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王都編
第10話 手抜きはいけません
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何が敬意を表すだ
最初から自分の出来うる限りを尽くしていないのに敬意もクソもあるか
などと自分の驕りに対する反省をしながら止まった時の中で男の元へ歩き出す
今になってこの空間では魔力が存在しないため首を切るためのものを作り出せないことに気づく
あとついでに魔法で服作ったのでほぼ全裸だ
わーさむーい
「しゃーないかあ」
そして身体能力にものを言わせて男の首を折った
ボギッ!
と鈍く何かが捻り折れる音がした
そうして魔法を解除した途端男は前に倒れ込んだ
「はい、終わったよ」
と後ろの三人に向けて言ったがまだ怯えの表情はとれない
「ねぇ、そんな怯えないでよ
僕が悪者みたいじゃん」
と軽い感じで言うと少しだけ表情が和らいだ
「あ、そうだ」
おもむろに自分の指を切り血を滴らせる
「ひぇっ」
という声が後ろから聞こえた気がしたが気にしない
「Xbieki tas-sema」
今回は球体だが楕円球上に血を配置していく
単純にお仕事中の公爵当主様を範囲内に入れるためである
一度見た人間なら感知など容易い
やはり城の中の一番豪華絢爛な部屋にいるようだ
隣の部屋にはベットに拘束器具やその他もろもろ様々な玩具が置いてある
ここで色々楽しんでいたのか……
「せめてもの弔いってやつかな
Xokk bolt」
そう唱えた瞬間城から轟音が響いた
もちろん隣の寝室も燃やしておいたよ
「これで一件落着だね」
と三人に振り向くが一向に顔は晴れない
まぁ目の前で急に人が死んだのだ
騒ぎになる前に街へおりるとしよう
「なぁ」
と明るい茶髪のルトが話しかけてきた
「なに?」
「なんでお前そんな簡単に人殺せるの?」
「うーん、なんでって言われてもねぇ
……
そうしなきゃ死ぬから、かなー
あとは最近は心配してくれる人がいるから」
「そう…か……
助けてくれてありがとう」
「うん!どういたしまして
ところで君たちここの街知ってる?」
「ん?あぁ、ここには買い出しに来たり村の農作物や工芸品を売りに来るんだ
だから少しは分かるぞ」
「そりゃよかった
色々と買わなきゃいけないしね」
「え?」
と困惑する表情を無視しこの街の討伐ギルドへと向かい、冒険者カードを提示してお金を下ろす
元々王宮に入ってからは衣食住が提供されていたため口座なんて確認しなかったが改めて見てみてると結構な額がたまっていた
まだこの世界の物価ちゃんと分かってないけどそれはおいおい知っていけばいいか
金貨1枚を小金貨5枚と銀貨40枚、小銀貨9枚と銅貨10枚で下ろしてもらう
感覚的には金貨1枚1万円くらいのイメージだ
入れるものが無かったので巾着袋を小銀貨1枚で買う
三人の元に戻りそれからは案内されながら買い物三昧だった
三人にお金を渡して好きな物食べさせたり、適当に中古の服屋で僕くらいの年齢の子が着るちょっと小綺麗なものをいくつか選んで貰った
「シズキくんってもしかして貴族?」
とナギ、青灰色の髪の子が尋ねてきた?
「そんなわけないじゃん
というかなんで?」
「ちゃんとしたもの着ると凄い綺麗だから」
「今は結構いいとこで働けてるけど全然大層な生まれじゃないよ
ただの魔法が使えるってだけの孤児だよ
それよりその残りのお金で帰れる?
あー、あと返そうなんて考えなくていいからね?」
さっきからずっとルトが謝り続けてるのでそろそろうんざりなのだ
「うん、三人なら大丈夫だと思う」
「なら良かった
あとずっと申し訳なさそうにしてるこのルトくんをどうにかしてくれない?」
「ははっ、ルトは昔から正義感が強いからね
ルト、シズキくんがいいって言ってるんだからさ?
あやかろうよ」
「……分かった」
「そうだよー
この街を案内してくれた代金くらいに思っててよ」
「シズキくんってほんとに13なの?
時々凄い大人っぽいから」
「当たり前じゃん
ただそうならなきゃダメな状況が多かったってだけだよ
さ!行った行った!」
「うん!ありがと!」
三人は乗合馬車に乗って去っていった
さてと、今いる場所を確認するとしよっか
………
ここアージュスト王国の西部か……
王都まで結構な距離だな…
シーガーストレイフから王都までの道のりの2倍くらいない?これ?!
アージュストが東西に伸びた国だから仕方ないんだけどさ
でも公爵家がこんな王都から離れたとこにいるってどうなの?
王家の次に地位高いんじゃないの?
とりあえず帰らなきゃね……
瞬間移動系の魔法でいいかな
座標の特定は僕の部屋に大量の血があるはずだしそれで大丈夫でしょ
瞬間移動ってだけじゃ面白くないからちょっと趣向を凝らしてみよう
夢想するは……
そうだな、認識した場所に存在する自分
瞬間移動なんて次元じゃなく、僕が認識すればどこにでも存在できる
「Prova tal-eżistenza」
こんな感じかな?
つまり僕はどこにでもいてどこにもいないってことだ
シュレディンガーの猫みたいな感じ
観測者は僕
僕がそこにいると認識すればそこにいて認識できなければどこにもいない
さ、座標の確認は十分だ
Prova tal-eżistenza
最初から自分の出来うる限りを尽くしていないのに敬意もクソもあるか
などと自分の驕りに対する反省をしながら止まった時の中で男の元へ歩き出す
今になってこの空間では魔力が存在しないため首を切るためのものを作り出せないことに気づく
あとついでに魔法で服作ったのでほぼ全裸だ
わーさむーい
「しゃーないかあ」
そして身体能力にものを言わせて男の首を折った
ボギッ!
と鈍く何かが捻り折れる音がした
そうして魔法を解除した途端男は前に倒れ込んだ
「はい、終わったよ」
と後ろの三人に向けて言ったがまだ怯えの表情はとれない
「ねぇ、そんな怯えないでよ
僕が悪者みたいじゃん」
と軽い感じで言うと少しだけ表情が和らいだ
「あ、そうだ」
おもむろに自分の指を切り血を滴らせる
「ひぇっ」
という声が後ろから聞こえた気がしたが気にしない
「Xbieki tas-sema」
今回は球体だが楕円球上に血を配置していく
単純にお仕事中の公爵当主様を範囲内に入れるためである
一度見た人間なら感知など容易い
やはり城の中の一番豪華絢爛な部屋にいるようだ
隣の部屋にはベットに拘束器具やその他もろもろ様々な玩具が置いてある
ここで色々楽しんでいたのか……
「せめてもの弔いってやつかな
Xokk bolt」
そう唱えた瞬間城から轟音が響いた
もちろん隣の寝室も燃やしておいたよ
「これで一件落着だね」
と三人に振り向くが一向に顔は晴れない
まぁ目の前で急に人が死んだのだ
騒ぎになる前に街へおりるとしよう
「なぁ」
と明るい茶髪のルトが話しかけてきた
「なに?」
「なんでお前そんな簡単に人殺せるの?」
「うーん、なんでって言われてもねぇ
……
そうしなきゃ死ぬから、かなー
あとは最近は心配してくれる人がいるから」
「そう…か……
助けてくれてありがとう」
「うん!どういたしまして
ところで君たちここの街知ってる?」
「ん?あぁ、ここには買い出しに来たり村の農作物や工芸品を売りに来るんだ
だから少しは分かるぞ」
「そりゃよかった
色々と買わなきゃいけないしね」
「え?」
と困惑する表情を無視しこの街の討伐ギルドへと向かい、冒険者カードを提示してお金を下ろす
元々王宮に入ってからは衣食住が提供されていたため口座なんて確認しなかったが改めて見てみてると結構な額がたまっていた
まだこの世界の物価ちゃんと分かってないけどそれはおいおい知っていけばいいか
金貨1枚を小金貨5枚と銀貨40枚、小銀貨9枚と銅貨10枚で下ろしてもらう
感覚的には金貨1枚1万円くらいのイメージだ
入れるものが無かったので巾着袋を小銀貨1枚で買う
三人の元に戻りそれからは案内されながら買い物三昧だった
三人にお金を渡して好きな物食べさせたり、適当に中古の服屋で僕くらいの年齢の子が着るちょっと小綺麗なものをいくつか選んで貰った
「シズキくんってもしかして貴族?」
とナギ、青灰色の髪の子が尋ねてきた?
「そんなわけないじゃん
というかなんで?」
「ちゃんとしたもの着ると凄い綺麗だから」
「今は結構いいとこで働けてるけど全然大層な生まれじゃないよ
ただの魔法が使えるってだけの孤児だよ
それよりその残りのお金で帰れる?
あー、あと返そうなんて考えなくていいからね?」
さっきからずっとルトが謝り続けてるのでそろそろうんざりなのだ
「うん、三人なら大丈夫だと思う」
「なら良かった
あとずっと申し訳なさそうにしてるこのルトくんをどうにかしてくれない?」
「ははっ、ルトは昔から正義感が強いからね
ルト、シズキくんがいいって言ってるんだからさ?
あやかろうよ」
「……分かった」
「そうだよー
この街を案内してくれた代金くらいに思っててよ」
「シズキくんってほんとに13なの?
時々凄い大人っぽいから」
「当たり前じゃん
ただそうならなきゃダメな状況が多かったってだけだよ
さ!行った行った!」
「うん!ありがと!」
三人は乗合馬車に乗って去っていった
さてと、今いる場所を確認するとしよっか
………
ここアージュスト王国の西部か……
王都まで結構な距離だな…
シーガーストレイフから王都までの道のりの2倍くらいない?これ?!
アージュストが東西に伸びた国だから仕方ないんだけどさ
でも公爵家がこんな王都から離れたとこにいるってどうなの?
王家の次に地位高いんじゃないの?
とりあえず帰らなきゃね……
瞬間移動系の魔法でいいかな
座標の特定は僕の部屋に大量の血があるはずだしそれで大丈夫でしょ
瞬間移動ってだけじゃ面白くないからちょっと趣向を凝らしてみよう
夢想するは……
そうだな、認識した場所に存在する自分
瞬間移動なんて次元じゃなく、僕が認識すればどこにでも存在できる
「Prova tal-eżistenza」
こんな感じかな?
つまり僕はどこにでもいてどこにもいないってことだ
シュレディンガーの猫みたいな感じ
観測者は僕
僕がそこにいると認識すればそこにいて認識できなければどこにもいない
さ、座標の確認は十分だ
Prova tal-eżistenza
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