朝が来るまで

ともり

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眠り方。

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 世界の終わりを絶望しても朝はちゃんとやってくるんだ。その日は眠れなかったけど、幸いな事に土曜日で仕事はやすみ。
いつもなら彼に会いに行ってランチ食べておやつ買って、スポーツしたり彼の家でゲームしたりしてるはず。

そのささやかな時間も自分が壊した。自業自得だ。それに私は友達を遊びに誘う勇気もない。完全に孤独でしかなかった。

苦手だけど、1人でランチに行ってみた。毎週行くお気に入りのお店、毎度決まって彼と食べてた料理を口にする。

「あれ......?味......分かんない。」
その症状は急にやってきた。
大好きなご飯なのに、味が分からない。段々と料理が喉を通らなくなる。私は初めて大好きな料理を残してしまった。

 心が疲れてる。多分自分に何もなくなっちゃったからだ。楽しくないし、笑えないし、今までこんな時どうしてたっけ?

「どうしよう......どうしよう......」
その日は何時間も公園に停めた車の中でずっと不安で泣いてた。

 当たりが暗くなって、時間を見たら9時だった。無気力な私は家へ向かう。
帰ると親が何か言ってたけど、私はそれを無視して部屋へ向かった。
どうやら夕飯は食べるのかと聞かれてたみたい。食欲もないからどうでもいいけど。

ベッドへダイブすると、酷く疲れてる事に気づく。もういいや、寝てしまおうと目を閉じる。

「......どうやって寝るんだっけ?」

何時間も目を閉じたり開けたり、そわそわしてるだけ。眠れる気配はなかった。疲れてる、確かに凄い疲れてるのになんで?

 時間を見たら深夜の2時過ぎ。
だめだ、全く眠れない。最悪だ......。
生まれてこの方眠れないなんて事あったとしたら遠足とか旅行の前日ぐらいで、こんな事今までなかったのに、どうしたらいいのか全然分からない。

 ───眠り方忘れちゃった。
涙が溢れてきて、ぼろぼろ出てくる。情けない、負けた......って気分だった。

 この家で最後に泣いたのは14歳の時。初めて好きになった男の子に振られた。
しかもそれを弟に見られて笑われるっていう大失態。
昔から泣く事は恥ずかしいと思っていたけど、それからはもっと泣けなくなった。
泣く時は誰もいない場所と決めている。

 弱みなんて誰にも見せたくない。

それでも涙は止まらない。
どうして自分ばっかり......?って思いが溢れかえって決壊して、だらしない顔しながら声を殺して泣いた。

......

 暫くしてほんの少し落ち着いた頃、時間は深夜3時を回っていて静寂しかない時間が流れてる。

暗闇の中、私は朝から充電しっ放しの携帯を開いて、メールの確認をした。
受信0件。案の定だけど虚しくて再度落ち込んだ。

こんな事なら適当なメルマガでも登録しておけばよかったなんて、しょうもない事を思った。

 この日から、私は不眠に悩まされる事になる。
検索サイトを開き、不眠や眠り方を検索しまくったけど、最終的には病院へみたいな文字にため息しか出なかった。

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