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第3章
冒険者ギルドへ
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ギルさん達と共に、久しぶりの街を歩く。
「ほんっとに心配したんだからね?」
「すいません。ちょっと長居しちゃって…」
「まぁ今まで住んでたとこだからな。そりゃ長居したくなるさ」
いえ、寧ろあまり気にしてません。一応あそこは仮のつもりだったからね。
ギルさん達が来たから出ることにしたけど、そもそも近い内に出るつもりではあったのよ。まぁギルさん達が切っ掛けになったのは確かなんだけどね。
「今度から長く出るときは言っておいてよ?」
「はい。そうします」
毎回毎回こんなに心配されてたら大変だもの。
「着いたぞ。ついでに呼ぶからカリナにも顔出しとけ。危うくあいつが捜索依頼を出すとこだったからな」
……なにやってんのよ、カリナさん。冒険者ギルドって、冒険者が行方不明になったからっていちいち捜索依頼なんて出さないよ?そんなのきりが無いから。
「そうだったんですか……」
「ああ。じゃあ呼んでくるな」
ギルさんが受付に向かって行った。わざわざ呼ぶ必要も……いや、寧ろ色々話すためにもいいか。
ギルド内は人が疎らで、すこし寂しい。
「お、嬢ちゃん!久しぶりだな!」
ギルさんとカリナさんを待っていると、いきなり声をかけられた。
声をかけてきたのは、強面の男の人。右目に傷がある。確か……道案内をしてくれた人?
「あの時はありがとうございました」
「いいってことよ」
「なに?マリーナちゃん、"デラボネ"を知ってるの?」
どうやらリナさんは知っているらしい。へー。デラボネさんっていうのね。
「はい。前に教会から冒険者ギルドに行く道がわからなくて、案内してもらったんです」
「そうだったの……でも、よく話しかけようと思ったわね。デラボネはその顔からよく怖がられてるのよ。見かけとは裏腹に優しいんだけどね。特に子供に」
「お、おい…やめてくれよ」
デラボネさんはリナさんの評価を恥ずかしがっている。
確かに怖いけど、何となく悪い人じゃないって思ったからね。だから話しかけた。
『それは神眼の効果です』
そうなの?
『はい。神眼は善悪を見抜く効果があります』
善悪、か……それは何を基準にして善悪を判断しているの?
善悪は立場によって変化するよね?
『基本マリーナ様に対して明確な悪意を持つ者を悪。それ以外を善としています』
……それは、わたしにとって都合が悪い事まで悪と認識するの?
『……はい。そういうことになります』
なるほど、ね…。じゃああまりあてにしない方がいいか。
まぁ人を見る目はあると思う。散々悪意を持つ人を見てきたから、ね…
『申し訳ありません』
いや、ハクが謝ることじゃないよ。
「マリーナちゃん?どうしたの?」
「あぁ。なんでもないです」
「そう?ならいいけど…俯きがちだったから心配だったのよ」
ハクとの会話に集中しすぎたね。
「おーい。マリーナ!」
受付付近でギルさんが手招きしていた。その後ろにはカリナさんがいる。
「マリーナちゃん!?」
カリナさんは私の姿を見るやいなや駆け寄ってきた。
そして、そのままのスピードで抱き締めてくる。
この展開、リナさんと一緒だわ…
「か、カリナさん。お久しぶりです……心配かけてすいません」
抱きしめられながら謝罪する。
「もう!心配したんだからね!」
涙を流しながらさらに強く抱きしめられる。
なんか私って愛されてる?
『十分に』
ハクが肯定してくる。心配してくれる人がいるって幸せだね。
「カリナさん……そろそろ苦しいです」
「あっ!ごめんなさい…ほんとに心配で…」
「えっと…ひとまず帰ってきました。で、これからも何日か空けることはあると思うので、その、捜索依頼?しないで貰えると……」
その事を話すと、カリナさんの顔が赤くなった。あれ?
「ギルね!なんで話しちゃうのよ!」
「だってよ…俺もバラされたし…」
ギルさん…意外と子供?
「ははっ。嬢ちゃん愛されてんな!」
デラボネさんが私の頭を撫でる。ちょ!髪がボサボサになるって!
「怪我してないわよね?」
「してないですよ」
その質問2回目。
「それより、薬草の納品したいんですけど」
「え、ああ。常時依頼ね。私がするわ」
そのままカリナさんに受付のカウンターへと連れられる。いつの間にかカウンターの前には私にピッタリの踏み台が用意されていた。有難く使わせて貰おう。
「じゃあこの箱にだして」
カリナさんが出てきたのは、商業ギルドでジリル草を入れた箱と同じもの。
「何を出せばいいですか?」
私がそう尋ねると、カリナさんは不思議そうな顔をした。
「えっとー…何を持ってきてくれたの?」
「一応一通り…ヒール草、マナ草、キュア草をとってきました」
「あら、そうなの。それなら別に種類は気にしなくていいわよ」
「そうですか。じゃあまずヒール草200…」
無限収納庫から箱に200本のヒール草を出す。
「ちょ、ちょっと待って!?」
「はい?なんですか?」
「その、200本もあるの?」
「はい。その他の薬草もそれくらい」
私がそう答えると、カリナさんはため息をついた。
「そんなにとってきたのね…予想外だったわ」
でもごめんなさい。本当はその倍あります。流石にぜんぶ出すのはどうかなって思ったから半分にしたけど、それでも多かったらしい。
「…マリーナちゃん。今回はヒール草だけでいい?」
「いいですよ」
どうせ品質は落ちないしね。
「ありがとう。えっと…200本だから20束分ね。品質は……」
そう言ってカリナさんが固まる。
「……Sね。はぁ…お金足りるかしら」
ジリル草と同じだね。それにしてもお金が足りないって…
「…はい。確認は出来たけど、お金は今全部用意出来ないから、明日にでも取りに来て貰っていい?」
「はい。それで大丈夫です」
「じゃあギルドカードをちょうだいね」
ギルドカードをわたし、カリナさんが装置を操作する。そして、直ぐに返してくれた。
「はい。完了ね。あと、護衛依頼はまだ完璧に予定は決まってないんだけど、一応1週間後ほどになる予定よ」
「分かりました。それまで簡単な依頼でもしておきますね」
「ええ、依頼達成数は多い方が昇格しやすいから、お願いね」
私的には昇格しなくても問題ないんだけどな。でもカリナさんがせっかく頑張って用意してくれてるから、それを無駄にしたくはない。
まぁそれなりに頑張ってみますか。
「ほんっとに心配したんだからね?」
「すいません。ちょっと長居しちゃって…」
「まぁ今まで住んでたとこだからな。そりゃ長居したくなるさ」
いえ、寧ろあまり気にしてません。一応あそこは仮のつもりだったからね。
ギルさん達が来たから出ることにしたけど、そもそも近い内に出るつもりではあったのよ。まぁギルさん達が切っ掛けになったのは確かなんだけどね。
「今度から長く出るときは言っておいてよ?」
「はい。そうします」
毎回毎回こんなに心配されてたら大変だもの。
「着いたぞ。ついでに呼ぶからカリナにも顔出しとけ。危うくあいつが捜索依頼を出すとこだったからな」
……なにやってんのよ、カリナさん。冒険者ギルドって、冒険者が行方不明になったからっていちいち捜索依頼なんて出さないよ?そんなのきりが無いから。
「そうだったんですか……」
「ああ。じゃあ呼んでくるな」
ギルさんが受付に向かって行った。わざわざ呼ぶ必要も……いや、寧ろ色々話すためにもいいか。
ギルド内は人が疎らで、すこし寂しい。
「お、嬢ちゃん!久しぶりだな!」
ギルさんとカリナさんを待っていると、いきなり声をかけられた。
声をかけてきたのは、強面の男の人。右目に傷がある。確か……道案内をしてくれた人?
「あの時はありがとうございました」
「いいってことよ」
「なに?マリーナちゃん、"デラボネ"を知ってるの?」
どうやらリナさんは知っているらしい。へー。デラボネさんっていうのね。
「はい。前に教会から冒険者ギルドに行く道がわからなくて、案内してもらったんです」
「そうだったの……でも、よく話しかけようと思ったわね。デラボネはその顔からよく怖がられてるのよ。見かけとは裏腹に優しいんだけどね。特に子供に」
「お、おい…やめてくれよ」
デラボネさんはリナさんの評価を恥ずかしがっている。
確かに怖いけど、何となく悪い人じゃないって思ったからね。だから話しかけた。
『それは神眼の効果です』
そうなの?
『はい。神眼は善悪を見抜く効果があります』
善悪、か……それは何を基準にして善悪を判断しているの?
善悪は立場によって変化するよね?
『基本マリーナ様に対して明確な悪意を持つ者を悪。それ以外を善としています』
……それは、わたしにとって都合が悪い事まで悪と認識するの?
『……はい。そういうことになります』
なるほど、ね…。じゃああまりあてにしない方がいいか。
まぁ人を見る目はあると思う。散々悪意を持つ人を見てきたから、ね…
『申し訳ありません』
いや、ハクが謝ることじゃないよ。
「マリーナちゃん?どうしたの?」
「あぁ。なんでもないです」
「そう?ならいいけど…俯きがちだったから心配だったのよ」
ハクとの会話に集中しすぎたね。
「おーい。マリーナ!」
受付付近でギルさんが手招きしていた。その後ろにはカリナさんがいる。
「マリーナちゃん!?」
カリナさんは私の姿を見るやいなや駆け寄ってきた。
そして、そのままのスピードで抱き締めてくる。
この展開、リナさんと一緒だわ…
「か、カリナさん。お久しぶりです……心配かけてすいません」
抱きしめられながら謝罪する。
「もう!心配したんだからね!」
涙を流しながらさらに強く抱きしめられる。
なんか私って愛されてる?
『十分に』
ハクが肯定してくる。心配してくれる人がいるって幸せだね。
「カリナさん……そろそろ苦しいです」
「あっ!ごめんなさい…ほんとに心配で…」
「えっと…ひとまず帰ってきました。で、これからも何日か空けることはあると思うので、その、捜索依頼?しないで貰えると……」
その事を話すと、カリナさんの顔が赤くなった。あれ?
「ギルね!なんで話しちゃうのよ!」
「だってよ…俺もバラされたし…」
ギルさん…意外と子供?
「ははっ。嬢ちゃん愛されてんな!」
デラボネさんが私の頭を撫でる。ちょ!髪がボサボサになるって!
「怪我してないわよね?」
「してないですよ」
その質問2回目。
「それより、薬草の納品したいんですけど」
「え、ああ。常時依頼ね。私がするわ」
そのままカリナさんに受付のカウンターへと連れられる。いつの間にかカウンターの前には私にピッタリの踏み台が用意されていた。有難く使わせて貰おう。
「じゃあこの箱にだして」
カリナさんが出てきたのは、商業ギルドでジリル草を入れた箱と同じもの。
「何を出せばいいですか?」
私がそう尋ねると、カリナさんは不思議そうな顔をした。
「えっとー…何を持ってきてくれたの?」
「一応一通り…ヒール草、マナ草、キュア草をとってきました」
「あら、そうなの。それなら別に種類は気にしなくていいわよ」
「そうですか。じゃあまずヒール草200…」
無限収納庫から箱に200本のヒール草を出す。
「ちょ、ちょっと待って!?」
「はい?なんですか?」
「その、200本もあるの?」
「はい。その他の薬草もそれくらい」
私がそう答えると、カリナさんはため息をついた。
「そんなにとってきたのね…予想外だったわ」
でもごめんなさい。本当はその倍あります。流石にぜんぶ出すのはどうかなって思ったから半分にしたけど、それでも多かったらしい。
「…マリーナちゃん。今回はヒール草だけでいい?」
「いいですよ」
どうせ品質は落ちないしね。
「ありがとう。えっと…200本だから20束分ね。品質は……」
そう言ってカリナさんが固まる。
「……Sね。はぁ…お金足りるかしら」
ジリル草と同じだね。それにしてもお金が足りないって…
「…はい。確認は出来たけど、お金は今全部用意出来ないから、明日にでも取りに来て貰っていい?」
「はい。それで大丈夫です」
「じゃあギルドカードをちょうだいね」
ギルドカードをわたし、カリナさんが装置を操作する。そして、直ぐに返してくれた。
「はい。完了ね。あと、護衛依頼はまだ完璧に予定は決まってないんだけど、一応1週間後ほどになる予定よ」
「分かりました。それまで簡単な依頼でもしておきますね」
「ええ、依頼達成数は多い方が昇格しやすいから、お願いね」
私的には昇格しなくても問題ないんだけどな。でもカリナさんがせっかく頑張って用意してくれてるから、それを無駄にしたくはない。
まぁそれなりに頑張ってみますか。
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