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第4章
護衛依頼【完】
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歩きで帰ることになったので、かなり時間がかかってしまったけど、お昼前にはガドールに到着することができた。
「ギルドカードを見せてくれ」
「おう。これだ」
門番の人にギルドカードを見せる。
「それと、盗賊を引き取って欲しいんだが」
「その馬車の中か?確認する」
門番の人が馬車の中を覗き込む。
ちなみに盗賊達は帰っている途中に意識が戻ったんだけど、ぎゃいのぎゃいのうるさかったので魔法で眠らせておいた。
「これは……ちょっと待っといてくれ。人を呼ぶ」
多いものね。
「分かった。じゃあマリーナは先に冒険者ギルドで達成報告してきてくれるか?」
私がいてもやることないしね。
「分かりました。じゃあサーニャさんも一緒に行きましょう」
「は、はい!」
私と同じくやることが無いサーニャさんと一緒に行くことにした。
入る前に水晶に触れて、青く光るのを確認してから、ガドールへと入る。
「このまま冒険者ギルドに行きますけど、大丈夫ですか?」
「はい。大丈夫です」
大丈夫そうなのでそのまま向かう。
冒険者ギルドに着くと、人はかなり少なかった。まぁこの時間帯なら大体の人が依頼に行ってるからね。
カウンターに座っている人をみる。
うーん……カリナさんがいない。まぁいっか。とりあえず真ん中のカウンターへと向かう。
「すいません」
「はい?あら、こんなところにどうしたの?」
この反応。絶対私のこと冒険者だと思ってないよね…
「依頼達成報告にきました」
「……え?依頼達成報告…?」
「はい。これ、ギルドカードです」
説明するのがめんどくさいので、さっさとギルドカードを渡す。
……届かなかったから、魔法で体を浮かしてね。
「え、はい……ってC!?」
あ、その反応されたの初めてかも。だって今までカリナさんが担当してくれてたからね。
「そうですよ。これが証明書です」
護衛依頼は討伐依頼とは違って納品するものがないので、護衛対象からサインを貰う。それが証明書だ。
「えっと……ほんとに?」
「何がです?」
「その…このギルドカード、ほんとにあなたの?」
「そうですよ。魔力流します?」
本人確認にはそれが手っ取り早い。
「……やってもらっても?」
ギルドカードを受け取り、魔力を流す。すると確かにマリーナという名前と魔法適性。クラスが表れる。
「ほんとに……ごめんなさい」
「いいですよ。それよりこれお願いします」
再度ギルドカードと証明書を渡す。
「は、はい…」
私からそれらを受け取り、まずはギルドカードを機械へとセットする。依頼内容の確認の為だね。
「護衛依頼……魔の森…」
受付の人が内容を確認するかのように、口に出していく。
「証明書は……はい。本物です」
依頼達成報告を誤魔化すことが出来ないよう、護衛依頼の場合は護衛対象のサインを予めギルドが保管している。それと照らし合わせ、本物かどうかを判断するのだ。
「確認できました。これが報酬になります」
ドサッと重そうな袋をカウンターへ置く。私はそれを無限収納庫へと収納して、正しい金額かを確かめた。
無限収納庫には金額を数えてくれる機能までついてるから楽だ。
「疑ったりしてすいませんでした……」
「大丈夫ですよ。気にしてません」
よし。金額は合ってるね。
「これがギルドカードです。それと、おめでとうございます。Bランクになりました」
あぁ。すっかり忘れてたよ…
「ありがとう、ございます」
ギルドカードを受け取り魔力を流す。確かにランクがBになっていた。
「これで報告完了です」
「ありがとうございました。じゃあ」
サーニャさんと共にギルドを後にする。しかしこれからどうしようか。
ギルさん達はまだ来そうにない。待ち合わせなんかもしてないので、待つにしてもどこにいればいいのか分からない。
「どうしようか……」
「あの……」
サーニャさんが後ろから声をかけてきたので、振り返る。
「どうしました?」
「……お腹が空きまして…」
その言葉を裏付けるように、ぐぅーっと腹の虫が鳴いた。もちろんサーニャさんからだ。
聞かれて恥ずかしかったのか、サーニャさんの顔が赤くなる。
「す、すいません…」
「ふふっ。大丈夫ですよ。じゃあご飯食べに行きましょうか」
向かうのはいつもの場所。[宿り木亭]だ。あそこが1番美味しいからね。
一応レシピが販売された影響なのか、かなり露店などもでてきている。けれど、やっぱりダリオさんの食事が1番美味しい。1番最初に教えたのもあるだろうけどね。
「ここです」
「ここは…宿ですか?」
「そうですよ。ここの料理は美味しいですよ」
サーニャさんと共に宿へと入る。ちょうどお昼時で混み始めていたが、席は空いていたので座ることができた。
「これがメニューですよ。何がいいですか?」
サーニャさんにメニューを見せる。私が来た時とは比べ物にならないほど、今はメニューが充実している。
「えっと……なんだか、よく分からないですね…」
まぁそれはそうかもね。ロールハーキュとか、餃子とか。見たことないものはイメージできないから。となると、メニューに絵とかを付けた方がいいのかな?
「あの…?」
「あぁ、すいません。じゃあこれとかどうです?」
私はメニューのひとつを指さす。
「すいません、分からないです…でも、マリーナさんが言うなら…」
「じゃあこれ頼みますね。すいませーん」
「はーい!」
私はメニューを指さし、"それ"を2つ頼んだ。
「ギルドカードを見せてくれ」
「おう。これだ」
門番の人にギルドカードを見せる。
「それと、盗賊を引き取って欲しいんだが」
「その馬車の中か?確認する」
門番の人が馬車の中を覗き込む。
ちなみに盗賊達は帰っている途中に意識が戻ったんだけど、ぎゃいのぎゃいのうるさかったので魔法で眠らせておいた。
「これは……ちょっと待っといてくれ。人を呼ぶ」
多いものね。
「分かった。じゃあマリーナは先に冒険者ギルドで達成報告してきてくれるか?」
私がいてもやることないしね。
「分かりました。じゃあサーニャさんも一緒に行きましょう」
「は、はい!」
私と同じくやることが無いサーニャさんと一緒に行くことにした。
入る前に水晶に触れて、青く光るのを確認してから、ガドールへと入る。
「このまま冒険者ギルドに行きますけど、大丈夫ですか?」
「はい。大丈夫です」
大丈夫そうなのでそのまま向かう。
冒険者ギルドに着くと、人はかなり少なかった。まぁこの時間帯なら大体の人が依頼に行ってるからね。
カウンターに座っている人をみる。
うーん……カリナさんがいない。まぁいっか。とりあえず真ん中のカウンターへと向かう。
「すいません」
「はい?あら、こんなところにどうしたの?」
この反応。絶対私のこと冒険者だと思ってないよね…
「依頼達成報告にきました」
「……え?依頼達成報告…?」
「はい。これ、ギルドカードです」
説明するのがめんどくさいので、さっさとギルドカードを渡す。
……届かなかったから、魔法で体を浮かしてね。
「え、はい……ってC!?」
あ、その反応されたの初めてかも。だって今までカリナさんが担当してくれてたからね。
「そうですよ。これが証明書です」
護衛依頼は討伐依頼とは違って納品するものがないので、護衛対象からサインを貰う。それが証明書だ。
「えっと……ほんとに?」
「何がです?」
「その…このギルドカード、ほんとにあなたの?」
「そうですよ。魔力流します?」
本人確認にはそれが手っ取り早い。
「……やってもらっても?」
ギルドカードを受け取り、魔力を流す。すると確かにマリーナという名前と魔法適性。クラスが表れる。
「ほんとに……ごめんなさい」
「いいですよ。それよりこれお願いします」
再度ギルドカードと証明書を渡す。
「は、はい…」
私からそれらを受け取り、まずはギルドカードを機械へとセットする。依頼内容の確認の為だね。
「護衛依頼……魔の森…」
受付の人が内容を確認するかのように、口に出していく。
「証明書は……はい。本物です」
依頼達成報告を誤魔化すことが出来ないよう、護衛依頼の場合は護衛対象のサインを予めギルドが保管している。それと照らし合わせ、本物かどうかを判断するのだ。
「確認できました。これが報酬になります」
ドサッと重そうな袋をカウンターへ置く。私はそれを無限収納庫へと収納して、正しい金額かを確かめた。
無限収納庫には金額を数えてくれる機能までついてるから楽だ。
「疑ったりしてすいませんでした……」
「大丈夫ですよ。気にしてません」
よし。金額は合ってるね。
「これがギルドカードです。それと、おめでとうございます。Bランクになりました」
あぁ。すっかり忘れてたよ…
「ありがとう、ございます」
ギルドカードを受け取り魔力を流す。確かにランクがBになっていた。
「これで報告完了です」
「ありがとうございました。じゃあ」
サーニャさんと共にギルドを後にする。しかしこれからどうしようか。
ギルさん達はまだ来そうにない。待ち合わせなんかもしてないので、待つにしてもどこにいればいいのか分からない。
「どうしようか……」
「あの……」
サーニャさんが後ろから声をかけてきたので、振り返る。
「どうしました?」
「……お腹が空きまして…」
その言葉を裏付けるように、ぐぅーっと腹の虫が鳴いた。もちろんサーニャさんからだ。
聞かれて恥ずかしかったのか、サーニャさんの顔が赤くなる。
「す、すいません…」
「ふふっ。大丈夫ですよ。じゃあご飯食べに行きましょうか」
向かうのはいつもの場所。[宿り木亭]だ。あそこが1番美味しいからね。
一応レシピが販売された影響なのか、かなり露店などもでてきている。けれど、やっぱりダリオさんの食事が1番美味しい。1番最初に教えたのもあるだろうけどね。
「ここです」
「ここは…宿ですか?」
「そうですよ。ここの料理は美味しいですよ」
サーニャさんと共に宿へと入る。ちょうどお昼時で混み始めていたが、席は空いていたので座ることができた。
「これがメニューですよ。何がいいですか?」
サーニャさんにメニューを見せる。私が来た時とは比べ物にならないほど、今はメニューが充実している。
「えっと……なんだか、よく分からないですね…」
まぁそれはそうかもね。ロールハーキュとか、餃子とか。見たことないものはイメージできないから。となると、メニューに絵とかを付けた方がいいのかな?
「あの…?」
「あぁ、すいません。じゃあこれとかどうです?」
私はメニューのひとつを指さす。
「すいません、分からないです…でも、マリーナさんが言うなら…」
「じゃあこれ頼みますね。すいませーん」
「はーい!」
私はメニューを指さし、"それ"を2つ頼んだ。
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