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第1章

ワンルーム?これは洞穴ですよ?

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 次の日

 いつものように目を覚ますと木の肌があった。木から降りると、だいぶ体が固まっているみたい。

「ふぁぁ…」

 欠伸をしながら腕を上に挙げ、体を伸ばす。するとベキベキと音がなった。

「だいぶ固まってんだね…」

 これは対策を考えた方がいいかな?

『では、洞穴を使いますか?』

 うん?洞穴?

「何処にあるの?」

『そのまま真っ直ぐ進んでください』

 言われた通り真っ直ぐ歩く。あ!木刀は無限収納庫インベントリに入れてあるよ。しばらく歩くと

『次は左に進んでください』

 と言われた。まるでナビだね。あ、もとはナビゲーターか。

 しばらく歩くと洞穴を見つけた。穴の大きさは縦3メートル、横1メートルちょいの縦長だ。中に入るとだいぶくらい。

『光魔法を使うことを推奨します』

「あ、そっか」

 私は光属性の魔法を使う。イメージは光の球。明るさは電球くらい?

「ライト」

 そう唱えると目の前に直径5センチくらいの光の球が現れた。

「おお、できた!」

『はい、お見事です』

 魔法のおかげで中がよく見えるようになった。広さ的にはワンルームくらいありそうだ。

「へぇー、結構いいんじゃない?」

『ここに住みますか?』

「うーん…水は魔法でだせる?」

『はい』

「ならあの川のそばにいなくてもいいよね…よし!ここに住もう!」

 とはいえ、すぐには住めない。色々用意しないとね。家具とか扉とか…

『家具、扉は土魔法で作るのが簡単です』

「うーん…でも固くならない?」

 土魔法だとほんとに土でできそうだし…

『では座面などにバレットラビットの毛皮を使うのはどうでしょう?』

「あ、毛皮か」

 確かにそれはありかも。よし、さっそくやってみよう!

 イメージはまずテーブルからかな。ライトはハクに制御を任せた。よくみるダイニングテーブルをイメージして…

「お、おう…なんか凄い立派」

 何故かキレイな装飾が施されてれるんだけど?

『それはマリーナ様のイメージが原因かと』

 …そこまで影響するものなのね…。同じ要領で椅子やベットなども作ってみる。

「おー、なんかやり過ぎた?」

 そこには家族4人で暮らせそうなワンルームが出来上がっていた。

『お見事です』

「いや、見事っていうレベルじゃぁ…」

 あーなんかもういいや。とりあえずドアを付ける。横1メートル、縦2メートルの扉だ。上が1メートル空くけど、土魔法でそこは埋める。扉を付け、穴を埋め、ライトを消すと…

「わぁー真っ暗」

 なんも見えない。せめて明り取りが欲しいなぁ…

『土魔法を応用すればガラスも作れますよ?』

 え、まじ?!

『はい。今までと同じようにイメージしたら出来るはずです』

 ま、まじか…なんでもありだね。とりあえずさっき埋めた所をガラスにしようかな?

 私は埋めた場所に両手を伸ばしてイメージを固める。イメージはマジックミラーかな。中からは見えるけど、外からは見えないやつ。それと外はカモフラージュで岩肌みたいな感じで…

「おお…」

 明かりが差し込んだ。ひとまず成功だね。

「あとは毛皮の用意かな」

 バレットラビットの毛皮は意外とモフモフなので、布団に使うことに。ハクの指示の元、加工していくと…

「うわぁーもふもふのふかふかだぁー!」

 思わず飛びついた。ベットはスプリングをイメージしたからか、なんとなくボヨンボヨンする。本物には程遠いけどね。

『上手くいきましたね』

「うん!はぁぁ…もうこのまま寝る」

 私はもうこの布団の虜だ。

『その前に扉に鍵を掛けておいたほうがいいですよ?』

「鍵?」

『はい。結界魔法の応用で扉をロックできます』

「ふぁ~い」

 もう瞼が重い…でも寝てる間に誰か入ってこられるのも困る。私はベットから手を伸ばして

「…ロック」

 と唱えた。するとガチャっという音がした……気がした。

「もう…無理……おやすみ…」

『はい、おやすみなさい』

 私は久しぶりの布団にくるまり、そのまま夢の中へと落ちた。






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