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18.夜の予定は(R15性表現)
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起きたとき、ゴズメルは全身筋肉痛だった。いつもの片頭痛が体に分散したみたいに痛い。
「いだだだ」
そう喚くだけでも頬や顎がビキビキ痛むのだ。
ゴズメルは自分のからだが筋肉でできていることを本当の意味で痛感した。世間で筋トレ信者が『筋肉は裏切らない』などと言っていたのは確かに嘘ではなかった。筋肉に裏切られた時、そいつはすでに死んでいるからだ!
「えーん、痛いよう! あたしは一体どうなっちまったんだ!」
「かわいそうに……。やっぱり鱗粉を浴びすぎてしまったのね。枯渇していた魔力を急にたくさん与えられて、体がびっくりしているのよ……」
いわゆる好転反応らしい。
リリィは身動きのとれないゴズメルを上手に介護して、全身を拭き清めてくれた。
小柄なリリィが補助魔法を使いながら自分のからだを返したり戻したりするので、ゴズメルは目をシロクロさせる。リリィときたら、ゴズメルに寝返りを打たせるのと同時に、寝床のシーツ交換までやってのけるのだ。
「さっぱりした?」
「う、うん……」
優しくお世話されると、なんだか恥ずかしい。新しく服も着せてもらったが、性的な含みなどない手つきでからだを触られると、逆に触ってほしい気持ちが強くなる。
「ゴズメル、今のあなたに必要なのは休息だわ」
リリィは腰に両手をついて言った。
「とにかくよく休んでちょうだい。水は置いていくから、喉が渇いたら飲んでね」
「え、行っちゃうの」
ベッドに座るゴズメルは、思わずリリィの腕を掴んでいた。この状態で一人でいるのは不安だ。
「……私もずっと一緒にいたいのだけれど、この地下を維持するのに色々とすることがあるの」
忙しいらしい。リリィは「お食事はほかのひとが後で持ってきてくれるから」とか「ここのみんなもきっと、あなたに会いたいと思うわ」とか言ったが、ゴズメルはしょんぼりしてしまう。
「寂しいよ」と、ゴズメルは正直に打ち明けた。
自分でも子供みたいだと思うのだが、もっとリリィとくっついていたい。
「ああゴズメル」
リリィはゴズメルに抱きつき、角にキスした。
「そんな顔しないで。夜にはまた来るわ」
「夜ぅ……?」
「だって、あなたは休まないと……」
部屋には、光る苔の詰まったビンが置いてあった。時計の代わりのようだ。
「ビンの中が暗くなったら、あなたのところに来るわ。それまではとにかく安静にしてね。あなたを傷つけるひとは、ここには誰もいないから……」
「ん……」
ゴズメルはもじもじとリリィを見た。
「夜になったら、またヤる……?」
「それは……あなたの体調を見ないと……」
恥ずかしそうにうつむくリリィに、ゴズメルは「えいっ」と首に鞭打ってキスした。
「やだっ。絶対にあたしとヤるって言え。体調なんてどうでもいいから」
「ん……もう……」
ゴズメルが迫ると、リリィは自分からもキスしてくれた。かがんだ彼女の乳首を、ゴズメルは両手でくりくりといじった。それだけでリリィの瞳はうっとりととろける。
「ゴズメル、いやぁんん……」
「ヤるだろ……あたしとセックスしろ、セックスするって言え。あんたはあたしのなんだから!」
「あぁ、ヤりますっ……リリィは、ゴズメルのものだから、セックスする、セックス、あっあっ、リリィとセックスしてくださいっ……!」
「よし。約束したからな」
「あぁんっ」
パッと手を離したとたん、リリィはゴズメルの肩にすがった。強い痛みが全身に走ったが、ゴズメルは痩せ我慢した。抱きついてきたリリィが、物欲しげな目でゴズメルを見つめている。
ぞくぞくした。治療のためとはいえ体感では昨日知り合ったばかりの女の子と一夜を共にして、またさらに肉体関係を持つことを強要しているのだ。いや、正確には強要ではない。リリィが無理に迫られて喜んでいることをゴズメルは察していた。
(すごいマゾなんだ、この子……クソ、もっといじめてって顔しやがって……)
リリィのエメラルドの瞳の溶け方といったらなかった。ゴズメルは荒い息をつきながら、リリィに鼻先をすりよせる。自分でも制御できない性欲に脳がくらくらする。
「ねえ……やっぱり、今する? 今しよっか……ねえ……」
しかしゴズメルの誘いに、リリィは触れるだけの口づけを返した。
「後で……」
ゴズメルは悔しい。
まだ空気中に舞っている鱗粉を、リリィが翅を広げて吸収するのを見ているほかない。薄紅色の小さな光が翅に吸い込まれていくのは美しい眺めだったが、制御と同じく、リリィにとっては負担の大きい行為のようだ。
「あ……あぁ……」
身震いし、目を閉じながら小さく口を開けて喘ぐさまは官能的としか言いようがない。ゴズメルは本当に悔しい。今すぐリリィに飛びついてめちゃくちゃに抱きたいのに、「うしろを留めてくださる?」と頼まれると、断れない。
魔封じのアミュレットの金具を留めてすぐ、ゴズメルはリリィに抱き着いた。
「夜が待ちきれないよ……」
ちゅ、ちゅ、と耳にキスして名残を惜しむ。リリィが小さな声で「私もよ……」と言った。
◇◇◇
「…………」
ひとりでベッドに横になったゴズメルは、少し考えてしまった。
(魔女ってのが、魔性の女って意味なら、当たってるかも……)
もうこの部屋に鱗粉は漂っていないはずなのに、なんだかムラムラして仕方ない。これも好転反応なのだろうか。
(まだ、わかんないことが多すぎる。あの子が悪者じゃないとしたら、リーやマリアは嘘をついてたってことか? この地下だって妙だ)
ゴズメルは着せてもらった服を見た。生成りの布に穴を開けただけの貫頭衣で、なんの装飾もない。何より真新しかった。この部屋も居心地よくはあるが、全体的に急ごしらえのように見える。
(どこにも繋がってないって言ってたな……あちこち探検してみたいとこだけど、この体じゃ……)
性欲が収まらないのも、手足がきかないせいのような気がする。固い布に乳首が擦れて、痛痒い。
「……ッ」
昨夜のリリィの指や舌の感触が蘇ってきて、ゴズメルは悶々とした。
(ちょっと発散しないと、コレは休むどころじゃないな……)
そうと決めると早かった。「イテテ……」とぼやきながら寝返りを打ち、顎で枕を体の下へ送り込む。横に立てたものを膝の間に挟むと、それだけで性器が刺激されて全身がぶるぶると震える。
ゴズメルは股に枕の角を当てながら、ゆっくりと腰を前後させた。
「う……っ、お、オッ」
人目を気にしなくていいとなると、声も低く下品になる。太い腰をへこつかせながら、大きな乳房をシーツにこすりつける。リリィが交換してくれたばかりの、きれいなシーツに。
「いだだだ」
そう喚くだけでも頬や顎がビキビキ痛むのだ。
ゴズメルは自分のからだが筋肉でできていることを本当の意味で痛感した。世間で筋トレ信者が『筋肉は裏切らない』などと言っていたのは確かに嘘ではなかった。筋肉に裏切られた時、そいつはすでに死んでいるからだ!
「えーん、痛いよう! あたしは一体どうなっちまったんだ!」
「かわいそうに……。やっぱり鱗粉を浴びすぎてしまったのね。枯渇していた魔力を急にたくさん与えられて、体がびっくりしているのよ……」
いわゆる好転反応らしい。
リリィは身動きのとれないゴズメルを上手に介護して、全身を拭き清めてくれた。
小柄なリリィが補助魔法を使いながら自分のからだを返したり戻したりするので、ゴズメルは目をシロクロさせる。リリィときたら、ゴズメルに寝返りを打たせるのと同時に、寝床のシーツ交換までやってのけるのだ。
「さっぱりした?」
「う、うん……」
優しくお世話されると、なんだか恥ずかしい。新しく服も着せてもらったが、性的な含みなどない手つきでからだを触られると、逆に触ってほしい気持ちが強くなる。
「ゴズメル、今のあなたに必要なのは休息だわ」
リリィは腰に両手をついて言った。
「とにかくよく休んでちょうだい。水は置いていくから、喉が渇いたら飲んでね」
「え、行っちゃうの」
ベッドに座るゴズメルは、思わずリリィの腕を掴んでいた。この状態で一人でいるのは不安だ。
「……私もずっと一緒にいたいのだけれど、この地下を維持するのに色々とすることがあるの」
忙しいらしい。リリィは「お食事はほかのひとが後で持ってきてくれるから」とか「ここのみんなもきっと、あなたに会いたいと思うわ」とか言ったが、ゴズメルはしょんぼりしてしまう。
「寂しいよ」と、ゴズメルは正直に打ち明けた。
自分でも子供みたいだと思うのだが、もっとリリィとくっついていたい。
「ああゴズメル」
リリィはゴズメルに抱きつき、角にキスした。
「そんな顔しないで。夜にはまた来るわ」
「夜ぅ……?」
「だって、あなたは休まないと……」
部屋には、光る苔の詰まったビンが置いてあった。時計の代わりのようだ。
「ビンの中が暗くなったら、あなたのところに来るわ。それまではとにかく安静にしてね。あなたを傷つけるひとは、ここには誰もいないから……」
「ん……」
ゴズメルはもじもじとリリィを見た。
「夜になったら、またヤる……?」
「それは……あなたの体調を見ないと……」
恥ずかしそうにうつむくリリィに、ゴズメルは「えいっ」と首に鞭打ってキスした。
「やだっ。絶対にあたしとヤるって言え。体調なんてどうでもいいから」
「ん……もう……」
ゴズメルが迫ると、リリィは自分からもキスしてくれた。かがんだ彼女の乳首を、ゴズメルは両手でくりくりといじった。それだけでリリィの瞳はうっとりととろける。
「ゴズメル、いやぁんん……」
「ヤるだろ……あたしとセックスしろ、セックスするって言え。あんたはあたしのなんだから!」
「あぁ、ヤりますっ……リリィは、ゴズメルのものだから、セックスする、セックス、あっあっ、リリィとセックスしてくださいっ……!」
「よし。約束したからな」
「あぁんっ」
パッと手を離したとたん、リリィはゴズメルの肩にすがった。強い痛みが全身に走ったが、ゴズメルは痩せ我慢した。抱きついてきたリリィが、物欲しげな目でゴズメルを見つめている。
ぞくぞくした。治療のためとはいえ体感では昨日知り合ったばかりの女の子と一夜を共にして、またさらに肉体関係を持つことを強要しているのだ。いや、正確には強要ではない。リリィが無理に迫られて喜んでいることをゴズメルは察していた。
(すごいマゾなんだ、この子……クソ、もっといじめてって顔しやがって……)
リリィのエメラルドの瞳の溶け方といったらなかった。ゴズメルは荒い息をつきながら、リリィに鼻先をすりよせる。自分でも制御できない性欲に脳がくらくらする。
「ねえ……やっぱり、今する? 今しよっか……ねえ……」
しかしゴズメルの誘いに、リリィは触れるだけの口づけを返した。
「後で……」
ゴズメルは悔しい。
まだ空気中に舞っている鱗粉を、リリィが翅を広げて吸収するのを見ているほかない。薄紅色の小さな光が翅に吸い込まれていくのは美しい眺めだったが、制御と同じく、リリィにとっては負担の大きい行為のようだ。
「あ……あぁ……」
身震いし、目を閉じながら小さく口を開けて喘ぐさまは官能的としか言いようがない。ゴズメルは本当に悔しい。今すぐリリィに飛びついてめちゃくちゃに抱きたいのに、「うしろを留めてくださる?」と頼まれると、断れない。
魔封じのアミュレットの金具を留めてすぐ、ゴズメルはリリィに抱き着いた。
「夜が待ちきれないよ……」
ちゅ、ちゅ、と耳にキスして名残を惜しむ。リリィが小さな声で「私もよ……」と言った。
◇◇◇
「…………」
ひとりでベッドに横になったゴズメルは、少し考えてしまった。
(魔女ってのが、魔性の女って意味なら、当たってるかも……)
もうこの部屋に鱗粉は漂っていないはずなのに、なんだかムラムラして仕方ない。これも好転反応なのだろうか。
(まだ、わかんないことが多すぎる。あの子が悪者じゃないとしたら、リーやマリアは嘘をついてたってことか? この地下だって妙だ)
ゴズメルは着せてもらった服を見た。生成りの布に穴を開けただけの貫頭衣で、なんの装飾もない。何より真新しかった。この部屋も居心地よくはあるが、全体的に急ごしらえのように見える。
(どこにも繋がってないって言ってたな……あちこち探検してみたいとこだけど、この体じゃ……)
性欲が収まらないのも、手足がきかないせいのような気がする。固い布に乳首が擦れて、痛痒い。
「……ッ」
昨夜のリリィの指や舌の感触が蘇ってきて、ゴズメルは悶々とした。
(ちょっと発散しないと、コレは休むどころじゃないな……)
そうと決めると早かった。「イテテ……」とぼやきながら寝返りを打ち、顎で枕を体の下へ送り込む。横に立てたものを膝の間に挟むと、それだけで性器が刺激されて全身がぶるぶると震える。
ゴズメルは股に枕の角を当てながら、ゆっくりと腰を前後させた。
「う……っ、お、オッ」
人目を気にしなくていいとなると、声も低く下品になる。太い腰をへこつかせながら、大きな乳房をシーツにこすりつける。リリィが交換してくれたばかりの、きれいなシーツに。
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