23 / 55
手伝いするかぁ
しおりを挟む
ディルヴァーと手をまた繋ぎ、今度こそ城の中へと転移する。
転移して真っ先に見えたのは……書類の山。
「あちゃぁ……ここまで増えてるか…」
…これ全部仕事の書類なのね。天井まで届きそうなんだけど。
「あ!親父!やっと帰ってきた…」
資料の山から見覚えのある少年が出てきた。
間違いない。あそこで助けたウィルフレッドだ。見た感じ元気にしてるようで何よりだね。
「どうした、この山?」
「なんかいきなり増えたんだよ…俺じゃあ処理できないもんもあって、今親父呼ぼうとしてたんだ。ちょうど良かったよ」
「そうか。……その、ユーリ。頼みがあるんだが…」
「……はぁ。手伝えばいいんでしょ」
「助かる」
そもそもわたしだって帰ったら仕事山積みだと思うけど……まぁ、仕方ない。仲間だし、わたしでもここまで仕事が一気に大量に来たことはほぼ無いからね。
……わたしは毎日小出しで多分これと同じ量出されてるけど。多分こっちもそれは一緒だよね。今日がまとめてだっただけで。
「……あの時の」
ここでウィルフレッドがわたしの存在に気付いたらしい。あれか?背丈か?低くて見えなかったのか!?
……自分で言っててダメージを受けるからやめよ。
「(ところでディル。わたしのことどれだけ話した?)」
「ん?あぁ、魔王ってことくらいだな」
少な!?あぁでもそっちのほうがいいか。
「久しぶり…って程でもないか。あの時はユナって言ったけど、本当はユーリっていうの。改めてよろしく」
「あ、あぁ聞いたよ。東の魔王だって……俺より歳上だったのかよ」
……歳の話もしたのか。
「あんまり言わないでね?」
「あー…まぁそれは勿論なんだが…多分言っても誰も信じねぇだろうな…」
「ぶふっ」
……ひとまず笑ったディルは蹴ろう。そうしよう。
「いてっ!」
「やるよ。ほら」
「へいへい」
とりあえずディルから言われた範囲の書類を片付けることにする。
……今更だけど、これって国の重要機密だよね。わたしが知っていいの?
「お前さんに隠し事しても意味ねぇだろうから、別に問題ない」
「……信用されてるんだか、されてないんだか」
「してるしてる」
「はぁ…ほら、手止まってる」
「…相変わらずスペック高ぇな。話しながらなのに俺より速いじゃねえか」
「…見れてるのか、それ」
「見てるよ。ちゃんと。…完全に記憶もしちゃってるけど」
「…忘れることは?」
「無理」
無駄に高スペックだからなぁ……まぁ、国防費とかを忘れる努力はしよう。
転移して真っ先に見えたのは……書類の山。
「あちゃぁ……ここまで増えてるか…」
…これ全部仕事の書類なのね。天井まで届きそうなんだけど。
「あ!親父!やっと帰ってきた…」
資料の山から見覚えのある少年が出てきた。
間違いない。あそこで助けたウィルフレッドだ。見た感じ元気にしてるようで何よりだね。
「どうした、この山?」
「なんかいきなり増えたんだよ…俺じゃあ処理できないもんもあって、今親父呼ぼうとしてたんだ。ちょうど良かったよ」
「そうか。……その、ユーリ。頼みがあるんだが…」
「……はぁ。手伝えばいいんでしょ」
「助かる」
そもそもわたしだって帰ったら仕事山積みだと思うけど……まぁ、仕方ない。仲間だし、わたしでもここまで仕事が一気に大量に来たことはほぼ無いからね。
……わたしは毎日小出しで多分これと同じ量出されてるけど。多分こっちもそれは一緒だよね。今日がまとめてだっただけで。
「……あの時の」
ここでウィルフレッドがわたしの存在に気付いたらしい。あれか?背丈か?低くて見えなかったのか!?
……自分で言っててダメージを受けるからやめよ。
「(ところでディル。わたしのことどれだけ話した?)」
「ん?あぁ、魔王ってことくらいだな」
少な!?あぁでもそっちのほうがいいか。
「久しぶり…って程でもないか。あの時はユナって言ったけど、本当はユーリっていうの。改めてよろしく」
「あ、あぁ聞いたよ。東の魔王だって……俺より歳上だったのかよ」
……歳の話もしたのか。
「あんまり言わないでね?」
「あー…まぁそれは勿論なんだが…多分言っても誰も信じねぇだろうな…」
「ぶふっ」
……ひとまず笑ったディルは蹴ろう。そうしよう。
「いてっ!」
「やるよ。ほら」
「へいへい」
とりあえずディルから言われた範囲の書類を片付けることにする。
……今更だけど、これって国の重要機密だよね。わたしが知っていいの?
「お前さんに隠し事しても意味ねぇだろうから、別に問題ない」
「……信用されてるんだか、されてないんだか」
「してるしてる」
「はぁ…ほら、手止まってる」
「…相変わらずスペック高ぇな。話しながらなのに俺より速いじゃねえか」
「…見れてるのか、それ」
「見てるよ。ちゃんと。…完全に記憶もしちゃってるけど」
「…忘れることは?」
「無理」
無駄に高スペックだからなぁ……まぁ、国防費とかを忘れる努力はしよう。
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私のお父様とパパ様
棗
ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。
婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。
大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。
※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。
追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。

転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシャリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる