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第1章

自分のステータスと良い子の武器制作教室

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「武器ねぇ…」

 幸いここには木が大量にあるし、あの2体の戦闘の影響で数十本の木が折れて倒れている。これを使わない手はない、が…

「どうやって作るの?」

 そう、ノコギリもハンマーも釘もない。どうやっても作れない。

「うーん…あ」

 そういえば魔法があるんだけっけ?そもそも武器要らないんじゃね?



 …いや、死体が消えたことといい、ここはゲームに近いと考えた方がいいと思う。だとすると魔法を使うには適性とか魔力とか呪文とかが必要になるだろう。

「適性なんて分かんないし、魔力もどんだけあるか分からない。そもそもどうやって使うの?」

 そう言ったら

『レクチャーしましょうか?』

 と、何処からか声が聞こえた。

「うわぁ!だ、誰!?」

 周りを見渡してみても誰もいない。

『私は"ナビゲーター"です』

 また聞こえた。どうやら耳からではなく、直接頭に響いてるみたい。

「ナビゲーター?」

 なにそれ?

『惑星ティリシアの地の神グランドリア様によって創られたスキルです。マリーナ様のサポートをするよう仰せつかりました』

 お、おう…あの神様そんなもんくれたのね。てかスキルって?

『スキルとは能力を具現化したもので、神によって創られるものです。また、1部のスキルは進化することがあり、進化すると"ユニークスキル"と呼ばれる特別なスキルになります。私はマリーナ様のために創られたユニークスキルです』

 うん、色々情報すごくて頭痛いけど…

「マリーナって?」

『マスターの名前です』

「…マスターは?」

『あなた様です』

 ですよね~。中々いい名前をくれたんじゃない?

「あなたは何をしてくれるの?」

『直接サポートすることは出来ませんが、知識や魔法の制御などの手伝いはできます』

「ふーん…じゃあ名前は?」

『ナビゲーターです』

「それはスキルの名前でしょ?あなた自身に名前はないの?」

『はい、ありません』

「うーん…だったら私が名前をつけてもいい?」

 おそらくこれからかなり世話になりそうだからね。名前ぐらいあったほうがいいよね。

『少々お待ちください…………確認しました。はい、大丈夫です』

 なんの間だったのかな?まぁそれはともかく名前だね。うーん…なにがいいかな?

「……知識でサポートするなら博識だよね…"ハク"はどう?」

 我ながらかなり安直だと思う。

『……承認しました。ユニークスキル"ナビゲーター"の名称を"ハク"に変更します』

 これでハクになったのかな?

「ハク」

『はい、何でしょうか?』

 おお!いいね!

「魔法について教えて?」

『はい。種類としては、火、水、氷、雷、風、土、草、光、闇、無と10の属性があり、その他に治癒、結界、時、収納、空間、転移などといった何処にも属さない魔法もあります。さらに、収納など、1部の魔法には上位互換が存在し、収納の場合は空間です。人にはそれぞれ適性魔法が存在し、適性がある魔法しか使うことが出来ません』

 へー。結構多いんだね。

「じゃあ私はなにが使えるの?」

『全部です』

 …はい?ハクさん?いまなんて言いました?

『ぜ、ん、ぶ、です』

 いやそういうことじゃなーーい!てか心読んでる?

『はい、私と話すのは思念でもできますので』

 あ、そうなんだ…じゃなくて!全部ってありえるの?

『本来適性魔法は1個から多くて5個ほどです』

「じゃあ何故?」

『グランドリア様からのお詫びだそうです』

 あー…うん、嫌でも理解したわ。でも感謝しないとね。だって魔法が使えるんだから!

「じゃあ魔法の使い方を教えて?」

『はい。まず、目を閉じて意識を体に向け、体の中にある魔力を感じてください』

 うーん…よく分かんないけど、

「…やってみないとわかんないよね」

 ずっと1人だったこともあり、こういう系の本やゲームは知っているからね。悲しくなんかないよ?

  
 とにかく!目を閉じて体の中に集中しよう。




 …お?心臓辺りになんか温かいのがある。これかな?

『はい。それを体の中で循環させてみてください』



 言われた通りに血流みたいに体を循環させてみる。すると体全体がポカポカしてきた。

「おぉー!こんな感じかな?」

『はい、上手いです』

 5分くらいやってみた。なんか体の中から力が湧いてくるみたい。

『その状態で、使いたい魔法をイメージしてください』


 私はイメージを固める。イメージは風の刃。的は目の前にある15メートルほどの高さの木。

『そのイメージした魔法の名前を唱えてください』

「ウインドカッター!」

 両手を突き出してなんとなくそれっぽいのを唱える。すると少しだけ何かが体からスっと抜けていった。そして三日月状の半透明の刃が飛んでいった。真っ直ぐ狙っていた木に向かっていって…綺麗に切断した。

 スパン!!

「お、おう…ヤバくね?」

『込めた魔力が高いほど威力が上がります』

「魔力…さっきのはどれくらい?」

『数値にして100ほどです。マリーナ様の総魔力量の1パーセント未満です』

 …私の魔力って?

『私が言うよりも直接見た方がいいと思います』

「どうやるの?」

『ステータスオープンと唱えてください』

 私は言われた通り

「ステータスオープン」

 と唱えた。すると目の前に半透明のプレートが現れた。なんか色々書いてある。

『それがステータスプレートです』

 私は自分のステータスプレートをよく見てみる。

 ┠ステータス┨───────────────
 ※(  )は隠蔽している本来のステータス
 名前:マリーナ・フェル・バーニア
 種族:人間 (○仝★$#∀■)
 年齢:5
 レベル:1
 職業:なし
 ステータス:魔力  500(25000) HP  500  (10000)
 魔法:   水属性 Ⅴ  風属性Ⅴ  火属性Ⅴ  収納Ⅴ(火、水、氷、雷、風、土、草、光、闇、無、聖、時、空間、結界、転移、治癒、$■#)
 ユニークスキル(全隠蔽中):無限収納庫インベントリEX    ハク[前ナビゲーター]EX   全言語理解EX   魔力超急速回復EX   全状態異常耐性EX  神眼
 スキル:早覚えⅩ   魔力循環Ⅹ  索敵Ⅷ  魔力制御Ⅴ
 称号(全隠蔽中):神の被害者   地の神グランドリアの加護  ○№$■#∀

 ────────────────────────────

「な…」

『な?』

「なんじゃこりゃ~~ー!!」

 静かな森に私の絶叫か響き渡った。だってなにこのステータス、なんか文字化けとかあるし。

『…文字化けについては今度話すそうです』

 今度っていつ?!

『マリーナ様が教会に訪れたときだそうです』

「教会?」

 なんでそんなとこ?

『教会では神が干渉しやすいのです』

 なるほど…つまり直接話してくれるのね。

「はぁ…なんかもう疲れたけど…やることまだあるんだよね」

 そう、今日の本来の予定はこれじゃない。

『なにをするのですか?』

「武器を作ろうと思ってね。だって魔法ばかりじゃ魔力切れとか心配でしょ?」

『…確かに…あ、グランドリア様が武器制作スキルをマリーナ様に与えたそうです』

 え?!いつの間に…って今か。もっかい見てみると確かに増えてた。

「武器制作と…なぜ木工?」

 なんか木工スキルも増えてた。

『恐らく、ここにある木から作れということではないでしょうか?』

 確かに周りにはいっぱい木が転がってるんだけどね…

「木工っていったって工具ないし…」

 スキルがあったって、道具がなかったらねぇ?

「うーん…ウインドカッターで切り刻んで作る?」

 特訓として魔法の制御は高くなりそうだけど、上手く出来ないと思う。

「なんかあったんだけどな…」

 記憶から知識を呼び起こす。

「あ、魔力を具現化して武器にするっていうのはあったな」

 とはいえ、これも魔力を使うから、魔力切れになる。

「…じゃあ、具現化する魔力で材料を包めばどうなるんだろ?」

 物は試しだー!という訳で近くにあった木を選び、その木を魔力で包んでみる。思ったより簡単に包めた。その魔力を切らないようにしながら、イメージを固める。やっぱり木刀かな?

 目を閉じてイメージするのは、自分のお土産に買ったことがある木刀。なんかごっそり抜けたかんじがして、少しめまいがしたけど、なんとか耐える。

「うぅぅ…」

 でも耐えきれず座り込んだ。そして目を開けると、そこにはイメージ通りの木刀があった。

「おお!できた!」

 めまいがしてたのも忘れて駆け寄る。持ち上げるとちょうどいい重さで、握り心地もいい。

「結構いい出来じゃない?」

 素振りをしてみる。中々いい感じ…て、あれ?

「私こんな綺麗に振れたかな?」

 木刀は買ったことあるけど、振ったことはない。

「…まぁ、いいか」

 考えても分かんないことよりも今のことを考えた方がいい。

「とりあえず、試し斬り?試し叩き?をしたいけど…」

 もう既に日が落ちていた。どうやら夢中になり過ぎたらしい。

「もう、寝た方がいいかな」

 とりあえず昨日の木の上で寝ることにした。軽くジャンプをしてちょうどいいら辺まで飛べたので枝に掴まり、そのまま跨った。

「今更だけど、人外だよね…私の種族文字化けしてたし…」

 そんなことを言いながら、私は木刀は木の下に置いて、昨日と同じ体勢で眠った。

 ちなみに木刀を上手く振れたのは直前にグランドリアが刀術スキルを与えていたからなのだが、それを本人は知らない。













 …私はその時気づかなかった。直径1メートルを超える大木をまるまる1本使って、木刀を1作っていなかったことに…















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だいぶ先の伏線です。忘れても大丈夫です
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