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独立国家郡ペラルゴン
16話 季節は流れる人も流れる
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こうして5日間の護衛任務は無事終わった
普通なら税金の時期が近づいているため所属する国のギルドに戻る
しかもそのための経費も落ちている
だけど僕にはこのロマインという国に用があるのだ
この都市はロマインの首都シリ、世間の評価としては
「栄えてる方だよね」程度
特産といった特産はないけどダンジョンから鉱石が多く出るため鉄製品が全体的に多い
ダンジョンや魔物は僕らみたいな人類の経済に深く根差しているのだ
最近一定の場所で取れる鉱石を魔石とを砕いて混ぜることで肥料になるとかならないとかの研究がされてるらしい
土属性の魔法使いが要らなくなる時代が!とか密かに囁かれてるけど多分まだ先のことだろうね
さすがに窒素肥料やら窒素固定やらを見つけるにはあまりにも科学力が足りないと同時に魔法の賄える範囲がでかすぎる
そんなことを討伐ギルドの酒場で周りの声に耳を立てながらオレンジのような果物を齧っていた
見た目オレンジなのになんで中身だけ緑色なんだ?
色的に遠慮したいところだがこれが中々に美味い
問題は果汁が毒々しい…
いや、あれだ
現代の着色料みたいな緑色なことだけだ
あー、宿探さなくちゃ……
もうすぐ冬だしせっかく買ったけどほぼ使ってない持ち家に置くインテリアみたいなのも欲しい……
あと薪……はペラルゴンで買えばいいから調理器具かな………
料理するなら小麦や塩も買い込まなきゃ…
ベッドとかの家具は向こうで買えばいい………
でも凝った椅子とかはこの世界で見たこと無い、ロッキングチェアとか
うーん……作るか
前世の高校で工芸やってたし
それなら質のいい木材を1枚買いしてノコギリや鑿、鉋なんかも探さなきゃね
あるなら砥石も
製図のために羊皮紙じゃなくてしっかりした紙も必要だ
木の導管を塞ぐ粉とか仕上げ用の油も買わなきゃ
あぁ、なんか凄い生きてるって感じがする
でも1人は寂しいだろうな……
人は孤独で弱り死んでいく生き物
ご近所付き合いなんて上層では難しいだろうし
そもそも基本音も立てない上にほぼ僕は外出してる身
空き家だと思われてそう
ギルドでの知り合いを呼ぶにはリスクが高すぎる
そもそも高ランク冒険者ってだけで宿に夜這いされるような世界なんだ
パーティならまだしも個人で、しかもペラルゴンの上層に家持ってるなんて知られたらどんなことになるか分かったもんじゃない
ま、いい暮らしをするために人を殺してる身だ
正直そんな心配するほど繊細な心は残ってない
バレたらバレたで何とかなる、何とかする
でも呼べるとしたら暗殺ギルドの面々かぁ……
いいんだけど一人一人の癖がありすぎる
そこまで関わりある訳じゃない
毒の勉強させてもらったり世間話、国ごとの情勢を話したり体術を教わる程度……
僕自身パワーはあるけど体重が無いから取っ組み合いでは工夫が必要なんです
ていうか結構関わってるやんけ
ま、このことはおいおい考えるとしますか
そんなこんなで自分の世界に浸っていた最中、なんとも気持ちの悪い感覚が僕の肌を刺す
そしてまるで腐った肉のような、死人の吐息のような異臭が鼻を突く
しかし僕の周りの人間は気にする素振りすら見せない
このロマインという国、実は聖国ジャンヌ・ダルクの末寺的なものの中で最高位に値すると言われている『祈りの丘』という施設がある
表向きは聖ジャンヌ・ダルクを信じる人達が訪れる巡礼地
神官騎士やシスターの修行の場だったり各地から集められた孤児を使って冒険者の真似事をしたりと多岐にわたる
しかもここの孤児達は皆身体能力が非常に高く魔法使いの素質を持つものが多い、とのことだ
ちなみに信心深く若い女性神官騎士達が修行という名目で高位の神官の性的な餌食になってるっぽいけど別に僕には関係ない
どこの世界にも処女厨はいるんだなぁ…って思うくらいかな
『祈りの丘』のトップの神官騎士(♂)が常軌を逸した処女厨らしい
やり口が魔物との戦いで疲弊した彼女たちを夜のテントで犯す
しかも彼女らは支給されてる魔道具で身体能力を上げて戦っているため生身の状態では鍛えてる大人の男性にはとてもじゃないが敵わない
宗教的に堕胎も認めてるから文字通りヤリたい放題って訳
領主やら他のお偉いさんも参加してるから情報も漏れないしね
寄り道しちゃったけど僕の目的はここにいる魔法を扱う孤児達だ
この世界、魔法使いは本当に少ない
自ら魔力を作り、貯め、使用する
それをなす為には見合った身体でなくてはならない
血筋も少しは関係しているが魔法使いが産まれる条件は今も分からない、とされている
そんな中で魔法使いのガキが1箇所に集まるような事が有り得ますか、と
だってここはロマインという国だ
魔法使いの孤児がいたらすぐさま国側が持ってくだろうに
でも国側はどんなに頑張っても教会のように沢山の魔法使いの卵を孤児から見つけるなんてことは出来ていない
そうなったら考えられる選択肢なんて一つでしょうよ
彼らは魔法使いを後天的に生み出してる
普通なら税金の時期が近づいているため所属する国のギルドに戻る
しかもそのための経費も落ちている
だけど僕にはこのロマインという国に用があるのだ
この都市はロマインの首都シリ、世間の評価としては
「栄えてる方だよね」程度
特産といった特産はないけどダンジョンから鉱石が多く出るため鉄製品が全体的に多い
ダンジョンや魔物は僕らみたいな人類の経済に深く根差しているのだ
最近一定の場所で取れる鉱石を魔石とを砕いて混ぜることで肥料になるとかならないとかの研究がされてるらしい
土属性の魔法使いが要らなくなる時代が!とか密かに囁かれてるけど多分まだ先のことだろうね
さすがに窒素肥料やら窒素固定やらを見つけるにはあまりにも科学力が足りないと同時に魔法の賄える範囲がでかすぎる
そんなことを討伐ギルドの酒場で周りの声に耳を立てながらオレンジのような果物を齧っていた
見た目オレンジなのになんで中身だけ緑色なんだ?
色的に遠慮したいところだがこれが中々に美味い
問題は果汁が毒々しい…
いや、あれだ
現代の着色料みたいな緑色なことだけだ
あー、宿探さなくちゃ……
もうすぐ冬だしせっかく買ったけどほぼ使ってない持ち家に置くインテリアみたいなのも欲しい……
あと薪……はペラルゴンで買えばいいから調理器具かな………
料理するなら小麦や塩も買い込まなきゃ…
ベッドとかの家具は向こうで買えばいい………
でも凝った椅子とかはこの世界で見たこと無い、ロッキングチェアとか
うーん……作るか
前世の高校で工芸やってたし
それなら質のいい木材を1枚買いしてノコギリや鑿、鉋なんかも探さなきゃね
あるなら砥石も
製図のために羊皮紙じゃなくてしっかりした紙も必要だ
木の導管を塞ぐ粉とか仕上げ用の油も買わなきゃ
あぁ、なんか凄い生きてるって感じがする
でも1人は寂しいだろうな……
人は孤独で弱り死んでいく生き物
ご近所付き合いなんて上層では難しいだろうし
そもそも基本音も立てない上にほぼ僕は外出してる身
空き家だと思われてそう
ギルドでの知り合いを呼ぶにはリスクが高すぎる
そもそも高ランク冒険者ってだけで宿に夜這いされるような世界なんだ
パーティならまだしも個人で、しかもペラルゴンの上層に家持ってるなんて知られたらどんなことになるか分かったもんじゃない
ま、いい暮らしをするために人を殺してる身だ
正直そんな心配するほど繊細な心は残ってない
バレたらバレたで何とかなる、何とかする
でも呼べるとしたら暗殺ギルドの面々かぁ……
いいんだけど一人一人の癖がありすぎる
そこまで関わりある訳じゃない
毒の勉強させてもらったり世間話、国ごとの情勢を話したり体術を教わる程度……
僕自身パワーはあるけど体重が無いから取っ組み合いでは工夫が必要なんです
ていうか結構関わってるやんけ
ま、このことはおいおい考えるとしますか
そんなこんなで自分の世界に浸っていた最中、なんとも気持ちの悪い感覚が僕の肌を刺す
そしてまるで腐った肉のような、死人の吐息のような異臭が鼻を突く
しかし僕の周りの人間は気にする素振りすら見せない
このロマインという国、実は聖国ジャンヌ・ダルクの末寺的なものの中で最高位に値すると言われている『祈りの丘』という施設がある
表向きは聖ジャンヌ・ダルクを信じる人達が訪れる巡礼地
神官騎士やシスターの修行の場だったり各地から集められた孤児を使って冒険者の真似事をしたりと多岐にわたる
しかもここの孤児達は皆身体能力が非常に高く魔法使いの素質を持つものが多い、とのことだ
ちなみに信心深く若い女性神官騎士達が修行という名目で高位の神官の性的な餌食になってるっぽいけど別に僕には関係ない
どこの世界にも処女厨はいるんだなぁ…って思うくらいかな
『祈りの丘』のトップの神官騎士(♂)が常軌を逸した処女厨らしい
やり口が魔物との戦いで疲弊した彼女たちを夜のテントで犯す
しかも彼女らは支給されてる魔道具で身体能力を上げて戦っているため生身の状態では鍛えてる大人の男性にはとてもじゃないが敵わない
宗教的に堕胎も認めてるから文字通りヤリたい放題って訳
領主やら他のお偉いさんも参加してるから情報も漏れないしね
寄り道しちゃったけど僕の目的はここにいる魔法を扱う孤児達だ
この世界、魔法使いは本当に少ない
自ら魔力を作り、貯め、使用する
それをなす為には見合った身体でなくてはならない
血筋も少しは関係しているが魔法使いが産まれる条件は今も分からない、とされている
そんな中で魔法使いのガキが1箇所に集まるような事が有り得ますか、と
だってここはロマインという国だ
魔法使いの孤児がいたらすぐさま国側が持ってくだろうに
でも国側はどんなに頑張っても教会のように沢山の魔法使いの卵を孤児から見つけるなんてことは出来ていない
そうなったら考えられる選択肢なんて一つでしょうよ
彼らは魔法使いを後天的に生み出してる
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