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第6章
フラグって言うんだよね、知ってる。
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3人で治療院の外へ出る。ヴェントゥスさんは仕事が忙しいそうなので、見送りは大丈夫だと伝えておいた。
「ではマリーナ様、また後で」
「はい。レジーナさんもサーニャさんとなら緊張しなくていいでしょうし」
そう言うとレジーナさんが驚いたような表情を浮かべる。
「…気付いて、いたんですか」
「まぁ、そうですね」
レジーナさんは私に対して畏敬の念というか……そういった感情を持っているようで、ずっと緊張しっぱなしだったのだ。
かと言ってサーニャさんにその感情を抱いていないかと言われれば違うのだけれど、私と比べれれば少しなので、そこまで緊張はしないだろう。
「では」
「はい。レジーナさん、行きましょうか」
「は、はい」
……大丈夫だろう。うん。
レジーナさんを見送り、私は逆方向へと歩き始める。目的地は2つほどあるが、近くから向かうことにする。
市場を歩きながら珍しいものとか、不足気味なものを買いつつ進んでいく。そして、1軒の店の前で立ち止まった。
看板に書かれていたのは『裁縫屋』の文字。
「すいませーん」
店に入りつつ声をかける。すると奥の方からパタパタとこちらへ近づく足音が聞こえた。
「いらっしゃいませ。……おや、お使いかい?」
開口一番にそれですか……まぁいいんだけど。
奥から現れたのは、少しお年を召した綺麗な女性だった。けれど化粧が濃いとかそういうことはなく、雰囲気も落ち着いていて私が好きなタイプの人だ。
「実は作って欲しいものがあるんです」
そう言いつつ、わたしはプレナを影から呼び出した。
「この子を入れられる位のポーチを作って欲しいんです」
《主様?》
「従魔かい? お易い御用だよ。じゃあちょっと採寸させてね」
ひょいっとプレナを持ち上げ、近くのテーブルに。そこでメジャーなどを使ってプレナの体を事細かに調べていく。
「いきなりでごめんね」
《いや、主様の頼みなら別にいいんだけど……なんで?》
「やっぱり一緒にいたいからね」
肩に乗せても負担ではないのだけれど…落としそうで心配なんだよ。私の体小さいし。
……別にポーチくらいなら作れなくはないんだけどね。でもハク曰く、
『マリーナ様が作れば神話級の物が出来てしまいます』
とのこと。なので依頼しにきた。
「……よし、終わったよ。少し広めの方がいいかい?」
「はい。この子がゆったり過ごせるくらいがいいです」
「それだとまぁまぁ大きくなってしまうけど……大丈夫かい?」
「問題ないです」
「分かった。じゃあ1時間ほどしたら取りに来ておくれ。代金はその時でいいよ」
「分かりました。じゃあまた後で。行くよ、プレナ」
《はーい》
プレナを肩に乗せて、店を後にする。ポーチを作るにしては結構時間がかかり過ぎかもしれないけれど、多分凝り性なんだろう。お金は怖いくらいあるので、寧ろもっとやっといて貰いたい。
裁縫屋さんと服屋さんは別。裁縫屋さんはさっきみたいな依頼を請け負ってくれるけど、服屋さんは服しかだめなんだよね。
《次はどこ行くの?》
「うーんと、ちょっと待ってね」
無限収納庫からお目当ての物を……あ、あった。
《何それ》
「前おじいさんから貰った地図だよ」
貰ったはいいけど1回も使ってなかったからねぇ……流石に申し訳なさがあるというか。
とりあえず筒状になっている地図を広げてみる。すると白紙の紙だったものが、少しづつ線を描きはじめた。
「へぇ……こうなってるんだ」
神眼で見るとよく分かる。周囲の魔素を吸収し、それらに含まれる情報から地図を作成。そして最後に、店に置かれているであろう目印を示す。
この構造ならば、魔力を持たない人でも使えそうだね。
「……この道真っ直ぐ。その後3つ目の通りを左に……」
地図には自分の居場所も記してくれている為、迷うことは無い。
暫く進み、1軒の大きな商会の前で立ち止まる。どうやらここが目的地らしい。
「す、すいませーん……」
思ったより大きな商会だったので、すこし萎縮しながら足を踏み入れる。すると受付と思しき場所に座っていた女の人が、こちらへと笑顔を向けてくれた。
「いらっしゃいませ、ガラール商会へ。本日はどういった御用向きでしょうか」
見た目子供であるわたしに対しても、ちゃんと対応するところは流石だね。
「えっと、まずこれを見てくれますか?」
地図を黒い筒状に戻し、女の人に差し出す。すると女の人は驚きからか、少し目を開いた。
「これは……なるほど。ではこちらへどうぞ」
受付の人に案内されるまま進むと、ひとつの部屋に案内された。所謂応接室だろうか。
「こちらでお待ちください」
「あ、はい」
そう言って女の人は退出した。待つ、ということはこの店の最高責任者的なひとが来るのだろう。流石にあの時のおじいさんはここに居ないだろうしね…
「待たせたの」
……うん。そう言うのフラグって言うんだよね、知ってる。
「ではマリーナ様、また後で」
「はい。レジーナさんもサーニャさんとなら緊張しなくていいでしょうし」
そう言うとレジーナさんが驚いたような表情を浮かべる。
「…気付いて、いたんですか」
「まぁ、そうですね」
レジーナさんは私に対して畏敬の念というか……そういった感情を持っているようで、ずっと緊張しっぱなしだったのだ。
かと言ってサーニャさんにその感情を抱いていないかと言われれば違うのだけれど、私と比べれれば少しなので、そこまで緊張はしないだろう。
「では」
「はい。レジーナさん、行きましょうか」
「は、はい」
……大丈夫だろう。うん。
レジーナさんを見送り、私は逆方向へと歩き始める。目的地は2つほどあるが、近くから向かうことにする。
市場を歩きながら珍しいものとか、不足気味なものを買いつつ進んでいく。そして、1軒の店の前で立ち止まった。
看板に書かれていたのは『裁縫屋』の文字。
「すいませーん」
店に入りつつ声をかける。すると奥の方からパタパタとこちらへ近づく足音が聞こえた。
「いらっしゃいませ。……おや、お使いかい?」
開口一番にそれですか……まぁいいんだけど。
奥から現れたのは、少しお年を召した綺麗な女性だった。けれど化粧が濃いとかそういうことはなく、雰囲気も落ち着いていて私が好きなタイプの人だ。
「実は作って欲しいものがあるんです」
そう言いつつ、わたしはプレナを影から呼び出した。
「この子を入れられる位のポーチを作って欲しいんです」
《主様?》
「従魔かい? お易い御用だよ。じゃあちょっと採寸させてね」
ひょいっとプレナを持ち上げ、近くのテーブルに。そこでメジャーなどを使ってプレナの体を事細かに調べていく。
「いきなりでごめんね」
《いや、主様の頼みなら別にいいんだけど……なんで?》
「やっぱり一緒にいたいからね」
肩に乗せても負担ではないのだけれど…落としそうで心配なんだよ。私の体小さいし。
……別にポーチくらいなら作れなくはないんだけどね。でもハク曰く、
『マリーナ様が作れば神話級の物が出来てしまいます』
とのこと。なので依頼しにきた。
「……よし、終わったよ。少し広めの方がいいかい?」
「はい。この子がゆったり過ごせるくらいがいいです」
「それだとまぁまぁ大きくなってしまうけど……大丈夫かい?」
「問題ないです」
「分かった。じゃあ1時間ほどしたら取りに来ておくれ。代金はその時でいいよ」
「分かりました。じゃあまた後で。行くよ、プレナ」
《はーい》
プレナを肩に乗せて、店を後にする。ポーチを作るにしては結構時間がかかり過ぎかもしれないけれど、多分凝り性なんだろう。お金は怖いくらいあるので、寧ろもっとやっといて貰いたい。
裁縫屋さんと服屋さんは別。裁縫屋さんはさっきみたいな依頼を請け負ってくれるけど、服屋さんは服しかだめなんだよね。
《次はどこ行くの?》
「うーんと、ちょっと待ってね」
無限収納庫からお目当ての物を……あ、あった。
《何それ》
「前おじいさんから貰った地図だよ」
貰ったはいいけど1回も使ってなかったからねぇ……流石に申し訳なさがあるというか。
とりあえず筒状になっている地図を広げてみる。すると白紙の紙だったものが、少しづつ線を描きはじめた。
「へぇ……こうなってるんだ」
神眼で見るとよく分かる。周囲の魔素を吸収し、それらに含まれる情報から地図を作成。そして最後に、店に置かれているであろう目印を示す。
この構造ならば、魔力を持たない人でも使えそうだね。
「……この道真っ直ぐ。その後3つ目の通りを左に……」
地図には自分の居場所も記してくれている為、迷うことは無い。
暫く進み、1軒の大きな商会の前で立ち止まる。どうやらここが目的地らしい。
「す、すいませーん……」
思ったより大きな商会だったので、すこし萎縮しながら足を踏み入れる。すると受付と思しき場所に座っていた女の人が、こちらへと笑顔を向けてくれた。
「いらっしゃいませ、ガラール商会へ。本日はどういった御用向きでしょうか」
見た目子供であるわたしに対しても、ちゃんと対応するところは流石だね。
「えっと、まずこれを見てくれますか?」
地図を黒い筒状に戻し、女の人に差し出す。すると女の人は驚きからか、少し目を開いた。
「これは……なるほど。ではこちらへどうぞ」
受付の人に案内されるまま進むと、ひとつの部屋に案内された。所謂応接室だろうか。
「こちらでお待ちください」
「あ、はい」
そう言って女の人は退出した。待つ、ということはこの店の最高責任者的なひとが来るのだろう。流石にあの時のおじいさんはここに居ないだろうしね…
「待たせたの」
……うん。そう言うのフラグって言うんだよね、知ってる。
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