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★7.今日が誕生日の後輩が抱かなくていいとか言う
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人生のここが大一番というところで発狂してしまった俺は、夕方になるまで気絶していたらしい。
急にどすんと覆いかぶさられた形になった白須が、体の下でしばらくモゾモゾしていた感じはあった気もするが、それ以外は本気で意識を失っていた。
「死んじゃったかと思った」と、びっくりした白須は今もくそ狭い湯舟で泣きべそをかいている。
「限界まで出すと眠くなっちゃうんだよ」と、俺は白須の背中を抱きながら、もう何度目かになる返事を返した。
爆睡したあとに目を覚ますといつもそうなのだが、ぼんやりした視界の中でまず思考だけが切れ切れに戻ってくる。
背中、さむ。あした、仕事。朝、早い。白須。ああああ白須を風呂に入れないとダメだダメだダメだカゼひいちゃうじゃねえかよ布団死んでるしよおおおおお。
結局は『白須』あたりで完全に覚醒したわけだが、急に息を吹き返したゴキブリみたいな俊敏さで風呂を洗いに走った俺に白須はかなり本気の悲鳴を上げていた。
このボロアパートのクソ狭い風呂には悲しいかな追い炊き機能がついていない。
つまりお湯が溜まれば最後、もはや冷める一方ということだ。
他にどうしようもないから、俺は白須を風呂に引きずっていった。
狭いのに妙に深いので危ない。
ろくに体を流しもせずに、俺は白須を抱きかかえたまま、湯船に浸かった。
まあ、下心がなかったとは言わない。離れがたかったのだ。
俺の渾身の射精を全身で受け止めてくれた、後輩から。
湯舟に浸かりながら、シャワーを床に向かって出しっぱなしにして、なんとか浴室全体を温めようとしていた。
湯気のこもる風呂場で、浮島のようになった白須の膝にぱしゃぱしゃとお湯をかけてやる。
「寒くないですかー」
「寒くない……ですけど」
ずる、と鼻水を啜っているのは、別に寒いからではないのだ。
首筋に付けまくったエグいキスマークを俺は手で覆い隠すようにする。
白須は俺を見上げて、顎にキスしてきた。俺は考え込んだ。
「…………まだ、するか?」
「ばか」
白須の小さな悪態が風呂場に反響する感じは、悪くなかった。
嬉しくなって、両手で胸を揉むようにすると「バカ、エッチ、ヘンタイ!」と小学生男子みたいな三段活用をしてくる。そのくせ、頬に鼻を摺り寄せてキスすると、急に大人しくなるのが、面白い。
「可愛いなあ、白須は」
「…………先輩は、バカですよ」
と言いつつ、別にバカが嫌いなわけではないらしい。
振り向いて口にキスしてくれた。
俺はまあ白須がおっしゃる通りの人間なので、つい本気で追ってしまう。
お湯を跳ね散らかしながら白須は全身で俺を振り向いた。
「おまえ、キス好きすぎー」
「っていうか……先輩が好きなんですよ……」
知ってるくせに、と、吐息まじりに笑う白須の後頭部を、俺は肩に向かって抱き寄せた。
濡れた手でうなじをさする。
「あーあ……放したくねえなあ……」
ほんの一瞬おいて、白須は喉を鳴らしてしがみついてきた。
放さないで、とでも言うように。
「今日、泊まって行ってあげてもいいですけど?」
上ずった声で、悪魔みたいに囁いてくる。俺は苦笑した。
「お母さんが気の毒だろ。一人息子が、二十歳の、誕生日に、信じていた先輩に、こんないかがわしい目に合わされて」
「……別に。今日、夜勤だし」
看護師だった。女手ひとつで、このクソ生意気なガキを成人まで育て上げたらしい。
「ていうか俺がいかがわしいのは元からだし、もうしょうがないんじゃないですか」
「……ふーん」
俺はため息をついて、白須のケツに指を添えた。
ぎゅっと体を固くする白須に「掻き出すだけだよ。下痢して出すよりマシだろ」と教えてやる。
「ツラがまずいだけで、こう見えても人間なんだぞ。さすがに今日はもう勃たねえよ。おちんちんハメハメは諦めろ。残念でしたまた来てね」
唐突に胸に沸いてきた妙な感情を、アホな言葉で矢継ぎ早にごまかしながら、ぐしぐしと精液を掻き出す。
童貞でも魔法使いでもない俺には、結局、白須を孕ませる能力なんてないのだ。
お湯が徐々に水に戻っていくのを、肌で感じる。
さっきから、俺はなんだか寂しかった。きっと遅れて来た賢者だ。
白須はケツをくじられながら、感じないようにがんばっている。
苦しげに息を整えていたかと思うと「抱かないでいいから」と耳元に熱い息を吹き込んできた。
「そばにいてくださいよ、先輩。俺のこと愛してるって、言ってくれたじゃないですか」
鼻を啜っているのは、泣いているからだ。
こんなみすぼらしい風呂で、耳まで真っ赤にして、俺にすがりついてくる。
「嘘じゃないなら、もう俺のこと放さないでいてよ、絶対」
貧乏性にも、程がある。俺はあんまりにも辛くて、言い返した。
「そんなこと言って、俺に酷いことされたらどうすんだよ。死んじゃうぞ」
「先輩、俺に酷いことなんて、したこと一度もないじゃないですか……いっつも、こんな……お姫様みたいに扱うくせに……」
「だから、なんでそんなに考えなしなんだよ。視野が狭すぎ。そんなんだから大学行っても出会いがねーんだよ」
「俺が考えなしなら、先輩はバカじゃないですか!」
白須のまっすぐさときたらもう、ヤバい。
ハンドルがついてないのかってくらいに曲がることを知らないから、いつも壁に激突している。
激突しては壁をぶっ壊しては進んでいるのだ。
こんな危険な車は絶対に車検に通らない。
「俺を好きなくせに、なんでお母さんのこととか、学校のこととか、俺の心配ばっかするんですか!」
「それは、おまえが……ガキすぎるから……」
「じゃあ、先輩が大人にして」
言葉に詰まる俺に、白須はキスした。
触れるだけの子供っぽいキスに、俺は感じてしまう。
「もう二度と口ごたえしないように、先輩がわからせてくださいよ。ガキにしないような死ぬほど酷いことも、楽しいことも、いっぱい教えてほしいよ。ねえ、先輩。ねえ……」
「…………別に。いいけどさあ……!」
すっかりぬるくなった湯舟から、俺は白須を引き上げた。
涙と鼻水でベトベトの顔面に熱いシャワーを浴びせて、冷める前にバスタオルで全身を拭かせる。
先にエアコンを付けていたので、部屋はいくらか暖まっていた。
障子の向こうは夜だ。
「じゃー大人なら考えろよ。このグチャグチャの布団で今夜どうやって寝るのか!」
「……シーツ取って、裏返せばいいんじゃないですか」
「エッ? あ、ああ……」
「ていうか、閉まる前に薬局とか連れてってもらっていいですか。歯ブラシほしくて」
「別にいいけど……」
白須は、意外と現実的だった。俺が寝ている間に休んだせいか、体力もある。
さっさと服を着こむと、もう靴を履いて俺を待つ顔になっていた。
「あ、ケーキとか買う?」
「そういう気遣いは本当にいらないんで、やめてください」
俺も支度を整えて、カギをまとめたリングと財布を掴む。
「それ、もしかして大人っぽいと思って言ってんの?」
白須は図星を突かれたような顔で黙り込んだ。俺は愕然とする。
今日が誕生日の俺の恋人は、可愛いことばかり言う。
急にどすんと覆いかぶさられた形になった白須が、体の下でしばらくモゾモゾしていた感じはあった気もするが、それ以外は本気で意識を失っていた。
「死んじゃったかと思った」と、びっくりした白須は今もくそ狭い湯舟で泣きべそをかいている。
「限界まで出すと眠くなっちゃうんだよ」と、俺は白須の背中を抱きながら、もう何度目かになる返事を返した。
爆睡したあとに目を覚ますといつもそうなのだが、ぼんやりした視界の中でまず思考だけが切れ切れに戻ってくる。
背中、さむ。あした、仕事。朝、早い。白須。ああああ白須を風呂に入れないとダメだダメだダメだカゼひいちゃうじゃねえかよ布団死んでるしよおおおおお。
結局は『白須』あたりで完全に覚醒したわけだが、急に息を吹き返したゴキブリみたいな俊敏さで風呂を洗いに走った俺に白須はかなり本気の悲鳴を上げていた。
このボロアパートのクソ狭い風呂には悲しいかな追い炊き機能がついていない。
つまりお湯が溜まれば最後、もはや冷める一方ということだ。
他にどうしようもないから、俺は白須を風呂に引きずっていった。
狭いのに妙に深いので危ない。
ろくに体を流しもせずに、俺は白須を抱きかかえたまま、湯船に浸かった。
まあ、下心がなかったとは言わない。離れがたかったのだ。
俺の渾身の射精を全身で受け止めてくれた、後輩から。
湯舟に浸かりながら、シャワーを床に向かって出しっぱなしにして、なんとか浴室全体を温めようとしていた。
湯気のこもる風呂場で、浮島のようになった白須の膝にぱしゃぱしゃとお湯をかけてやる。
「寒くないですかー」
「寒くない……ですけど」
ずる、と鼻水を啜っているのは、別に寒いからではないのだ。
首筋に付けまくったエグいキスマークを俺は手で覆い隠すようにする。
白須は俺を見上げて、顎にキスしてきた。俺は考え込んだ。
「…………まだ、するか?」
「ばか」
白須の小さな悪態が風呂場に反響する感じは、悪くなかった。
嬉しくなって、両手で胸を揉むようにすると「バカ、エッチ、ヘンタイ!」と小学生男子みたいな三段活用をしてくる。そのくせ、頬に鼻を摺り寄せてキスすると、急に大人しくなるのが、面白い。
「可愛いなあ、白須は」
「…………先輩は、バカですよ」
と言いつつ、別にバカが嫌いなわけではないらしい。
振り向いて口にキスしてくれた。
俺はまあ白須がおっしゃる通りの人間なので、つい本気で追ってしまう。
お湯を跳ね散らかしながら白須は全身で俺を振り向いた。
「おまえ、キス好きすぎー」
「っていうか……先輩が好きなんですよ……」
知ってるくせに、と、吐息まじりに笑う白須の後頭部を、俺は肩に向かって抱き寄せた。
濡れた手でうなじをさする。
「あーあ……放したくねえなあ……」
ほんの一瞬おいて、白須は喉を鳴らしてしがみついてきた。
放さないで、とでも言うように。
「今日、泊まって行ってあげてもいいですけど?」
上ずった声で、悪魔みたいに囁いてくる。俺は苦笑した。
「お母さんが気の毒だろ。一人息子が、二十歳の、誕生日に、信じていた先輩に、こんないかがわしい目に合わされて」
「……別に。今日、夜勤だし」
看護師だった。女手ひとつで、このクソ生意気なガキを成人まで育て上げたらしい。
「ていうか俺がいかがわしいのは元からだし、もうしょうがないんじゃないですか」
「……ふーん」
俺はため息をついて、白須のケツに指を添えた。
ぎゅっと体を固くする白須に「掻き出すだけだよ。下痢して出すよりマシだろ」と教えてやる。
「ツラがまずいだけで、こう見えても人間なんだぞ。さすがに今日はもう勃たねえよ。おちんちんハメハメは諦めろ。残念でしたまた来てね」
唐突に胸に沸いてきた妙な感情を、アホな言葉で矢継ぎ早にごまかしながら、ぐしぐしと精液を掻き出す。
童貞でも魔法使いでもない俺には、結局、白須を孕ませる能力なんてないのだ。
お湯が徐々に水に戻っていくのを、肌で感じる。
さっきから、俺はなんだか寂しかった。きっと遅れて来た賢者だ。
白須はケツをくじられながら、感じないようにがんばっている。
苦しげに息を整えていたかと思うと「抱かないでいいから」と耳元に熱い息を吹き込んできた。
「そばにいてくださいよ、先輩。俺のこと愛してるって、言ってくれたじゃないですか」
鼻を啜っているのは、泣いているからだ。
こんなみすぼらしい風呂で、耳まで真っ赤にして、俺にすがりついてくる。
「嘘じゃないなら、もう俺のこと放さないでいてよ、絶対」
貧乏性にも、程がある。俺はあんまりにも辛くて、言い返した。
「そんなこと言って、俺に酷いことされたらどうすんだよ。死んじゃうぞ」
「先輩、俺に酷いことなんて、したこと一度もないじゃないですか……いっつも、こんな……お姫様みたいに扱うくせに……」
「だから、なんでそんなに考えなしなんだよ。視野が狭すぎ。そんなんだから大学行っても出会いがねーんだよ」
「俺が考えなしなら、先輩はバカじゃないですか!」
白須のまっすぐさときたらもう、ヤバい。
ハンドルがついてないのかってくらいに曲がることを知らないから、いつも壁に激突している。
激突しては壁をぶっ壊しては進んでいるのだ。
こんな危険な車は絶対に車検に通らない。
「俺を好きなくせに、なんでお母さんのこととか、学校のこととか、俺の心配ばっかするんですか!」
「それは、おまえが……ガキすぎるから……」
「じゃあ、先輩が大人にして」
言葉に詰まる俺に、白須はキスした。
触れるだけの子供っぽいキスに、俺は感じてしまう。
「もう二度と口ごたえしないように、先輩がわからせてくださいよ。ガキにしないような死ぬほど酷いことも、楽しいことも、いっぱい教えてほしいよ。ねえ、先輩。ねえ……」
「…………別に。いいけどさあ……!」
すっかりぬるくなった湯舟から、俺は白須を引き上げた。
涙と鼻水でベトベトの顔面に熱いシャワーを浴びせて、冷める前にバスタオルで全身を拭かせる。
先にエアコンを付けていたので、部屋はいくらか暖まっていた。
障子の向こうは夜だ。
「じゃー大人なら考えろよ。このグチャグチャの布団で今夜どうやって寝るのか!」
「……シーツ取って、裏返せばいいんじゃないですか」
「エッ? あ、ああ……」
「ていうか、閉まる前に薬局とか連れてってもらっていいですか。歯ブラシほしくて」
「別にいいけど……」
白須は、意外と現実的だった。俺が寝ている間に休んだせいか、体力もある。
さっさと服を着こむと、もう靴を履いて俺を待つ顔になっていた。
「あ、ケーキとか買う?」
「そういう気遣いは本当にいらないんで、やめてください」
俺も支度を整えて、カギをまとめたリングと財布を掴む。
「それ、もしかして大人っぽいと思って言ってんの?」
白須は図星を突かれたような顔で黙り込んだ。俺は愕然とする。
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