【本編完結】至高のオメガに転生したのに、最強ヤンデレアルファの番に攻められまくっています

#35

首元から顔を起こした金成が真上から俺を見る。サファイアから零れ落ちた透明な雫が、俺の顔を濡らす。少し塩気のするキスを交わしながら、金成がゆっくりと少しずつ、雄芯を俺のナカに埋めていく。

「あっ、はあっ、すごっ、おっきっ」
「えろいこと、言うな、よっ……」

金成は上から覆いかぶさるようにして俺を抱き締めた。

逞しい胸から、ドクドクと鼓動が聞こえる。本当はすぐにでも動きたいに違いない。それでもそうしないのは、俺のことを考えてくれているから。その優しさに堪らなくなる。愛されるというのは、こんな気持ちなんだろうか。

「金成っ……も、動いて…だいじょぶっ、だ……」
俺の言葉に埋め込まれた先端がさらに熱を持ち、ビクビクと震える。

「あっ、ああっ」
それだけでも気持ちよすぎて声を上げてしまう。
金成がゆっくりと顔を上げた。

「ほんとに、いいの？　……俺いま動いたら、たぶん止まれない……手加減、できない、かもっ」
「いいっ、だいじょ、ぶっ……全部、受け止めたい……」

俺は両手を伸ばして、白い頬をつたう涙を拭ってやる。

「……っ、飛鳥」
顔に添えていた手をとられ、手首を掴んでシーツの上に磔にされる。唇に一つキスを落とすと、美しい顔が左胸の尖りにむしゃぶりついた。

「あっ…ぁあっ……ん…ッ」
右手首から離れた指先が、もう片方を親指と中指でコロコロと転がすようにして愛撫される。快感に、上半身が反って胸を突き出すような形になってしまう。

「やらしい……」
「なめ、ながら、しゃべんな……あぁっ……！」

金成が激しく動き出す。俺の名前を叫びながら、容赦ない責めは止まらない。身体が上下に揺さぶられる。

「っく……！　だいすきっ、あすかっ！　あすかっ」
「金成っ、かんなりっ…すきっ…あっ、だいすきっ……」

俺たちは互いの名前を呼び合いながら、ひたすらに愛し合った。
いつしか俺は四つん這いになり、腰を掴まれてガツガツと後ろから貫かれていた。

獣のような体位でも、そこには確かな愛があった。

「あっ、ああっ、すご……っ、いぃっ！」
大きく開かれた後孔に下生えが触れるほど深くまで激しく責められ続けて、俺は快感と幸福に溺れた。信じられないくらい気持ちがいい。このまま死んでしまっても後悔はないとさえ思えた。

ズン、と長大な金成の熱棒に奥の奥まで突かれる。
「あっ、あーっ、そこ、やばっ……きもちぃ、よお…！」

脚をガクガクと震わせながら、自らも腰を振る。もっと、もっと、もっとこの男がほしい。

「あすか…っ、あすかっ！　俺もっ、あぁっ、気持ちいいっ……っく、イキそっ……」
「はぁっ、んっ……か、んなり…っ、いっしょ、にっ……」
「く……、うっ、あすか……っぜんぶ、おれのものにっ……する、よっ…！」

一緒にイキたいと思ったことなんて、初めてだった。これ以上はないというぐらい、狂おしく激しい抜き差し。

「ーーっくっ、あっ、ああ、あすか……！」
次の瞬間、金成がビクビクと震えながら俺の背中に覆いかぶさってくる。俺のナカに金成の熱い欲がドクドクと勢いよく注がれたのがわかった。

俺の中心からも、同時に欲が吐き出される。
「……っはぁ、はぁっ……あすかっ、だいじょ、ぶっ……？」

ゴロリとベッドの汚れていない場所に横倒しにして後ろから抱きしめられる。
引き締まった長い腕は俺を閉じ込める甘い檻のようだ。

「……んっ、だい、じょ、ぶ……」

しばらく、真っ暗中に俺たちの荒い息だけが響く。

「飛鳥……」
「ん？」
鎖骨近くに回された腕に顔を擦り寄せると、抱き締める腕にぎゅっと力がこめられた。

「飛鳥。愛してる……俺、絶対に強くなって帰ってくるから」

小さな小さな声で囁かれ、目が熱くなる。好きな人からもらう言葉が、こんなに嬉しいなんて知らなかった。

「俺も…愛してる…」
「泣かないで……？　番にはなれなくても、飛鳥の傍にずっといられる方法、絶対に見つけてくるから」

金成は目尻に優しく唇を押し付けて、ちゅうと涙を吸い取った。

俺たちは時間が許す限り抱き締めあって愛を囁き続けた。やがて空が白みはじめ、閉め切った部屋にも僅かな朝の光が侵入してくる。

残された時間は、もう幾何もない。
それでも俺は泣きたいくらいの幸せでいっぱいだった。


本当に好きな人とのセックスは、快感よりも幸せを感じるものなんだ。身体を繋げる行為は、愛を伝え合う行為で、決して自分の欲望のままに相手を支配するためのものではないのだ。

たった一度だけ、本当に好きな人に抱かれた記憶。それだけで俺はこの先に何が待ち受けていても、乗り越えていける気がした。

翌日の深夜、仕事を終えて帰宅すると、もう家に金成の姿はなかった。