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王都編

第2話 学生とは?

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「は?学生?
どういうことですか?」

「来年度王都の学園にこの国の第三王子が入るんだよ
それとつい先日南部のタリスって街のローゼンタール家当主が殺害されてな、ローゼンタール家は第三王子の派閥の筆頭候補だったんだ」

「あ、それやったの僕ですね
あとそこの暗殺ギルドを壊滅させたのも僕です」

「…………
ギルドマスターのローレンは元々王宮直属の暗殺者で重力付与のスキルを持つ魔法使いだったんだが……
ならローゼンタール家の噂は本当だったということか」

「だから色んなところから暗器飛んで来たんですね
びっくりしましたよあれ
部屋入った瞬間横から襲いかかってきたのに同時に色んな方向から飛んでくるんですから!
全部凍らせましたけど
そうですね、とても憐れな人でしたよ

あ、ギルドマスターの首の氷漬け持ってるので見ます?」

「まぁ、その、なんだ
後で討伐ギルドに持っていくといい
報奨金が貰えるぜ
それより今の状況についてだ
そういや自己紹介してなかったな
俺はパリッシュ、パッシュって呼ばれることが多いな」

パッシュが言うには王家は高確率で魔法使いとして生まれ、第一王子も魔法使いとして生まれたが、如何せん喧嘩早いところがあり、王としての器が疑問視されているそうだ
むしろ愚王をたてて裏から操りたい貴族たちが第一王子を推しているとのことだ
第二王子は魔法使いとして生まれなかったため継承権なし
第一王女は魔法使いではあるが他国に嫁ぐことが決まっている
そして第三王子だ
齢11にして非常に聡明との噂で、第一王子派からすれば邪魔なことこの上ないらしい
12歳から学園に通うそうだが王城でも暗殺未遂があるほどだ
そこにきてローゼンタール家の失脚
それに元々あった黒い噂
そこでここに護衛の依頼が来たということだ

「あれ、これって僕のせいだったりします?」

「間接的にはそうだな
俺たちの組織の中に12歳に近いやつはいねえからな
1人15歳の女がいるんだがそいつに男装させるか、変身のスキルを持つやつに任せるか苦悩してたんだがお前なら大丈夫だろ」

「え、というかそんな簡単に僕のこと信用しちゃうんですか?」

「シルビアが大丈夫って言ったんなら大丈夫だ
あいつは人の深層心理まで覗けるからな
ついでに言うと俺も同じようなことができる
俺には目の前のやつの人となりが色として現れる」

「ちなみに僕の色は」

「淡い水色だ」

「ちなみに意味は?」

「怠惰、しかもお前かなりの面倒くさがりだろ
人に言われたことはちゃんとやるが自分から行動するのは億劫
正直変にやる気のあるやつよりそういう奴の方が何倍も信用できる
そういう奴は上にいきたいって欲が無いからな」

「そういうことですか
ちなみにかなり当たってますね
僕は上に立てる人の気がしれないって思う人間なんで
ま、お金もらえるならちゃんとやりますよ
ところで僕はその第三王子を学園に通いながら守れってことですか?」

「給料は要相談な
そういうことだ
王子の傍に魔法使いがいるってだけでも相当な牽制になるんだ
しかも魔法使いの中でもかなり希少なオッドアイの
学園には貴族枠が大半で平民枠と使用人枠、魔法使いの枠がある
魔法使いの枠に入れてもいいんだが、お前には第三王子の使用人として入学してもらう
入学試験はこっちで免除されるが入学後、俺たちは関与できねぇから留年しない程度に一般教養を叩き込む
あと礼儀作法な
来年の入学まであと半年で全部叩き込むから覚悟しとけよ
あと普通に仕事もある程度回すからな」

「分かりました、寝起きはどこですればいいですか?」

「学園入ったら寮生活だからそれに慣れるためにうちの宿舎使え
基本飯は自分の給料で作るか買えよ
学園にいる間はこの依頼の給料が入るから金欠ってことにはならねぇだろ
とりあえず自分のことは自分でやれってことだ」

「わかりました」

こうして久しぶりのお勉強が始まったのである

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