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急・異種獣人同士で子づくり!?ノァズァークのヒミツ編
53.むらむら90%★
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「う……っ、くぅ……っ、んっ……」
十分後、うつむいて低く悶えているのはゴズメルのほうだった。
「ゴズメル、気持ちいいの……?」
背後から、リリィが濡れた唇を耳に当ててくる。
はむっと耳たぶを食まれると「うぁあっ」ゴズメルの褐色の巨躯はブルンと振れてしまう。
大きな胸も腰も、火照って仕方ない。
リリィはうっとりと言った。
「広い背中ね……とってもたくましくて、私、胸がドキドキしてしまうわ……」
ゴズメルが背中に感じているのは、リリィの胸のドキドキよりもモチモチ感だ。白玉のように滑らかで弾力があるのに左右の乳首は貝のミのようにコリコリと硬い。
その胸にたっぷりと泡をつけて、背中を擦り洗われている。
それだけならゴズメルもやり返せたかもしれない。問題はリリィの繊細に動く手指だった。
「オッ……そこ、だめだ、だめっ」
「だいじょうぶよ、怖がらないで。肩も背中も、こんなにバキバキに硬くして……つらかったでしょう?」
「んぁああああ」
いつだったかマッサージの心得があると言っていたのは本当だったらしい。
リリィの小さな手で優しく、しかし的確にツボを突かれると、どっと汗が出て、狂おしい声が漏れてしまう。
(こ……このあたしが、こんな一方的に……気持ちいい、い、痛いのに、からだ、あついぃ……!)
まずい、このままでは本当にイかされてしまう。
ぷるぷると耐えるゴズメルに、リリィは「前も洗っていいかしら?」と優しく尋ねた。
ゴズメルはドキッとした。
だが、これはチャンスだ。前に来てくれれば、ゴズメルもリリィのからだを洗うことができる。
「い、いいよォ? 来てみろよ……早く……」
ゴズメルは肩越しにバチバチにメンチを切ったが、リリィを委縮させることはできなかった。
するりと懐に入り込んだリリィの手つきは、あくまで優しく、思いやりに満ちていた。
「ああ……もうどうしてこんなに傷だらけなの? 無茶な戦いかたをしたのね? ゴズメル……」
「ウ……」
「この首は、噛まれたの……? どうして? ひどいわ……いったいどこの誰が、あなたにこんなことを……」
泣きそうな声でからだを撫でさすられると、ゴズメルは弱い。
ゴズメル自身が忘れていても、鐵刑の塔で血まみれになったことや、マリアに襲われたことはからだに刻み込まれている。
リリィは、小さなからだで大きなゴズメルを、ぎゅうっと慈しむように抱きしめた。
ゴズメルはリリィの髪をよしよしと撫でた。髪留めを外すと、長い髪が広がり、リリィの香りが漂う。
とてもいい匂いなのに、なんだか吸い込むと胸が切なくなってしまう。
「……心配なんかしてバカな子だね」
ゴズメルはわざと怒って見せた。
「来る道で説明しただろ、首の傷は卑怯な手を使われただけさ。次は負けないし、こんなの別に痛くないんだ」
「痛くないとしても……もう、ケガしないでね。ゴズメル……」
「う……」
真正面から優しく心配されるのは慣れない。
ゴズメルはぞんざいに扱われるくらいがちょうどいいと思っている。
ところが、リリィはゴズメルに愛情のこもったキスをしてくる。
両手で胸まわりを撫でているのも、ガチガチに凝り固まった筋肉を緩めるためなのだろう。
「リリィ……う、ぁあ……」
ムラムラしてしまうほうがおかしい。ゴズメルは両手の上で乳房を揺すられているだけだ。
つんと上を向く乳首に、リリィは触ってもいないのに。
ふーっと唇で泡を吹かれると、それだけでゾクゾクと感じてしまう。
「……いいのよ、ゴズメル」
リリィは優しく言った。
「斧は重いし、胸も大きいのだから肩が凝るのは当然よ。これはマッサージよ。あなたはたくさん気持ちよくなっていいの。私が楽にしてあげるわ……」
ゴズメルは、もうリリィを洗うどころではなかった。
全身泡まみれになるほど穏やかに撫でまわされて、心地よい。心地よすぎて刺激がほしい。
ゴズメルの大きな乳首は重たく勃起していた。
だが、リリィは広い表面をなぞるばかりで肝心なところに触れてくれない。
「……ここは敏感だから染みないようにゆっくり洗うわね」
「あぁ……あ、そこは……」
リリィの手が膝にかかる。こんなに焦らされた状態で性器に触られたらどうなってしまうのか。
ゴズメルは考えただけで怖い。腰をひこうとすると、リリィの指が陰毛に埋まった。
「うっ……」
「だいじょうぶよ。痛くしないわ。優しく、優しくね……」
「うぉ、お、おぅっ……」
密集して陰部を守る縮れ毛を、ニットを洗うかのように、優しくこすりあわせる。くしゅくしゅと毛の塊を弄られると真下の女性器まで反応してしまう。
あまりにももどかしい刺激に、ゴズメルの細い尾はビュンとしなった。
「リ、リリィ……もう……!」
「ゴズメル、いい子ね、だいじょうぶよ……今から私が、気持ちよーくしてあげる……」
リリィは、なだめるようにゴズメルの顎にキスをした。
(あぁっ、あたしリリィにイかされちゃうんだ……)
ぱっくりと割れた股に、リリィの白い指が下りてくる。ゴズメルの期待値は極限まで高まった。
(射精できないクリチンポをこちょこちょされて、発情した雌まんこをぐちゃぐちゃに犯されて、みっともなくイかされちゃうんだぁあああ頭がおかしくなっちゃうううう)
その時だった。ゴズメルの腹が高らかに鳴った。
「…………!」
リリィはぱちぱちと瞬きした。
ゴズメルは顔を真っ赤にして臍をひっこめたりなどしてみるのだが、なかなか鳴りやまない。
「うぁ……」
「お腹がすいているの? ゴズメル」
「う、うるさいよっ。スケベな雰囲気の時に腹を鳴らしちゃいけないなんて法律があるのかいっ? 仕方ないだろうが、いつもは魚釣ったらすぐ食ってんだよっ!」
腹は減る、ムラムラする、そのうえ恥ずかしいときたら、ゴズメルはもう逆切れするしかない。
そんなゴズメルに、リリィはひしっと抱き着いてきた。
「ああ、あなたってなんて可愛いひとなの、ゴズメル」
状況が状況なだけに抵抗できない。口を歪めて赤面するゴズメルに、リリィはたっぷりと頬ずりした。
「大好きよ、ゴズメル。可愛いあなたに、お腹いっぱい食べさせてあげなくちゃ……!」
「ウウウ……」
唸るゴズメルの唇に、リリィはそっとキスを落とした。
「湯舟に浸かって、よーくあたたまってね。もうお風呂で寝てはだめよ。髪もちゃんと乾かすこと。……そうしたら、一緒にお食事にしましょう」
「…………あんたがそうしろってんなら、そうするけど」
勝負はつかなかったが負けたようなものだ。敗者に文句を言う権利はない。
リリィは軽やかだった。シャワーを浴びて、さっと浴室から出て行ってしまう。
残されたゴズメルは泡を流してから、言いつけを守って湯舟にザブッと浸かった。
(んもぉ! いったいなんなんだ、あの子は……マゾのくせに攻めっ気があって、そ、そのくせ、あたしを喜ばせることばっかり考えてやがる……)
先ほどの未知の快感が脳裏に蘇ってくる。耳半分までお湯に浸かったゴズメルはブクブクと鼻息を泡立てた。
(アルティカを出てくる時も、あたしにドレスなんて着させてくるし……リリィって……)
ゴズメルは、月イチでしか生えてこない自分に対して葛藤があった。自分でも変だと思うし、リリィだって本当は常時生えている男と付き合いたいんじゃないかと勘繰ってしまうのだ。
だが思い返してみればリリィは、ゴズメルの男性器より胸を触りたがったり、自慰の方法を知りたがったりしていた。ゴズメルの卵を生みたがっているくせに、女としてのゴズメルを欲しがっているらしい。もう理屈としてめちゃめちゃである。
(リリィって……めちゃめちゃにあたしに惚れてるんだ……)
信じがたいことだが、男としても女としても中途半端なゴズメルのことを、リリィは丸ごと愛している、らしい。
ゴズメルはボッと顔が熱くなって……それから、とてもムラムラした。
(うう……セックスしたい……リリィの全身を舐めまわしたい……)
からだの奥からほとばしる性欲を、ゴズメルは自分で自分の肘を抱いて押し殺した。
(腋……とか舐めたら、きっと泣いて逃げようとするから、足を掴んでおかなきゃ。そうだ、頭の上で手を組ませてやる……あの子はマゾだから『ゆるして、ゆるして』ってオッパイ揺らして悦ぶぞ……そしたら、あたしはリリィに……)
女の部分を刺激された反動だろうか。
妄想を膨らますゴズメルの視界が、急に潤んだ。
(あたし、あの子に『結婚してください』って言おう……言わなきゃ)
永遠にセックスし続けることはできない。
でも、結婚は違う。
運がよければ、永遠に結婚し続けることができる。
こんなにゴズメルのことを想ってくれるひとが、リリィのほかにいるだろうか。
たとえ種族の習性だとしても、ゴズメルにとって、そんなふうに接してくれるひとはこれまでいなかった。
リリィだけだ。
結婚して幸せにできる保証はない。そのうえゴズメルは住所不定無職だ。それでも、この気持ちを永遠にしたい。
ゴズメルは勢いよく風呂を上がった。
服を着たら! 髪を乾かしたら、リリィにプロポーズするんだ!
バーン!とダイニングのドアを開けると、お玉を手にしたリリィが「今夜はカレーよ」と言った。
ゴズメルは雷に打たれたかのような衝撃を受ける。
リリィはセッティング済みのテーブルに次々と盛り付けた皿を置いた。
「お魚を使ったシャバシャバのカレーよ。小魚はフライにしたわ。衣にハーブを合わせたから、さっぱり食べられるはず。デザートにゼリーもあるけど……食べ足りなかったらまた何か作るから言ってちょうだい」
空腹のゴズメルは眩暈を覚えた。きゅうっとお腹が鳴り、唾液が口の中にあふれてくる。
スプーンとフォークを握ったゴズメルは決めた。このごちそうを、食べ終わったら・・・!
十分後、うつむいて低く悶えているのはゴズメルのほうだった。
「ゴズメル、気持ちいいの……?」
背後から、リリィが濡れた唇を耳に当ててくる。
はむっと耳たぶを食まれると「うぁあっ」ゴズメルの褐色の巨躯はブルンと振れてしまう。
大きな胸も腰も、火照って仕方ない。
リリィはうっとりと言った。
「広い背中ね……とってもたくましくて、私、胸がドキドキしてしまうわ……」
ゴズメルが背中に感じているのは、リリィの胸のドキドキよりもモチモチ感だ。白玉のように滑らかで弾力があるのに左右の乳首は貝のミのようにコリコリと硬い。
その胸にたっぷりと泡をつけて、背中を擦り洗われている。
それだけならゴズメルもやり返せたかもしれない。問題はリリィの繊細に動く手指だった。
「オッ……そこ、だめだ、だめっ」
「だいじょうぶよ、怖がらないで。肩も背中も、こんなにバキバキに硬くして……つらかったでしょう?」
「んぁああああ」
いつだったかマッサージの心得があると言っていたのは本当だったらしい。
リリィの小さな手で優しく、しかし的確にツボを突かれると、どっと汗が出て、狂おしい声が漏れてしまう。
(こ……このあたしが、こんな一方的に……気持ちいい、い、痛いのに、からだ、あついぃ……!)
まずい、このままでは本当にイかされてしまう。
ぷるぷると耐えるゴズメルに、リリィは「前も洗っていいかしら?」と優しく尋ねた。
ゴズメルはドキッとした。
だが、これはチャンスだ。前に来てくれれば、ゴズメルもリリィのからだを洗うことができる。
「い、いいよォ? 来てみろよ……早く……」
ゴズメルは肩越しにバチバチにメンチを切ったが、リリィを委縮させることはできなかった。
するりと懐に入り込んだリリィの手つきは、あくまで優しく、思いやりに満ちていた。
「ああ……もうどうしてこんなに傷だらけなの? 無茶な戦いかたをしたのね? ゴズメル……」
「ウ……」
「この首は、噛まれたの……? どうして? ひどいわ……いったいどこの誰が、あなたにこんなことを……」
泣きそうな声でからだを撫でさすられると、ゴズメルは弱い。
ゴズメル自身が忘れていても、鐵刑の塔で血まみれになったことや、マリアに襲われたことはからだに刻み込まれている。
リリィは、小さなからだで大きなゴズメルを、ぎゅうっと慈しむように抱きしめた。
ゴズメルはリリィの髪をよしよしと撫でた。髪留めを外すと、長い髪が広がり、リリィの香りが漂う。
とてもいい匂いなのに、なんだか吸い込むと胸が切なくなってしまう。
「……心配なんかしてバカな子だね」
ゴズメルはわざと怒って見せた。
「来る道で説明しただろ、首の傷は卑怯な手を使われただけさ。次は負けないし、こんなの別に痛くないんだ」
「痛くないとしても……もう、ケガしないでね。ゴズメル……」
「う……」
真正面から優しく心配されるのは慣れない。
ゴズメルはぞんざいに扱われるくらいがちょうどいいと思っている。
ところが、リリィはゴズメルに愛情のこもったキスをしてくる。
両手で胸まわりを撫でているのも、ガチガチに凝り固まった筋肉を緩めるためなのだろう。
「リリィ……う、ぁあ……」
ムラムラしてしまうほうがおかしい。ゴズメルは両手の上で乳房を揺すられているだけだ。
つんと上を向く乳首に、リリィは触ってもいないのに。
ふーっと唇で泡を吹かれると、それだけでゾクゾクと感じてしまう。
「……いいのよ、ゴズメル」
リリィは優しく言った。
「斧は重いし、胸も大きいのだから肩が凝るのは当然よ。これはマッサージよ。あなたはたくさん気持ちよくなっていいの。私が楽にしてあげるわ……」
ゴズメルは、もうリリィを洗うどころではなかった。
全身泡まみれになるほど穏やかに撫でまわされて、心地よい。心地よすぎて刺激がほしい。
ゴズメルの大きな乳首は重たく勃起していた。
だが、リリィは広い表面をなぞるばかりで肝心なところに触れてくれない。
「……ここは敏感だから染みないようにゆっくり洗うわね」
「あぁ……あ、そこは……」
リリィの手が膝にかかる。こんなに焦らされた状態で性器に触られたらどうなってしまうのか。
ゴズメルは考えただけで怖い。腰をひこうとすると、リリィの指が陰毛に埋まった。
「うっ……」
「だいじょうぶよ。痛くしないわ。優しく、優しくね……」
「うぉ、お、おぅっ……」
密集して陰部を守る縮れ毛を、ニットを洗うかのように、優しくこすりあわせる。くしゅくしゅと毛の塊を弄られると真下の女性器まで反応してしまう。
あまりにももどかしい刺激に、ゴズメルの細い尾はビュンとしなった。
「リ、リリィ……もう……!」
「ゴズメル、いい子ね、だいじょうぶよ……今から私が、気持ちよーくしてあげる……」
リリィは、なだめるようにゴズメルの顎にキスをした。
(あぁっ、あたしリリィにイかされちゃうんだ……)
ぱっくりと割れた股に、リリィの白い指が下りてくる。ゴズメルの期待値は極限まで高まった。
(射精できないクリチンポをこちょこちょされて、発情した雌まんこをぐちゃぐちゃに犯されて、みっともなくイかされちゃうんだぁあああ頭がおかしくなっちゃうううう)
その時だった。ゴズメルの腹が高らかに鳴った。
「…………!」
リリィはぱちぱちと瞬きした。
ゴズメルは顔を真っ赤にして臍をひっこめたりなどしてみるのだが、なかなか鳴りやまない。
「うぁ……」
「お腹がすいているの? ゴズメル」
「う、うるさいよっ。スケベな雰囲気の時に腹を鳴らしちゃいけないなんて法律があるのかいっ? 仕方ないだろうが、いつもは魚釣ったらすぐ食ってんだよっ!」
腹は減る、ムラムラする、そのうえ恥ずかしいときたら、ゴズメルはもう逆切れするしかない。
そんなゴズメルに、リリィはひしっと抱き着いてきた。
「ああ、あなたってなんて可愛いひとなの、ゴズメル」
状況が状況なだけに抵抗できない。口を歪めて赤面するゴズメルに、リリィはたっぷりと頬ずりした。
「大好きよ、ゴズメル。可愛いあなたに、お腹いっぱい食べさせてあげなくちゃ……!」
「ウウウ……」
唸るゴズメルの唇に、リリィはそっとキスを落とした。
「湯舟に浸かって、よーくあたたまってね。もうお風呂で寝てはだめよ。髪もちゃんと乾かすこと。……そうしたら、一緒にお食事にしましょう」
「…………あんたがそうしろってんなら、そうするけど」
勝負はつかなかったが負けたようなものだ。敗者に文句を言う権利はない。
リリィは軽やかだった。シャワーを浴びて、さっと浴室から出て行ってしまう。
残されたゴズメルは泡を流してから、言いつけを守って湯舟にザブッと浸かった。
(んもぉ! いったいなんなんだ、あの子は……マゾのくせに攻めっ気があって、そ、そのくせ、あたしを喜ばせることばっかり考えてやがる……)
先ほどの未知の快感が脳裏に蘇ってくる。耳半分までお湯に浸かったゴズメルはブクブクと鼻息を泡立てた。
(アルティカを出てくる時も、あたしにドレスなんて着させてくるし……リリィって……)
ゴズメルは、月イチでしか生えてこない自分に対して葛藤があった。自分でも変だと思うし、リリィだって本当は常時生えている男と付き合いたいんじゃないかと勘繰ってしまうのだ。
だが思い返してみればリリィは、ゴズメルの男性器より胸を触りたがったり、自慰の方法を知りたがったりしていた。ゴズメルの卵を生みたがっているくせに、女としてのゴズメルを欲しがっているらしい。もう理屈としてめちゃめちゃである。
(リリィって……めちゃめちゃにあたしに惚れてるんだ……)
信じがたいことだが、男としても女としても中途半端なゴズメルのことを、リリィは丸ごと愛している、らしい。
ゴズメルはボッと顔が熱くなって……それから、とてもムラムラした。
(うう……セックスしたい……リリィの全身を舐めまわしたい……)
からだの奥からほとばしる性欲を、ゴズメルは自分で自分の肘を抱いて押し殺した。
(腋……とか舐めたら、きっと泣いて逃げようとするから、足を掴んでおかなきゃ。そうだ、頭の上で手を組ませてやる……あの子はマゾだから『ゆるして、ゆるして』ってオッパイ揺らして悦ぶぞ……そしたら、あたしはリリィに……)
女の部分を刺激された反動だろうか。
妄想を膨らますゴズメルの視界が、急に潤んだ。
(あたし、あの子に『結婚してください』って言おう……言わなきゃ)
永遠にセックスし続けることはできない。
でも、結婚は違う。
運がよければ、永遠に結婚し続けることができる。
こんなにゴズメルのことを想ってくれるひとが、リリィのほかにいるだろうか。
たとえ種族の習性だとしても、ゴズメルにとって、そんなふうに接してくれるひとはこれまでいなかった。
リリィだけだ。
結婚して幸せにできる保証はない。そのうえゴズメルは住所不定無職だ。それでも、この気持ちを永遠にしたい。
ゴズメルは勢いよく風呂を上がった。
服を着たら! 髪を乾かしたら、リリィにプロポーズするんだ!
バーン!とダイニングのドアを開けると、お玉を手にしたリリィが「今夜はカレーよ」と言った。
ゴズメルは雷に打たれたかのような衝撃を受ける。
リリィはセッティング済みのテーブルに次々と盛り付けた皿を置いた。
「お魚を使ったシャバシャバのカレーよ。小魚はフライにしたわ。衣にハーブを合わせたから、さっぱり食べられるはず。デザートにゼリーもあるけど……食べ足りなかったらまた何か作るから言ってちょうだい」
空腹のゴズメルは眩暈を覚えた。きゅうっとお腹が鳴り、唾液が口の中にあふれてくる。
スプーンとフォークを握ったゴズメルは決めた。このごちそうを、食べ終わったら・・・!
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