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第2章

いざ、市場へ!【4】

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「何か食べたいものある?」

 リナさんにそう聞かれた。正直に言うと…自分で作りたい。それならリナさんたちに奢った形にもなるしね。ギルさん達には後で食べてもらうつもり。無限収納庫インベントリに入れれば冷めないしね。

「あの…」

「うん?どうしたの?」

「料理…自分で作ってもいいですか?」

「マリーナちゃんが作るの?」

「はい。だめですか?」

 するとリナさんは少し考え込んでしまった。やっぱりだめかな?

「だめでは無いけど…作るとこないわよ?」

「あ…」

 そうだよ!むっちゃ大事なこと忘れてたじゃん!

「うーん…とりあえず宿に行って、厨房を貸してもらえるか頼んでみる?」

「でも…今は混んでるんじゃないんですか?」

 今はちょうどお昼時。あの宿は食堂もしているみたいだから、多分混んでると思う。

「確かにそうね…」

「…それなら…先にグリアーノを買えばいいと思う」

 そう言えば後で買う予定だったね。行って買って帰ってきたら、ちょうどいい時間帯になるかな?

「それがいいわね。マリーナちゃんもそれでいい?」

「はい」

 寧ろ願ったり叶ったりだよ!あ、でもまだ土鍋創ってないや。後でこっそり創っとこう。

「じゃあ…こっちね」

 大通りの脇道へと入る。かなり狭い。

「この町はこういう道もあって、まるで迷路みたいになってるのよ」

「そうなんですか」

 これは迷いそう…

『その時は私がサポートします』

 あ、そうだね。その時はよろしく。

『はい』

「マリーナ…手を繋ごう」

「?はい」

 フィーナさんと手を繋ぐ。多分はぐれないためかな?なんかフィーナさん嬉しそうだけど。

「ここだけど…あ、フィーナずるい!」

「早い者勝ち」

 悔しがるリナさんにドヤ顔をするフィーナさん…何故に?

「と、そんなことは置いといて」

 あ、いいのね。

「ここで買えるわよ」

 着いたのはこじんまりとした建物。近くには広いスペースがあって、そこに数台の馬車が止まっていた。

「馬車をみるのは初めて?」

 見入ってたからなのか、リナさんからそんなことを聞かれた。

「うーん…まぁ初めてと言えば、初めてです」

 地球で2頭引きの馬車を見た事あるからね。目の前にいるのは3頭引きの馬車だけど。どちらにしろ、こっちの世界では初めてだね。

「そうなの。じゃあ入りましょうか」

「はーい」

 ドアを開けて中に入る。そこには一つのカウンターと、いくつかの椅子とテーブルしかなかった。なんか寂しい感じ。

「…らっしゃい」

 いつの間にかカウンターには、一人のおじさんがいた。とりあえずトテトテとカウンターまで向かう。そしておじさんに話しかけた。

「あの、グリアーノってありますか?」

「…あるよ」

 ……なんか聞いた事あるセリフだ。

「…どれくらい欲しいんだ?」

 うーん…こっちの単位は?

『長さの単位、重さの単位は変わりません』

 あら、そうなの?

『はい。全ての世界で共通です』

 お、おう…なんか衝撃的な事実だわ…

「…なんだ、冷やかしか?」

 おっと。いけないいけない。えっと、重さが同じなら…

「うーん、じゃあ30キロあります?」

「…あるよ。待ってな」

 そう言って店の奥に消えていった。

「ちょっと、マリーナちゃん?そんなに買うの?」

「はい。まぁ念の為です」

「そ、そう(念の為って?)」

 あ、まだ話してなかったや。まぁ食べてもらってからだね。

「…ほら。これだ」

 いつの間にかおじさんは戻ってきていた。そして床に重そうな袋を3つ置いた。

「…一つ10キロだ。確認してくれ」

 袋の口を開けて、中身を確認する。

「確かにお米だ…」

 だけど、籾殻が付いたままだ。脱穀ってどうやるんだっけ?

無限収納庫インベントリの機能で、脱穀できます』

 え?!そんな機能あったの?

『解体と同じ原理なので』

 ま、まぁ確かにそう…かな?

『あと、小麦粉も強力粉、中力粉、薄力粉などに分離できます』

 …うん。もう何も言うまい。

「…どうだ?」

「大丈夫です。それでお代は?」

「…1キロで300リシアだ。だから…」

「9000リシアですね」

 そう言うと、おじさんは驚いた顔をした。あれ?計算間違った?

「…計算はやいな」

 あ、そこね。税金とか端数とかがないし、計算しやすいんだよね。

「そうでも無いですよ。それで、合ってますか?」

「…ああ。カードで払うか?」

「はい」

「…じゃあここに当ててくれ」

 水晶にカードを当てて、会計終了!でも9000リシアって結構高いね。まぁ平民の月収が5000リシアだし。馬の飼料なら、買うのは商人とかだろうしね。この値段は妥当か。

 買った3つの袋を無限収納庫インベントリに収納し、店を後にした。

「ちょうどいい時間帯かしらね。それじゃあ宿に戻りましょうか」

「はーい」

 さて、いよいよ料理だ!まぁ許可が取れればの話だけどね。許可取れるといいなぁー…

 そんなことを考えながら、私はリナさんの後をついて行き、宿へと向かった。











 …………ちなみに、今度はリナさんと手を繋ぐことになった。なんで?



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マリーナは2人に人気です…
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