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真夜中の異音

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引越して2週間ほどが経過した、ある夜中のこと。

台所の方から突然「バコンッ!!」と音がして、私は目を覚ましました。

カップ焼きそばの湯切りの時にシンクが放つのに似た音です。

「台所に誰かいるのか?!」と心臓が早鐘を打ちました。

でも子どもはそばに寝ているし、夫は仕事で家にいません(肝心な時に大抵いない)。

そして続けて「コン!」「トン!」と、さっきより少し小さな音。

誰か台所を歩きよる! 怖っ!

私は少し心配性なところがあって、寝る前に玄関の鍵を必ず確認するんです。

その晩も確かに閉まっていたはずです。

もしやピッキングされた? 上の階の住人が抜け穴(?)から侵入した? などといろいろ考えましたがとにかく怖い。

もし何者かが襲ってきた場合、自分ひとりなら素早く窓を開けて逃げられますが、子ども2人も一緒にとなると難しいです。

私は心霊の類は信じていないんですけど、この時ばかりは心霊であってくれと思いました。

人間の方がよっぽど怖いですから。

致死性を持つ霊の話はあまり聞いたことがないです。

せいぜいオシッコちびっちゃうか、恐怖のあまり気絶してしまうくらいでしょう。

その後も小さな音が続いたせいでドキドキして眠れず(台所に行く勇気はない)、でも結局はいつの間にか寝ていました。

音の正体は、おそらく「鳴家り」だったのだと思います。

家を支えている木材が、温度変化によって伸び縮みした時に音が出るらしいです。

音がしたのは午前4時代で、温度が1番下がる時間ですし。

それとも築が古いので倒壊のサインだったりして……。

これが1番怖いですねぇ。
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