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急・異種獣人同士で子づくり!?ノァズァークのヒミツ編
15.偽卵の作り方
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ゴズメルは尋ねた。
「今、こうしていても寂しいの?」
「ああゴズメル……どうか私のことを軽蔑しないでね。決してあなたの気持ちを疑っているわけじゃないのよ……」
二人は落ちて散らばった本のそばで体をくっつけあっている。それでもリリィは寂しくて、不安で仕方ないのだった。
「これはもう、本能的な不安なの。あなたが愛してくれるほど、私はそれを失うのが恐ろしいのよ。突き放されればなおのこと必死に追い縋ってしまう。さっき、私がどんな醜態を晒したか覚えているでしょう? あんなに可愛いナナのことさえ憎く思ったのよ……」
「別に、軽蔑なんてしないけど……」
そんなに罪悪感を持つほどか、とゴズメルは思った。ゴズメルなんて、リリィに色目を使うキースを何度引き裂いてやりたいと思ったかわからない。実際に叩いたことだってある。
だが、リリィは真剣そのものだった。自分にまっすぐ向かってくる好意に、ゴズメルは面映ゆくなる。
(この子って、本気であたしに恋してるんだな……)
妙にぞくぞくした。恋をするリリィは、とても危なっかしくて魅惑的だ。ゴズメルに好かれるためなら、本当になんでもしてしまうかもしれない。
ゴズメルは、リリィの胸を手の甲でスッと撫でた。リリィは赤くなって目を伏せたが、抵抗はしない。
「急にこんなことされても、卵を生みたい?」
「……い、今は……」
「うん?」
勃ってきた乳首を指の間に挟んで、くいくいと引っ張る。おもちゃにされているとわかっているだろうに、リリィは健気に返事をした。
「今は、緊張してるから……」
「あとでリラックスした時、されたことを思い出しながら生むのか。オナニーするみたいに」
「ふぁっ……」
ぎゅーっと指に力を入れると、リリィがあえかな声を漏らす。
「どうして、そんなふうになんでもわかってしまうの……?」
「……オナニーしながら生んだ?」
リリィは糸で吊られた人形のようにふわふわとうなずいた。
エロいママがいたもんだな、とゴズメルは素直に思った。ゴズメルを想ってひとり自慰にふけり、苦し気に呻きながら女性器から卵を吐き出すリリィを想像するだけで、クるものがある。
こんな色気を撒き散らしながら受付に立つのだ。冒険者たちだっておかしくなるに決まっている。
(……なんとかしないと、これ本気でやばいな)
今でさえ業務に支障を来しているのだ。他の冒険者の性欲がいつ爆発するかわからない。
「あぁ、あ、お願い、ゴズメル、キスしてぇ」
おまけに死の危険もあると言うのに、リリィときたら!
ゴズメルは流されたい気持をグッとこらえて「ダメ」と言った。
「……キスしたら、あんたすぐイッちまうだろ。お預けだよ」
「お、お預け……?」
「後でご褒美をもらえるかはあんた次第だね」
「うぅ、うーっ……」
ゴズメルは強引にリリィを立たせ、散らばった本を片付けはじめた。
本棚に額を押し付けてイき我慢するリリィは愛らしかった。
自分で自分の肘を抱くようにして、勃起の鎮まらない乳首を腕で押さえ、しきりに身震いしている。
ゴズメルは、なるべく気にしないようにしながら書架整理を進めた。
リリィが勢い余って周りの本も落っことしてしまったので、ひと仕事だった。
高所作業は問題ないが、字が小さくて読みづらいので、置き場がわからなくなってしまう。
ゴズメルはぶつぶつ言いながら、棚の間を歩き回った。
「えぇと……ああ、鳥系獣人の本がここらに固まってるのか。ってことは……なるほど、こっちの棚に、この『卵を生むのが止まらないあなたに。簡単な偽卵のつくりかた』が……」
ゴズメルは危うく本を取り落としそうになった。ドンピシャすぎるタイトルだ。
「リ、リリィ! リリィ!!」
「ふゃ……」
「しっかりするんだ、この本を見て! 「偽卵を使ってイライラとサヨナラしました」って書いてあるよ。妖精族じゃないけど、あんたにも使えるんじゃないかっ?」
ゴズメルは大興奮だった。こんなにいい本があるなら、イーユンに残ってもらえばよかった。貸出処理は司書にしかできないのである。
ページに顔をくっつけるようにして読み出すゴズメルに、リリィは「貸してちょうだい」と弱弱しく言った。
「……無理よ。生んだ卵の中身を抜いて、偽卵として使うって書いてあるもの。私の卵は溶けちゃうから……」
「えぇっ?」
ゴズメルは本を覗き込んだ。確かにそう書いてある。
「……まあ、なるべく似た素材を加工したらいいじゃないかな」
「でも……」
「あれこれ考える前に、まずは一回試してみようよ」
「えっ? た、試すって……」
「ふむ……本には巣に偽卵をセットしておくって書いてあるな。あんたの場合は、オナニーする時にベッドに用意しとけばいいんじゃない。股の下であっためながら寝ると、幸せな気持ちになるらしいよ」
ゴズメルのあけすけな言い方に、リリィは真っ赤になった。
「嫌よ……! そんな一人芝居するなんて、まるでバカみたいじゃない」
「いやっ。バカみたいなんてことはない。有翼種の間ではかなり伝統的なやり方のはずだ」
ゴズメルはきっぱりと言った。
「よく考えたらあたし、偽卵って見たことがあるんだ。土産物屋で、縁起物扱いで売られてることがある」
「えぇっ。本当? ゴズメル」
「うん。よく見るのはハトの卵だけど、確か安産祈願のお守りじゃなかったかな」
「そんなのおかしいわ。偽卵がなぜ安産のお守りになるの」
「あたしだってわかんないけど……たぶん、産卵を人為的にストップさせるのって、昔は贅沢なことだったんじゃないか? それくらい子供に恵まれたってことだし」
「今、こうしていても寂しいの?」
「ああゴズメル……どうか私のことを軽蔑しないでね。決してあなたの気持ちを疑っているわけじゃないのよ……」
二人は落ちて散らばった本のそばで体をくっつけあっている。それでもリリィは寂しくて、不安で仕方ないのだった。
「これはもう、本能的な不安なの。あなたが愛してくれるほど、私はそれを失うのが恐ろしいのよ。突き放されればなおのこと必死に追い縋ってしまう。さっき、私がどんな醜態を晒したか覚えているでしょう? あんなに可愛いナナのことさえ憎く思ったのよ……」
「別に、軽蔑なんてしないけど……」
そんなに罪悪感を持つほどか、とゴズメルは思った。ゴズメルなんて、リリィに色目を使うキースを何度引き裂いてやりたいと思ったかわからない。実際に叩いたことだってある。
だが、リリィは真剣そのものだった。自分にまっすぐ向かってくる好意に、ゴズメルは面映ゆくなる。
(この子って、本気であたしに恋してるんだな……)
妙にぞくぞくした。恋をするリリィは、とても危なっかしくて魅惑的だ。ゴズメルに好かれるためなら、本当になんでもしてしまうかもしれない。
ゴズメルは、リリィの胸を手の甲でスッと撫でた。リリィは赤くなって目を伏せたが、抵抗はしない。
「急にこんなことされても、卵を生みたい?」
「……い、今は……」
「うん?」
勃ってきた乳首を指の間に挟んで、くいくいと引っ張る。おもちゃにされているとわかっているだろうに、リリィは健気に返事をした。
「今は、緊張してるから……」
「あとでリラックスした時、されたことを思い出しながら生むのか。オナニーするみたいに」
「ふぁっ……」
ぎゅーっと指に力を入れると、リリィがあえかな声を漏らす。
「どうして、そんなふうになんでもわかってしまうの……?」
「……オナニーしながら生んだ?」
リリィは糸で吊られた人形のようにふわふわとうなずいた。
エロいママがいたもんだな、とゴズメルは素直に思った。ゴズメルを想ってひとり自慰にふけり、苦し気に呻きながら女性器から卵を吐き出すリリィを想像するだけで、クるものがある。
こんな色気を撒き散らしながら受付に立つのだ。冒険者たちだっておかしくなるに決まっている。
(……なんとかしないと、これ本気でやばいな)
今でさえ業務に支障を来しているのだ。他の冒険者の性欲がいつ爆発するかわからない。
「あぁ、あ、お願い、ゴズメル、キスしてぇ」
おまけに死の危険もあると言うのに、リリィときたら!
ゴズメルは流されたい気持をグッとこらえて「ダメ」と言った。
「……キスしたら、あんたすぐイッちまうだろ。お預けだよ」
「お、お預け……?」
「後でご褒美をもらえるかはあんた次第だね」
「うぅ、うーっ……」
ゴズメルは強引にリリィを立たせ、散らばった本を片付けはじめた。
本棚に額を押し付けてイき我慢するリリィは愛らしかった。
自分で自分の肘を抱くようにして、勃起の鎮まらない乳首を腕で押さえ、しきりに身震いしている。
ゴズメルは、なるべく気にしないようにしながら書架整理を進めた。
リリィが勢い余って周りの本も落っことしてしまったので、ひと仕事だった。
高所作業は問題ないが、字が小さくて読みづらいので、置き場がわからなくなってしまう。
ゴズメルはぶつぶつ言いながら、棚の間を歩き回った。
「えぇと……ああ、鳥系獣人の本がここらに固まってるのか。ってことは……なるほど、こっちの棚に、この『卵を生むのが止まらないあなたに。簡単な偽卵のつくりかた』が……」
ゴズメルは危うく本を取り落としそうになった。ドンピシャすぎるタイトルだ。
「リ、リリィ! リリィ!!」
「ふゃ……」
「しっかりするんだ、この本を見て! 「偽卵を使ってイライラとサヨナラしました」って書いてあるよ。妖精族じゃないけど、あんたにも使えるんじゃないかっ?」
ゴズメルは大興奮だった。こんなにいい本があるなら、イーユンに残ってもらえばよかった。貸出処理は司書にしかできないのである。
ページに顔をくっつけるようにして読み出すゴズメルに、リリィは「貸してちょうだい」と弱弱しく言った。
「……無理よ。生んだ卵の中身を抜いて、偽卵として使うって書いてあるもの。私の卵は溶けちゃうから……」
「えぇっ?」
ゴズメルは本を覗き込んだ。確かにそう書いてある。
「……まあ、なるべく似た素材を加工したらいいじゃないかな」
「でも……」
「あれこれ考える前に、まずは一回試してみようよ」
「えっ? た、試すって……」
「ふむ……本には巣に偽卵をセットしておくって書いてあるな。あんたの場合は、オナニーする時にベッドに用意しとけばいいんじゃない。股の下であっためながら寝ると、幸せな気持ちになるらしいよ」
ゴズメルのあけすけな言い方に、リリィは真っ赤になった。
「嫌よ……! そんな一人芝居するなんて、まるでバカみたいじゃない」
「いやっ。バカみたいなんてことはない。有翼種の間ではかなり伝統的なやり方のはずだ」
ゴズメルはきっぱりと言った。
「よく考えたらあたし、偽卵って見たことがあるんだ。土産物屋で、縁起物扱いで売られてることがある」
「えぇっ。本当? ゴズメル」
「うん。よく見るのはハトの卵だけど、確か安産祈願のお守りじゃなかったかな」
「そんなのおかしいわ。偽卵がなぜ安産のお守りになるの」
「あたしだってわかんないけど……たぶん、産卵を人為的にストップさせるのって、昔は贅沢なことだったんじゃないか? それくらい子供に恵まれたってことだし」
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