上 下
14 / 190
第1章 ポーター編

014.西風旅団の実力鑑定

しおりを挟む
 ※


 今日、西風旅団+ゼンは、迷宮(ダンジョン)のロックゲート岩の門ではなく、ギルドの訓練施設に来ていた。

 西風旅団の実力を見てもらい、迷宮(ダンジョン)のボスに挑めるかどうかの判定をしてもらう為に、前もってギルドに予約を頼んでおいたのだ。

 本部の隣にある、魔物の解体倉庫の更に向こう、闘技場程ではないが、広い円形状の施設。

 闘技場と違うのは、しっかり屋根がある事ぐらいか。

 入ってみると、結構な冒険者でにぎわっている。

「あれ、なんか随分な人がいるな……」

「普通の昼間なんて、冒険者は皆、外で討伐任務か、迷宮(ダンジョン)に潜っているとばかり思ってたな」

 前に訓練に来た時は、実際そうだったのだ。

 旅団メンバーとゼンは、不思議がりながら、ギルドのカウンターで職員に指定された場所に行く。

 そこには、壮年の、意外と若い青年が、使い込まれた皮鎧を着て待っていた。

「俺が、今日お前らに頼まれた、実力判定をするレオだ。

 元B級の冒険者で、冒険者のランクアップ試験の判定もしてるから、その内また会うかもな」

 爽やかな、裏表のない笑顔。

 どうも、気持ちのいい青年の様だ。

「今日は、よろしくお願いします。西風旅団です」

 リーダーであるリュウエンが、代表して挨拶をする。

 皆も、後ろで頭を下げる。

 一人一人の名前の紹介が終わると、早速始まる。

 レオは練習用の、木で出来た木剣を持ってきて、手渡してくれた。

 バスターソード風の大型の物と、ラルクス用であろう短剣風の木剣二本。

「それには、重量調節の魔術がかけられている、

 一応魔具の一種だな。自分の武器と、同じぐらいに調節してくれ。

 やり方は、その魔術師のお嬢ちゃんに聞いてくれ。多分その方が分かりやすい」

「すみません、私、戦棍(メイス)も使えるんですが……」

 アリシアが、遠慮深く、オズオズと手をあげて言った。

「ん、おお、確かに。すぐ用意するからな」

 メンバーの情報が書かれた資料を見て、レオは頷くと、軽快な動きで、控室らしき場所へと走って行った。

「流石、元B級、って感じな動きだが、なんで引退したのかな。

 怪我とかなさそうだし、引退には早すぎる年齢なんだがな」

 リュウエンは、サリサリサに重量調整を手伝ってもらいながら言う。

「人それぞれでしょ。はい、終わり。ラルクは?」

「ああ、大丈夫だ。今の見てて、やり方は分かった」

 ラルクスは、器用に2本の木剣の調整を終えた。
 
 そこに、レオがメイスっぽい木製の戦棍(メイス)を持って来た。

 お礼を言って受け取ったアリシアは、すぐ調整終え、準備完了だ。

「じゃあ、見てみようか。

 俺は、それなりに力を加減するが、君らは全力で打ち込んでくれ。

 後、君らに割り当てられたのはここ、この四角のラインで区切られた場所だから、そこからは出ないでくれ。

 見学するそのポーター君も、端の方にいてくれ。見学者はこれを持って」

 レオは、ゼンに護符らしき物を渡した。

「ライン上には、魔術の防御壁が張ってある。

 君らの魔術や攻撃が、外に出る事はない。

 ここから魔力が供給されて、ポーター君の身も守ってくれる。

 気が散らない様に、不透明にするか?」

「そんな事、出来るんですか?」

「それなりに、金のかかった施設だからな。ほら」

 レオが手元で何かを操作すると、ライン上に、白い壁が現れた様に見え、他の冒険者達の区画は、それで見えなくなった。

 妙に広い、四角い部屋の中にいるような感じだ。

「他の冒険者の情報を、盗もうとする奴もいるからな。

 見えてた所は、自信があるか、偽情報掴ませようとしているか、だな。今の時期じゃ仕方ない」

 言っている事が、意味不明だ。

「あの、そういえば気になってたんですが、今日って、なんでこんなに人がいるんですか?」

 レオは、一瞬キョトンとして首をかしげ、説明する。

「そりゃ、闘技会が近いからな。

 大会出場者は、そろそろ調整して、仕上げに入るだろう。

 君らは出ないのか?」

「ああ、そうだった!闘技会あったんだ。

 あー、俺ら、フェルズに来て日が浅いし、G級上がったばっかなんで、出るつもりはないんですよ」

 疑問の解けたリュウエンは、気分すっきりで、心おきなく実力を出せそうだ。

「そうか。ランク別、職業別なんてのもあるから、遠慮はしないで出てみるのも、フェルズの冒険者を知る、いい機会になると思うぞ」

 木剣で素振りし、調子を見たレオは軽く言う。

 冒険者の中で、浮いた感のある旅団メンバーは、乾いた笑顔で、ソウデスネと言うのであった。


 ※


「じゃあ始めるか。最初は個別に、次に連携を見る。

 連携は補助を使った場合、使わなかった場合とか、色々見よう。

 俺にはもう、魔術防壁を、ここの専属術師がかけてくれてるから、攻撃魔術を使用しても大丈夫だ。

 その防御壁で、魔術の威力を見る魔術様式になっているから、全力で来い。

 と、言っても、ペース配分もあるだろうから、全力攻撃術は個別の時で、連携の時はそちらの判断に任せるよ。

 物理攻撃は、俺の腕次第になるが、健闘してくれ。

 この木剣では、当たってもそう怪我はしない。威力は、後で防壁の数値で見れるからな」

 レオの説明が終わり、最初は個別判定。

 リーダーのリュウエンからだ。

 リュウエンは、バスターソード風木剣を構え、全力で剣を打ち込んでいった……。

 (中略)

「ふむ。剣士とスカウトの打撃は、フムフムかなり、いいな。

 予想外だよ。じゃあ次は魔術な」

 荒い息を吐き、膝を地について、疲れ切った二人に対し、流石は元B級。

 二人続けた、模擬試合形式な実力判定をしても、息一つ乱していない。

「次は魔術か。

 種類とか、あり過ぎると、全部見るのがに時間かかるんで、得意なのを2、3種に絞って、それを俺に、ボス敵だと思って全力で。

 いいかな?」

「はい!」

 サリサリサの瞳が、ランランと輝いている。妙に意気込みが凄い。

「あ、すまんが、杖はこれ使ってくれマナ消費が半分以下に抑えられる杖だ。

 威力補正はないから、純粋な術の威力が見れる」

 レオは前もって用意してあったであろう杖を持って来る。

 慣れない杖だが、魔術の純粋な強度(威力)を見るの為だ。

「炎と氷と、後、雷を使います」

「おお、三種の属性が使えるのか。凄いな」

 サリサリサは、全属性使えるのだが、今はいちいちそんな、自慢めいた話を、口にしたりはしない。

「いきます。………」

 小さく呪文詠唱をし、精神を集中させて、魔術様式を組み立てる。

「『地獄の業火ヘル・ファイヤ!』」

 小さな種火の様な光が、レオへと高速で飛んで行く。

 彼にそれが当たった、その瞬間、レオの全身全てが炎に包まれた、かに見えた。

 炎は、少し時間をおいておさまる。

 そこには、防御壁で無事なのだが、サリサリサの魔術の余りの凄さに、目を丸くしているレオがいた。

「ちょっと待てよ……。

 今の魔術って、上位魔術なんじゃ?

 魔力強度は……C級に届きそうだな……」

「サリー、すごーい!

 だって彼女は、王都の魔術学校主席卒業者ですよ。

 しかも飛び級の!」

 親友を、自慢したくて仕方ないアリシアが、脇から口を出す。

「な、なるほど………」

「次は普通に、アイス・ランスと雷帝撃を行きますので………」



 判定が終わって、茫然とするレオ。

 氷の槍アイス・ランスは、中級魔術だが、その大きさが尋常でなかった。

 普通に人間大の氷の槍が、高速で飛来するのだ。

 元B級でも、怖いものは怖い。

 雷帝撃というのは、彼女のオリジナルスペルらしかった(少なくともレオは知らない)。

 敵(レオ)の周囲を、3つの金属球が現れたと思ったら、周囲を回り始め、敵役であるレオに極太の雷をあびせながら、延々と回り続けるのだ。

 恐らくそれを止めるには、金属球を破壊するか、術者を倒すか、しかないのだろう。

 だが金属球は、一定の、決まった距離を取るように、設定されているらしく、近づくと遠ざかるのだ。

 槍を投擲するか、弓矢や投げナイフ、後はは魔術など、中距離的な攻撃で破壊するしかない。

 ギルドの専属術者は、防御術特化で、それのみならA級と言える術者だ。

 だから防御壁がもつが、C、やBの術者の防御壁だったら、危なかったのでは?

 冷や汗が止まらないレオだ。

「君、なんでG級なの?」

「仲間と同じじゃないと、意味ないじゃないですか」

 流石に、大魔術の3連発で、ふらつくサリサリサは言って、

「この杖いいですね。上位魔術とか燃費悪いから、欲しいです。

 売ってもらえませんか?」

「いやいや、ギルドの備品だし、同性能のがあっても凄い高いぞ」

 ガッカリと落胆するサリサリサの次は、アリシアだ。

「えーと、君は神術士だが、攻撃系の術は覚えているのかい?」

 アリシアは、サリサリサから交代で杖を渡してもらう。

「光系と、後、死霊系の浄化術ですね」

「ふむ。浄化は、通常人や生物には無害判定だからな、脅威度判定がつかないから、光だけでいい。

 一つだけだし、集中して全力で………」

 と言いつつ、嫌な予感のするレオだった。

「は~~い。じゃあ行きます。………聖なる威光ホーリー・ライト

 光の柱が、レオの頭上から降臨し、炸裂した。

(こ、これ、光系の最上級攻撃術じゃ?防御壁がギシギシいってるぞ……)

 しばらくそれは続いた………。

「よ、よかった。防御壁、壊れんかった………(汗)。

 魔術強度は、こちらは完全C級超え………、B級に届きかねない威力だ………」

(新人(ルーキー)のこの歳で、中堅ランクに匹敵する術の使用者って、どれ程将来有望なんだよ………)

「いやあ、うちの女性陣は、どこかおかしい。いつもおかしい………」

 悟りきった表情の、リュウエンとラルクスは、乾いた笑みを浮かべるのみだった………。

 ちなみに、女性陣の派手な術は、ゼンに大うけだった。

「あ、すみません。私の戦棍(メイス)……」

「あ、そうだったそうだった」

 何故か、忘れられがちな戦棍(メイス)。

 アリシアが、おっとり木製の戦棍(メイス)を構えると、普段のおっとりさが嘘のように、キビキビして動作が早くなり、戦棍(メイス)で突く殴る突く殴る。

 妙な迫力がある。

「……おお、よかった。戦棍(メイス)さばきは、普通に……G級じゃないね……」

 彼女は、補助や治療をメインにしているが、実は武器戦闘の成績も、かなり優秀だった。

 そこらの雑魚魔物なら、軽く撲殺だろう。

(こんな有能人材を、教会が手放すだろうか?)

「君、教会から何か言われなかった?」

「ん~~~。冒険者が飽きたら、教会に戻ってきなさいって。

 飽きるわけないのに、おかしいですよね~~」

 屈託のない笑顔を浮かべるアリシア。

 実際、教会から残ってくれと、強く懇願されたのだが、一顧だにしなかった。

 彼女は、リュウエンの相棒(パートナー)になる為に、神術を習いに行っただけだったのだから。

 深い溜息をつくレオ。

「この鑑定、続ける必要あるのかなぁ………。いや、あるか。

 術系だけ突出しても、駄目な時はあるのだ」

 後ろ向いていたレオは、一人小さくつぶやくと、旅団メンバーに向き直る。

「一応言っておくが、剣士、スカウトの君らも、すでにG級の腕じゃないよ。

 迷宮(ダンジョン)で何か開眼したのかな。

 今すぐF級に推薦してもいいぐらいだが、せっかくだし、迷宮(ダンジョン)制覇してからがいいのか」

 単なる実力鑑定が、昇級確実のお墨付きが出てしまった。

「休憩をはさんで、マナポーション飲んだりして、疲れを取ってくれ。

 それから連携みるからな………」

 レオは控室に戻って行った。

 こちらは、この場で休憩のようだ………。

(小略)

「さあ、連携を見るぞ。

 魔術師の君は、当然分かってると思うが、威力の強い魔術は、味方を巻き込む恐れが、非常に大きい。

 それらを(くれぐれも)踏まえてやってくれ。(懇願)

 あ、ちょっと待った……」

 レオは、控室に行って、魔術障壁を貼りなおしてもらった(とても大事)。ついでに重ねがけも。

「よし、やるか………」


(大略)


「お疲れさん。どうだ、そっちとしては?」

 全ての鑑定が終了し、さすがに、元B級のレオも、多少の疲れが見える。

「ボス敵が、B級冒険者クラスなら、勝てそうにないかな、と……」

 こちらは、疲労困憊な旅団メンバーが、その場で大の字に寝転がってダウンだ。

 ゼンが、用意して持って来た水筒を、各自に渡してまわる。

 気が利く子だ。

「今のクラスで、そんな事されたら、こちらが困る」

 と、言いながらも、遠距離から攻撃魔術だけに絞れば、倒されそうな気がする……。

「連携も悪くない。いや、かなり良かった。

 ただ、前衛に剣士一人で、スカウトがサポートしてるのは、上手く機能しているようだが、多少薄く感じた。

 前衛増やした方が、いいんじゃないか?」

「前は、募集かけても、ロクなの来なくて……。

 でも、今は優秀な候補者がいるんで、その子が育つのを待つ、というか、俺達が鍛えるんです」

 リュウエンは話しながら、水筒を運んでいるゼンに目をやる。

「ほう……」

 色々事情がありそうだが、深く突っ込むべき話ではないだろう。

 次に、サリサリサの所に行く。

「なるほど、パーティー戦闘では、魔術は低位で小刻みに敵を削るか、中位の範囲魔術で集団に一撃入れる感じか。(良かった、常識的だ)」

「私、高位の魔術使えても、魔力容量が多い訳じゃないんです。

 だから、迷宮(ダンジョン)だとどれだけ撃てるか、継続戦闘を考えないと、すぐ魔力なくなりますから……」

「そこが今後の課題か。

 魔力容量を増やすには、なるべく限界近くまで使う方がいい。

 探索の最後に、入り口近くで大魔術を使うとかして、危険の少ない方法で鍛えるといいな」

 サリサリサは、成程、いい事聞いた、と今後の参考にすることにした。

「逆に、神術士の君は容量あるのに、攻撃の光以外は皆低位なのか。治癒術も補助も」

「その、早く教会出て、冒険に出たかったので、必要最小限な術だけを習って。

 光だけはとっておきを、一つだけでもあった方がいいと、先生だった大神官様に言われまして~」

 とっておきが最上級で、下位、中位、上位が置き去りとは……。

(つまり、覚える時間があれば、習得出来た、と。

 どちらにしろ、女性陣は規格外だな。

 決して、前衛系の男性陣が弱い訳ではないのだが……)

 この差がいつか、致命的なチームの亀裂にならなければいいが、とレオは、漠然とした不安を、覚えるのだった……。


*******
オマケ
一言コメント

ゼ「凄い!みんな凄いと思ってたけど、サリサとアリシア凄すぎる!」
サ「そうでしょ、そうでしょ!」
ア「ふふ~~~ん」
 この為に張り切って、派手めな呪文使った二人

残り、無言w
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。 だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。 十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。 ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。 元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。 そして更に二年、とうとうその日が来た…… 

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

婚約者は、今月もお茶会に来ないらしい。

白雪なこ
恋愛
婚約時に両家で決めた、毎月1回の婚約者同士の交流を深める為のお茶会。だけど、私の婚約者は「彼が認めるお茶会日和」にしかやってこない。そして、数ヶ月に一度、参加したかと思えば、無言。短時間で帰り、手紙を置いていく。そんな彼を……許せる?  *6/21続編公開。「幼馴染の王女殿下は私の元婚約者に激おこだったらしい。次期女王を舐めんなよ!ですって。」 *外部サイトにも掲載しています。(1日だけですが総合日間1位)

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

妹に陥れられ処刑決定したのでブチギレることにします

リオール
恋愛
実の妹を殺そうとした罪で、私は処刑されることとなった。 違うと言っても、事実無根だとどれだけ訴えても。 真実を調べることもなく、私の処刑は決定となったのだ。 ──あ、そう?じゃあもう我慢しなくていいですね。 大人しくしてたら随分なめられた事態になってしまったようで。 いいでしょう、それではご期待通りに悪女となってみせますよ! 淑女の時間は終わりました。 これからは──ブチギレタイムと致します!! ====== 筆者定番の勢いだけで書いた小説。 主人公は大人しく、悲劇のヒロイン…ではありません。 処刑されたら時間が戻ってやり直し…なんて手間もかけません。とっととやっちゃいます。 矛盾点とか指摘したら負けです(?) 何でもオッケーな心の広い方向けです。

処理中です...