの皆と仲良くできて偉いね」
「はいっ! 在学中にたくさん交流して友達や親しい先輩後輩を作りたいです!」
「それはすごいね。ルイスはいい子だから、きっとたくさんの友達や仲良しができるよ」
「えへへ。ありがとうございます」
褒められて嬉しい。推しに褒められた喜びを噛みしめていると、推しが手の甲でするりと右頬を撫でた。
「ルイスがいい子でみんなに好かれるのはすごく嬉しいけど……たまにはこうして僕と二人で過ごす時間も作ってほしいな」
恥ずかしいのだろうか。少しだけ頬を染めて照れたよう呟く様子がたまらなく可愛い。
(やばい、可愛すぎる。スマホがあれば連写したのに。クソ!!)
「もっ……もちろんです! 僕の一番は永遠にアシュリー兄さまなので!!」
立ち上がって大声で宣言し、敬礼する。
アシュリーはぽかんとした表情で固まったあと、くすくすと笑いだした。両手で口元を覆って笑う姿が上品で可愛らしい。
「ルイス、声が大きいよ。防音魔法がかかっているか大丈夫だけど、びっくりしちゃった」
「す、すみません……つい」
「でも嬉しいな。僕が永遠に一番なの?」
「はい! 幸せに暮らす兄さまを見守って生きるのが僕の人生の目標なので」
「なあにそれ。でも僕の幸せも、ルイスがずっと側にいてくれることだよ」
すみれ色の優しい瞳に見つめられて吸い込まれそうになる。
(はあ、幸せ……)
推しの供給過多で鼻血が出てしまいそうだ。俺は鼻をつまみながら自室へと戻ったのだった。
ディナーの後、推しの部屋で魔数秘学はの復習を手伝ってもらった。
教え方がカリスマ塾講師かと思うぐらいわかりやすくて丁寧で、どれだけ教科書を読み返しても理解不能だった箇所が驚くほど理解できた。
(これほど完璧って言葉が似合う人もいないよなあ。いや、推しを表現するために完璧という言葉が生まれたのかしれない)
勉強後、紅茶を淹れてくれるという推しの美しい所作に見惚れながらそんなことを考えていると、ふいに話しかけられた。
「今日、ジェイソンとマークと何を話していたの?」
ジェイソンとはバーロウ先輩の、マークとはウィリアムズ先輩のファーストネームである。
「えっ!?」
推しには絶対に知られたくない内容だったこともあり、俺は飛び上がりそうなほど驚いてしまう。
「どうしたの?」
アシュリーは少し驚いたように目を丸くしている。
「あ、えーと……な、なんだったかなあ。他愛のない世間話です! 内容も忘れてしまうぐらいの話でした」
うまくごまかせただろうか。
「そうなんだ。最後、ジェイソンがルイスの耳元で何か言っていたように見えたけれど、それも忘れちゃった?」
「そ、そんなことしていましたっけ? 記憶にないです」
「……そう」
少しだけ声が低くなった気がする。分でも悪いのだろうか。心配だ。
「アシュリー兄さま? どうかなさったのですか」
顔を覗き込むと推しは少し笑った。
「ううん、なんでもないよ。ルイスはクラブの皆と仲良くできて偉いね」
「はいっ! 在学中にたくさん交流して友達や親しい先輩後輩を作りたいです!」
「それはすごいね。ルイスはいい子だから、きっとたくさんの友達や仲良しができるよ」
「えへへ。ありがとうございます」
褒められて嬉しい。推しに褒められた喜びを噛みしめていると、推しが手の甲でするりと右頬を撫でた。
「ルイスがいい子でみんなに好かれるのはすごく嬉しいけど……たまにはこうして僕と二人で過ごす時間も作ってほしいな」
恥ずかしいのだろうか。少しだけ頬を染めて照れたよう呟く様子がたまらなく可愛い。
(やばい、可愛すぎる。スマホがあれば連写したのに。クソ!!)
「もっ……もちろんです! 僕の一番は永遠にアシュリー兄さまなので!!」
立ち上がって大声で宣言し、敬礼する。
アシュリーはぽかんとした表情で固まったあと、くすくすと笑いだした。両手で口元を覆って笑う姿が上品で可愛らしい。
「ルイス、声が大きいよ。防音魔法がかかっているか大丈夫だけど、びっくりしちゃった」
「す、すみません……つい」
「でも嬉しいな。僕が永遠に一番なの?」
「はい! 幸せに暮らす兄さまを見守って生きるのが僕の人生の目標なので」
「なあにそれ。でも僕の幸せも、ルイスがずっと側にいてくれることだよ」
すみれ色の優しい瞳に見つめられて吸い込まれそうになる。
(はあ、幸せ……)
推しの供給過多で鼻血が出てしまいそうだ。俺は鼻をつまみながら自室へと戻ったのだった。
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