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急・異種獣人同士で子づくり!?ノァズァークのヒミツ編
1.ラブ★
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リリィは背中が弱い。
食後の洗い物をしているうしろを、通りすがりに「ちょっと失礼」と軽く触るだけで「ひゃっ」と声にならない息を漏らすのである。これがお尻だと「あら、嫌ねえ」などと笑いさえするのに。
「あれっ。今どっから声がしたんだ? ここ? それとも、ここかな」
「やん、ちょっと、ゴズメルったら、やめて」
リリィが食器から手を離せないのをいいことに、ゴズメルは彼女の背中をぺたぺたとあちこち触りまくった。背中の真ん中、肩甲骨の谷間、脇に近い側面、心配になるくらい軒並み弱い。
「だめよ。よしてったら、ねぇ……」
「いやだ。絶対にやめないぞ」
身をよじって逃げようとするリリィの背中を、ゴズメルはがばっと抱きしめた。
「こんなに弱い背中は、あたしがこうやって守っておいてやらなきゃ危険だよ!」
「んもう、あなたってまるで大きな子供みたい……」
「ガキみたいなあたしは嫌い? リリィ」
抱きしめたまま尋ねると、リリィの喉が小動物のようにきゅうっと鳴った。
振り向きざまに、ゴズメルの口元にキスをくれる。
「……ううん。とっても好きよ、ゴズメル」
小さな声で答えるリリィのほうこそ、恥ずかしがりやの少女のようだった。ゴズメルが目元にキスしかえすと、くすくすと声を立てて笑う。
幸せな二人は、リリィの家にいた。付き合いだして二度目の満月を共に過ごすために休みを合わせたのだ。
これまでもお互いの仕事の合間を縫って逢瀬を重ねていたが、一か月目のお泊りデートとくればいちゃつきもひとしおだった。お互い、怒涛の勢いで仕事を片付けて連休を取ったのだ。
満月の夜だった。ゴズメルはもう一刻も早くリリィと体を繋げたくて仕方ない。
「ねぇ、シようよ。あたし、早くあんたとシたい、リリィ……」
ゴズメルはすっかり高ぶってしまった男根を、リリィの腰に押し当てた。
刺激に弱い背中にべったりと胸をつけ、耳元で熱っぽく誘惑する。
「んっ、ゴズメル……」
リリィは流しにもたれかかるように体をくの字に折った。
「……もう……体調はいいの……? あなた、とっても熱っぽいわ……」
「ああ、熱いよ……早く出したいよ。ねぇ……」
「あぁっ……」
両手をリリィの内腿に添え、テントの張った股間を、ぐいぐいと押し付ける。犬のマウンティングじみたあからさまなセックスアピールに、リリィは頬を赤らめた。もう食器を洗う手は完全に止まってしまい、ゴズメルに向かって腰を突き出してしまっている。
夜の営みは窓の外が暗くなってから、という約束ではあった。ゴズメルだって、それが日没を合図に即、という意味ではないことくらいわかっている。品のいいリリィのことだ。夕食をとって食器を片付けて、体も清めてからのつもりでいたに違いない。
だが不意打ちのようにリリィの可愛い反応を見せつけられたゴズメルは、もう我慢できなかった。
ここまで、ずいぶん焦らされたと思うのだ。なんなら数刻前、冒険者協会の裏口で待ち合わせた時から押し倒したかった。
満月の夜の体調不良でいくらかフラついているゴズメルを気遣い、リリィは姉のように手をひいてくれた。果樹や花に囲まれた広い屋敷に招かれ、かわいいフリルのエプロンを付けたリリィにもてなされ、ゴズメルもベッドに入るまではちゃんとした客でいようとがんばったのだ。
が、それももう限界だった。もはや「やぁん、だめぇっ」と半泣きで身をよじる姿にさえ、情欲をかきたてられる。耳と頬に絶え間なくキスを落とし、「嫌? ほんとに嫌?」といじわるく質問する。
二人はキスした。軽く触れ、すぐに離れ、リリィがほうっと息をつく。
「違うのよ。ほんとは、嫌じゃないわ……でも、こんなところで……」
「この広くて立派な台所で、リリィを食べちゃいたいんだよ……」
「あぁ……ゴズメル、私だって!」
リリィは濡れた手もそのままにくるっと振り向き、ゴズメルにしがみついた。ゴズメルの首に手を回し、引き寄せた顔にハートマークが乱舞するようなキスを落とす。
「私は具合が悪そうなあなたのために我慢していたのよ。それなのにこんなところで誘惑するなんて、ゴズメルって本当にひどいひとね……! でも……」
「でも?」
「でも、愛してるわ……」
「リリィ~~!!」
ゴズメルは初めての彼女に、もう夢中だった。こんなに可愛くて愛おしい存在が自分のことを愛してくれているなんて、幸せすぎて怖いくらいだ。
きゃあきゃあとはしゃぐリリィの頬に、顎にキスして、シャツのボタンを一つまた一つとゆるめる。エプロンのリボンを引っ張るときは、まるでプレゼントのラッピングをほどくような気がして、指が震えた。
二人きりなのに、まるで誰かから身を隠すかのようにしゃがみこみ、台所の流しの前で抱き合う。キスだってもう何度もしているのに、目を閉じたまま唇を触れ合わせると、まるで神聖な魔法のような気がする。
ランプのある台所は明るかった。リリィは暴かれた胸を、恥ずかしそうに両手で隠す。
「あなたと比べて、貧相な体で恥ずかしいわ……」
「なに言ってんだろうね、この子は。こんなにもちもちした綺麗なおっぱいして」
「だって、私だけなんて……」
もちもちを手のすきまから指でつつくと、リリィは恥ずかしそうに体をそむけた。ちらっと期待のこもった目で見られて、ゴズメルは笑ってしまった。
「なんてスケベな妖精なんだろう。あたしを脱がせておっぱいを見ようとしている!」
食後の洗い物をしているうしろを、通りすがりに「ちょっと失礼」と軽く触るだけで「ひゃっ」と声にならない息を漏らすのである。これがお尻だと「あら、嫌ねえ」などと笑いさえするのに。
「あれっ。今どっから声がしたんだ? ここ? それとも、ここかな」
「やん、ちょっと、ゴズメルったら、やめて」
リリィが食器から手を離せないのをいいことに、ゴズメルは彼女の背中をぺたぺたとあちこち触りまくった。背中の真ん中、肩甲骨の谷間、脇に近い側面、心配になるくらい軒並み弱い。
「だめよ。よしてったら、ねぇ……」
「いやだ。絶対にやめないぞ」
身をよじって逃げようとするリリィの背中を、ゴズメルはがばっと抱きしめた。
「こんなに弱い背中は、あたしがこうやって守っておいてやらなきゃ危険だよ!」
「んもう、あなたってまるで大きな子供みたい……」
「ガキみたいなあたしは嫌い? リリィ」
抱きしめたまま尋ねると、リリィの喉が小動物のようにきゅうっと鳴った。
振り向きざまに、ゴズメルの口元にキスをくれる。
「……ううん。とっても好きよ、ゴズメル」
小さな声で答えるリリィのほうこそ、恥ずかしがりやの少女のようだった。ゴズメルが目元にキスしかえすと、くすくすと声を立てて笑う。
幸せな二人は、リリィの家にいた。付き合いだして二度目の満月を共に過ごすために休みを合わせたのだ。
これまでもお互いの仕事の合間を縫って逢瀬を重ねていたが、一か月目のお泊りデートとくればいちゃつきもひとしおだった。お互い、怒涛の勢いで仕事を片付けて連休を取ったのだ。
満月の夜だった。ゴズメルはもう一刻も早くリリィと体を繋げたくて仕方ない。
「ねぇ、シようよ。あたし、早くあんたとシたい、リリィ……」
ゴズメルはすっかり高ぶってしまった男根を、リリィの腰に押し当てた。
刺激に弱い背中にべったりと胸をつけ、耳元で熱っぽく誘惑する。
「んっ、ゴズメル……」
リリィは流しにもたれかかるように体をくの字に折った。
「……もう……体調はいいの……? あなた、とっても熱っぽいわ……」
「ああ、熱いよ……早く出したいよ。ねぇ……」
「あぁっ……」
両手をリリィの内腿に添え、テントの張った股間を、ぐいぐいと押し付ける。犬のマウンティングじみたあからさまなセックスアピールに、リリィは頬を赤らめた。もう食器を洗う手は完全に止まってしまい、ゴズメルに向かって腰を突き出してしまっている。
夜の営みは窓の外が暗くなってから、という約束ではあった。ゴズメルだって、それが日没を合図に即、という意味ではないことくらいわかっている。品のいいリリィのことだ。夕食をとって食器を片付けて、体も清めてからのつもりでいたに違いない。
だが不意打ちのようにリリィの可愛い反応を見せつけられたゴズメルは、もう我慢できなかった。
ここまで、ずいぶん焦らされたと思うのだ。なんなら数刻前、冒険者協会の裏口で待ち合わせた時から押し倒したかった。
満月の夜の体調不良でいくらかフラついているゴズメルを気遣い、リリィは姉のように手をひいてくれた。果樹や花に囲まれた広い屋敷に招かれ、かわいいフリルのエプロンを付けたリリィにもてなされ、ゴズメルもベッドに入るまではちゃんとした客でいようとがんばったのだ。
が、それももう限界だった。もはや「やぁん、だめぇっ」と半泣きで身をよじる姿にさえ、情欲をかきたてられる。耳と頬に絶え間なくキスを落とし、「嫌? ほんとに嫌?」といじわるく質問する。
二人はキスした。軽く触れ、すぐに離れ、リリィがほうっと息をつく。
「違うのよ。ほんとは、嫌じゃないわ……でも、こんなところで……」
「この広くて立派な台所で、リリィを食べちゃいたいんだよ……」
「あぁ……ゴズメル、私だって!」
リリィは濡れた手もそのままにくるっと振り向き、ゴズメルにしがみついた。ゴズメルの首に手を回し、引き寄せた顔にハートマークが乱舞するようなキスを落とす。
「私は具合が悪そうなあなたのために我慢していたのよ。それなのにこんなところで誘惑するなんて、ゴズメルって本当にひどいひとね……! でも……」
「でも?」
「でも、愛してるわ……」
「リリィ~~!!」
ゴズメルは初めての彼女に、もう夢中だった。こんなに可愛くて愛おしい存在が自分のことを愛してくれているなんて、幸せすぎて怖いくらいだ。
きゃあきゃあとはしゃぐリリィの頬に、顎にキスして、シャツのボタンを一つまた一つとゆるめる。エプロンのリボンを引っ張るときは、まるでプレゼントのラッピングをほどくような気がして、指が震えた。
二人きりなのに、まるで誰かから身を隠すかのようにしゃがみこみ、台所の流しの前で抱き合う。キスだってもう何度もしているのに、目を閉じたまま唇を触れ合わせると、まるで神聖な魔法のような気がする。
ランプのある台所は明るかった。リリィは暴かれた胸を、恥ずかしそうに両手で隠す。
「あなたと比べて、貧相な体で恥ずかしいわ……」
「なに言ってんだろうね、この子は。こんなにもちもちした綺麗なおっぱいして」
「だって、私だけなんて……」
もちもちを手のすきまから指でつつくと、リリィは恥ずかしそうに体をそむけた。ちらっと期待のこもった目で見られて、ゴズメルは笑ってしまった。
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