【ふたなり百合】月イチ生える牛型巨女が魅了バフ持ち受付ヒーラーと協力してレベルアップ素材（童貞喪失精子）ゲットする【ゲーム系異世界】

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∞.新天地

　気が遠くなるほど遠い過去、はるか未来に、あなたは光の中で目を覚ます。

　体はひどく濡れていて、息苦しくてたまらない。自分が狭苦しいポッドに閉じ込められていることに気づいたあなたは、怒ってそこらじゅうを叩き、蹴って暴れまくる。

　やっとのことで出たけれど、塩辛いのはポッドの中も外も同じだった。

　そこは海だったから。その風景にあなたは懐かしさを覚えるけれど、『うみ』、その言葉はすぐには口から出てこない。口を使ってちゃんと声を出すことが、本当に久しぶりだったからだ。

　宇宙シェルター「ノァズァーク」は役目を果たし、新天地にたどり着いた。船底が約4パーセントの濃度の塩水と適温の砂に触れると、シェルターは自動でポッドを排出する。

　あなたと同じ境遇にある無数の仲間たちが、びっしりと砂浜を埋め尽くしている。みんな、まるで生まれたての動物みたいにモニョモニョと動いているけれど、まだ誰も指揮を執る状況にはないようだ。

　いち早くポッドを出たあなたは、痩せた手足で砂の温かさや重さ、なによりも空にある大きな明るいものの光を享受する。というか、動けないし、うまくものを考えることもできないのだ。

　ずっとずっと死と誕生を繰り返してきたノァズァークという世界の記憶は、早くも薄れようとしていた。ポッドから出るのにだって、あなたは武器を使わなかった。今の武器はあなたの手と足と、よく見える目だ。

　そのうちにあなたは、一つのポッドが、いつまでも波間に揺蕩っていることに気づく。あなたはよろよろと走り出す。波に押されながら、ポッドを抱き留め、砂浜までひきずっていく。外から、内から、殻を割るように叩き合って、とうとうあなたは、そのひとと本当に出会う。