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第3章
霧の森
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ギルさんと共に門へと向かう。向かった門は昨日行った門ではなかった。昨日行ったのは北門で、今回行くのは南門なんだって。
門番の人にギルドカードを見せて外に出る。
昨日はクライヴさんが門番だったから、見せなくても大丈夫だったんだよね。
「よし。じゃあマリーナ、乗っかってくれ」
ギルさんが乗りやすいやすいように屈んでくれたので、その背中に乗る。
「身体強化でしっかりつかまってろよ」
「はい」
まぁ正直に言うと、身体強化しなくても問題ないと思う。寧ろ、強化したらギルさんの首絞めそう……しないけどね?!でも、万が一ってこともあるでしょ?
なので身体強化はしない。まだ自分の力の制御が出来てないから。
「いくぞ」
そう言ってギルさんは走っていった。おぉ、速い速い。
………そして、私がちょっと走った時よりも遅い。私ってどんだけなのよ…
しばらくボケーってしながらつかまっていると、突然スピードが落ちた。
「よし。ここら辺だな」
あ、もう着いたんだ。結局ギルさんは交代することがなかったね。
ギルさんに下ろしてもらって、目の前の森を見る。
「ここが?」
「ああ。霧の森だ」
なんというか…まんまだった。ほんとに霧が立ち込めていて、先が見えない。不思議なのは、その森の周りは何ともないってとこ。見事にその森だけが霧に包まれている。
「ほえー…」
「はぐれたら大変だから、ちゃんとついてきてね」
リナさんにそう言われた。確かにここではぐれたら大変だわ。
「ここでスライムを探すんですか?」
「ああ。まぁ正確に言うと、探す必要はないかもしれん」
はい?どういうこと?
「討伐するってことは増えすぎてるってことでしょ?つまりは集まってるのよ」
あ、なるほど。でもどこに?
そう思って首を傾げていると、ギルさんが説明してくれた。
「この森を抜けたとこだ」
「あれ、そうなんですか?」
「ああ。この森に魔物はほとんどいないからな」
そうなのね。まぁ魔物もこんな霧の中じゃ獲物を見つけられないものね。
「…あ、プレナ!」
その時すっかりプレナを呼び出すのを忘れていたことに気付き、急いで呼び出した。
《あうじざまぁ~!(主様~!)》
すると涙声で叫びながらプレナが影から飛び出してきた。
「わわ!ごめんって」
《うぅー…》
拗ねてしまったプレナの頭を撫でる。
《ふにぁー…》
機嫌治った…のかな?まぁ明らかに声がご機嫌っぽいから、大丈夫だよね!
「ふふっ。仲がいいのね」
そんな様子を眺めていたリナさんが、微笑みながらそう言ってきた。その表情は、まるで珍しいものを見たような表情だった。
そんなに珍しいのかな?
「ほれ。行くぞ」
「はーい」
ギルさんの号令で、私たちは森の中へと足を踏み入れた。
なんというか…不気味だった。ただ草を踏む音だけが聞こえて、生き物の鳴き声が聞こえない。それに、すぐ目の前にギルさんがいるはずなのに、ほとんど見えない。これは確かに迷うね…
「大丈夫か?」
たまにギルさんが声をかけながら進んでいく。そうしないとはぐれそうだからね。
「はい」
こっちも返事をして、お互いの居場所を確認する。
《主様。なんか変》
突然プレナがそんなことを言い出した。
「どういうこと?」
《なんか…呼んでる?》
呼んでる?
「誰が?」
《分からない。でも、助けてって》
助けて、か…
《あ、消えた》
そうプレナが言い、私は少し嫌な予感がした。
助けてという呼び声。そして、それが消えた…つまり、助からなかったということかもしれない、と。
「着いたぞ」
少し気持ちが沈んでいると、いつの間にか着いたみたい。
俯いていた顔を上げると……
「お、多くない?」
そこは霧が晴れていて、草原が広がっていた。広がっていたんだけど……一面中を青色の物体が埋めつくしていた。
もちろんその物体ってのは…スライムだった。
「確かに多いな。だが、やるぞ。マリーナは後方支援だ」
「分かってます」
魔法で援護するリナさんを残して、3人はスライムに突っ込んで行った。
「さてと。私たちもぼちぼちやっていきましょうか」
リナさんがそう言い、魔法の準備を始めた。
「あ、プレナの魔法の練習する?」
《する!》
丁度いい的は大量にあるので、練習させることに。
「じゃあプレナは魔法の練習しててね。私は弓でやっとくから」
プレナを地面に下ろし、私はいつの間にかいっぱい武器が収納されていた無限収納庫から弓を取り出した。消耗品の矢を使うやつじゃなくて、魔力で矢を生成するタイプ。
弦に指をかけ、弓を引く。すると3本の金色の矢が生成された。
そして手を離すと、それらは真っ直ぐそれぞれのスライムへ突き刺さった。突き刺さったスライムはそのまま地面に溶けるようにして消えていった。
「やるわね。でも、そんな弓持ってたの?」
あ、他人の目があるのわすれてた。
「ちょっと色々と…」
「ふーん。まぁ珍しいものではないものね」
あ、そうなんだ。よかった。
《主様!見てみて!》
プレナに呼ばれたので、プレナの方へと目線を向けた。
……そして、プレナが1本の光線を出す瞬間を目撃した。
「うぇ?!どどどうしたの!」
《すごい?》
「え、あ…うん」
思わず言っちゃったけど、やばくない?だってビームよ?実際一直線に地面が焼け焦げてるし。
『一般的な光魔法。レーザーです』
これが一般的?!
『はい。ただ、マリーナ様の眷族なので、威力が上がっています』
あ…なるほど。
「大丈夫?無理してない?」
《うん。でも、ちょっとフラってするかも》
『魔力切れです』
「魔力切れか…じゃあ影で休む?」
《…うん。ごめんなさい》
「謝らなくていいよ」
ふらつくプレナを影に入れる。ちゃんと休んでね。
「え、さっきのって…マリーナちゃんの従魔の魔法なの…?」
……あ。
門番の人にギルドカードを見せて外に出る。
昨日はクライヴさんが門番だったから、見せなくても大丈夫だったんだよね。
「よし。じゃあマリーナ、乗っかってくれ」
ギルさんが乗りやすいやすいように屈んでくれたので、その背中に乗る。
「身体強化でしっかりつかまってろよ」
「はい」
まぁ正直に言うと、身体強化しなくても問題ないと思う。寧ろ、強化したらギルさんの首絞めそう……しないけどね?!でも、万が一ってこともあるでしょ?
なので身体強化はしない。まだ自分の力の制御が出来てないから。
「いくぞ」
そう言ってギルさんは走っていった。おぉ、速い速い。
………そして、私がちょっと走った時よりも遅い。私ってどんだけなのよ…
しばらくボケーってしながらつかまっていると、突然スピードが落ちた。
「よし。ここら辺だな」
あ、もう着いたんだ。結局ギルさんは交代することがなかったね。
ギルさんに下ろしてもらって、目の前の森を見る。
「ここが?」
「ああ。霧の森だ」
なんというか…まんまだった。ほんとに霧が立ち込めていて、先が見えない。不思議なのは、その森の周りは何ともないってとこ。見事にその森だけが霧に包まれている。
「ほえー…」
「はぐれたら大変だから、ちゃんとついてきてね」
リナさんにそう言われた。確かにここではぐれたら大変だわ。
「ここでスライムを探すんですか?」
「ああ。まぁ正確に言うと、探す必要はないかもしれん」
はい?どういうこと?
「討伐するってことは増えすぎてるってことでしょ?つまりは集まってるのよ」
あ、なるほど。でもどこに?
そう思って首を傾げていると、ギルさんが説明してくれた。
「この森を抜けたとこだ」
「あれ、そうなんですか?」
「ああ。この森に魔物はほとんどいないからな」
そうなのね。まぁ魔物もこんな霧の中じゃ獲物を見つけられないものね。
「…あ、プレナ!」
その時すっかりプレナを呼び出すのを忘れていたことに気付き、急いで呼び出した。
《あうじざまぁ~!(主様~!)》
すると涙声で叫びながらプレナが影から飛び出してきた。
「わわ!ごめんって」
《うぅー…》
拗ねてしまったプレナの頭を撫でる。
《ふにぁー…》
機嫌治った…のかな?まぁ明らかに声がご機嫌っぽいから、大丈夫だよね!
「ふふっ。仲がいいのね」
そんな様子を眺めていたリナさんが、微笑みながらそう言ってきた。その表情は、まるで珍しいものを見たような表情だった。
そんなに珍しいのかな?
「ほれ。行くぞ」
「はーい」
ギルさんの号令で、私たちは森の中へと足を踏み入れた。
なんというか…不気味だった。ただ草を踏む音だけが聞こえて、生き物の鳴き声が聞こえない。それに、すぐ目の前にギルさんがいるはずなのに、ほとんど見えない。これは確かに迷うね…
「大丈夫か?」
たまにギルさんが声をかけながら進んでいく。そうしないとはぐれそうだからね。
「はい」
こっちも返事をして、お互いの居場所を確認する。
《主様。なんか変》
突然プレナがそんなことを言い出した。
「どういうこと?」
《なんか…呼んでる?》
呼んでる?
「誰が?」
《分からない。でも、助けてって》
助けて、か…
《あ、消えた》
そうプレナが言い、私は少し嫌な予感がした。
助けてという呼び声。そして、それが消えた…つまり、助からなかったということかもしれない、と。
「着いたぞ」
少し気持ちが沈んでいると、いつの間にか着いたみたい。
俯いていた顔を上げると……
「お、多くない?」
そこは霧が晴れていて、草原が広がっていた。広がっていたんだけど……一面中を青色の物体が埋めつくしていた。
もちろんその物体ってのは…スライムだった。
「確かに多いな。だが、やるぞ。マリーナは後方支援だ」
「分かってます」
魔法で援護するリナさんを残して、3人はスライムに突っ込んで行った。
「さてと。私たちもぼちぼちやっていきましょうか」
リナさんがそう言い、魔法の準備を始めた。
「あ、プレナの魔法の練習する?」
《する!》
丁度いい的は大量にあるので、練習させることに。
「じゃあプレナは魔法の練習しててね。私は弓でやっとくから」
プレナを地面に下ろし、私はいつの間にかいっぱい武器が収納されていた無限収納庫から弓を取り出した。消耗品の矢を使うやつじゃなくて、魔力で矢を生成するタイプ。
弦に指をかけ、弓を引く。すると3本の金色の矢が生成された。
そして手を離すと、それらは真っ直ぐそれぞれのスライムへ突き刺さった。突き刺さったスライムはそのまま地面に溶けるようにして消えていった。
「やるわね。でも、そんな弓持ってたの?」
あ、他人の目があるのわすれてた。
「ちょっと色々と…」
「ふーん。まぁ珍しいものではないものね」
あ、そうなんだ。よかった。
《主様!見てみて!》
プレナに呼ばれたので、プレナの方へと目線を向けた。
……そして、プレナが1本の光線を出す瞬間を目撃した。
「うぇ?!どどどうしたの!」
《すごい?》
「え、あ…うん」
思わず言っちゃったけど、やばくない?だってビームよ?実際一直線に地面が焼け焦げてるし。
『一般的な光魔法。レーザーです』
これが一般的?!
『はい。ただ、マリーナ様の眷族なので、威力が上がっています』
あ…なるほど。
「大丈夫?無理してない?」
《うん。でも、ちょっとフラってするかも》
『魔力切れです』
「魔力切れか…じゃあ影で休む?」
《…うん。ごめんなさい》
「謝らなくていいよ」
ふらつくプレナを影に入れる。ちゃんと休んでね。
「え、さっきのって…マリーナちゃんの従魔の魔法なの…?」
……あ。
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