【ふたなり百合】月イチ生える牛型巨女が魅了バフ持ち受付ヒーラーと協力してレベルアップ素材(童貞喪失精子)ゲットする【ゲーム系異世界】

春Q

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28.ふたりの部屋(R15性描写)

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 部屋に戻った二人は、同時にため息をついた。

 慌てたように手で口をおさえるリリィを、ゴズメルは抱きすくめる。

「疲れた?」

「少しだけね……。ゴズメルも?」

「うん。ちょっと充電させとくれよ」

 リリィのつむじに顔をうずめたゴズメルは、そこで深く息を吸い込んだ。

「きゃあっ」

 リリィが小さな悲鳴をあげる。

 ゴズメルの肺活量はすさまじかった。吸って吐く息でリリィの髪はボワッとふくらんでしまう。

「もう、よして! ゴズメル。背中がぞわぞわしてしまうわ」

 抗議されると顔をずらしてリリィを抱きしめる。リリィは複雑そうな顔で抱擁を受けていたが、やがて「お疲れさま」と言って、ゴズメルの背中をポンポンしてくれた。

「そうだよ~」

 ゴズメルは抱きあげたリリィを左右に揺らした。

「まさかあの流れでミギワが出てくるなんて思わなかった!」

 焚火にあたりながらジーニョと詳しい計画を立てている時だった。横穴からミギワとダマキが出てきたのだ。

 二人の真剣な面持ちに、ゴズメルは目をパチクリさせる。

『なんだい。どしたの』

『……あの、ゴズメル。ミギワが』

 言いかけたダマキを、ミギワは片手で制した。立っている相手に睨みつけられるのは嫌なものだ。

 ゴズメルはムッとして立ち上がった。

『なんだい。あたしの角に文句でもあんの!』

 角は、それを持つ種族にとって大事なものである。生えていなければむろん若輩者として扱われる。色もあんまり真新しい白だとナメられるし、少し黄ばんでいるくらいのほうがカッコいいのだ。片角だけピンクというのは都会でのおしゃれならともかく、田舎ではちょっと、いやかなり変に思われる。

 記憶を失っているゴズメルでさえ、マリアの角を(黒い角ってかっこいいなあ)などと思うのだ。ミギワたちの目に自分がどう映っているのか想像するのも嫌だった。――無論、リリィの翅と色がお揃いであることとは、また別の話である。

 ミギワは眉間に皺を寄せて黙っていた。

『…………』

 だがよくよく観察すると、彼の唇と喉は震えていた。何か喋ろうとしているが言葉がうまくでてこないらしい。沸騰寸前のヤカンのように顔を赤くしているミギワを、ゴズメルは固唾をのんで見つめた。

『……ッ、俺、に、行かせて、ください……ッ!』

『へっ?』

 いつから聞き耳を立てていたのだろう。ミギワは、研究所に潜入するゴズメルとリリィに同行したいらしかった。
 
 返事したのはジーニョだった。

『無理だ。諦めろ』

『……俺は、戦え、ます! そこの、ヘンな角のミノタウロスより、よっぽど!』

 つっかえながら必死に喋るミギワを、ゴズメルは怒ったり蔑んだりできなかった。

 しかし、ジーニョは冷静だった。

『クメミ山で生まれ育ったミノタウロス族は、ノァズァークの共通語に馴染んでいない。今も思考がおぼつかず、思ったように喋ることができていないだろう。おまえが行ったところで役には立たん』



『おおかた弟妹の身を案じているのだろうが……』

 ジーニョの指摘に、ミギワの目の中で炎が燃え上がった。

『俺は! 弟のことも、ここにいる、太った、醜い、女ミノタウロスのことも、なんとも思っていません!』

 太った、醜い、女ミノタウロス。言葉の流れ弾を食らったゴズメルは、びっくりして胸を押さえる。リリィが立って支えてくれなかったら倒れていたかもしれない。

『ただ、親父の仇を、討ちたいだけ、です! ここのミノタウロスは、みんな同じ気持ちで……なのに、こんな、家族のことも忘れた、クソボケ女を行かせるなんて……』

『このヤローッ、またあたしの悪口を言ったな! ぶっとばしてやる!』

 拳を振り上げて怒るゴズメルを、リリィとダマキが押さえた。

 ジーニョは『問題外だ』と両手でバツ印を作る。

『おまえのような死にたがりが何人行ったところで、カトーに殺されるだけだ』

『くっ……』

 ミギワは悔しそうに顔を伏せる。ジーニョは言った。

『万一の事態に備えなければならない。俺とミノタウロス族は留守番だ』

『……万一の事態ってなにさ、じいさん』

『間抜けのおまえがしくじった場合だ! アジリニに願いが聞き届けられず、二人して社員に捕まったらどうする』

『……!』

『その場合はミノタウロス族を総動員してでもリリィを救出しに行く。おまえのような小物は捕まってもマリアのサンドバッグになるだけだ。しかしお嬢さんは、最悪データとしてされてしまうだろう』

『……ふん!』

 ゴズメルは下唇を突き出して『そんなことにはならないけど、まあそれでいいよ』と言った。不安そうなリリィには『そんなことにはならないけどね!』と、ぱちっとウィンクしてみせる。

 ホコラホステルに留まり続けるのも限界がある。プレイヤーからお供えされることに慣れると、精霊が足元を見てくるようになるからだ。

 ゴズメルとリリィは支度を整えて深夜発つことになった。

 ああやっと難しい長話からようやく解放された――ひとまず部屋に戻ってきてそう思ったのは、ゴズメルだけではなかったらしい。今、二人はしっかりと抱き合っていた。

 リリィは伸びあがって、ゴズメルの角にキスする。

「だいじょうぶよ、ゴズメル。何があっても私があなたを守ってあげる」

「言ったなー! それはあたしのセリフなのに!」

「きゃー!」

 二人は笑って寝床に倒れこんだ。互いに探り合うような視線をかわし、次の瞬間にはもうキスをしている。

 はじめは子供がじゃれあうみたいなキスだったが、だんだんと熱が入り、息遣いが艶を帯びる。

 リリィは震えていた。

「……リリィ。本当は研究所に行くのが怖いんだろう」

 ゴズメルは優しく尋ねた。リリィは大きく息をついて、うなずく。

「ええ。とても怖いわ」

「そうだろうね。妖精族ってだけで、冒険者協会からずっと追っかけ回されてきたんだから」

 ゴズメルはリリィを押し倒しながら言った。

「だけど、これからは何もかも良くなるよ。あたしたちはプレイヤーで、ノァズァークの主役なんだ。アジリニに直談判してやろう。きっとシャインと違ってあたしたちの願いをむげにしたりはしないよ」

「でも、あなたとまた離れ離れになってしまったら……?」

「そんなことは起こらない。あたしはこれから先、何があってもあんたと一緒にいる」

 ゴズメルはそう言って、リリィのエメラルドの瞳を覗き込んだ。

「ジーニョじいさんが言ってたろ。今のアルティカにあたしたちのいた痕跡はないんだ。つまり家とかを消されちまったってことだ。住むところがないのはマズイよ。アジリニに言いつけて返してもらわなきゃ」

 リリィの白い耳に唇をくっつけて、甘く囁く。

「そしたら、一緒にアルティカに帰って祈願をしよう。リリィ」

 熱い息を吹き込むと、リリィは「あ、あ、」と甘い声を漏らした。

「いいだろ? あたしとあんたが暮らしてたんだから、いいとこなんだろうし」

「いやぁん……」

「嫌なの。もっと素敵なところを知ってる?」

「あぁ、だって、だって……あっ!」

 逃げ出そうとする小さな耳を、ゴズメルは甘噛みした。貝殻のように綺麗なかたちをしていて、しかも柔らかい。胸がきゅんとして、ゴズメルは穴の中までどんどん舌で追いかけてしまう。

「ねえ、ずっと暮らしてきた町で、あんたに卵を孕ませてさ、結婚式を開いて、知り合いみんなに見せびらかしたいんだよ……この綺麗なひとはあたしのお嫁さんで、二人は愛し合ってるんだって……!」

「あぁ、あ、あ、それ、だめ、だめぇ……」

 迫りつつ腹部をさすってやると、リリィはビクビクと膝を震わせた。
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