98 / 117
98話
しおりを挟む
スパンッと小気味好い音がコートに響き、一つ遅れて審判からのゲームセットのコールが告げられる。それとほぼ同時に、汗だくになった可歩がコートに倒れ込んだ。
「勝ったあ!」
「お疲れ様じゃの」
その様子に苦笑しながら瑠華が近付いて、手にしたタオルで可歩を労う。最初に行われていたトーナメント戦は、決勝戦にてデュースを繰り返すという白熱したものになっていた。可歩が汗だくになるのも無理は無い。
「ありがとー…」
「これは中々お疲れのようじゃな?」
「もう足パンパンだよぉ…」
だが今日の試合はこれで終わりにはならないので、疲れていたとしても帰ることは出来ない。
「しかし昼前に終わるとは思わんかったのじゃ」
「あー、まぁ全員参加のトーナメント戦じゃないからねぇ…」
今回の大会は全体の順位を決める事よりも試合の数を熟す事を重視しているので、別コートにて別のトーナメント戦が行われている。なのでこれまでの試合数自体は四回程度だ。
倒れた可歩を引き起こして身体に付いた砂を払い、対戦相手と握手大会の後、本部にて試合報告。そこまでしたところで緊張が緩んだのか、クゥ…と可愛らしく可歩の腹の虫が鳴いた。
それを聞いて可歩が思わず顔を赤らめると、瑠華がクスクスと笑った。
「そろそろ昼餉を食べるかの?」
「……うん」
今回大会が行われている運動公園には食事を摂る為のテーブルも屋外に設置されているので、そちらで用意してきたお弁当を広げる事に。
「おぉ…豪華…」
「折角じゃし、他の者も共に食べるかと思うてな」
「あ、じゃあ呼んでくるね」
瑠華が用意してきたお弁当はいつも通りの重箱スタイルであり、その量は元々他の部活のメンバーも共につつくだろうと予想して用意した物だ。
流石にお弁当を持って来ていない人は居ないので遠慮無くとはいかないだろうが、例え余ったとしても瑠華が食べるので問題は無い。
「瑠華先輩のお弁当食べていいんですか!?」
「構わんよ。その為に用意したようなものじゃからの」
――――まぁ瑠華が作ったお弁当を食べられるという貴重な機会を逃すような人は居らず、余る事は無さそうだが。
「美味いかえ?」
「うん、美味しい。いつもありがと」
「好きでやっている事じゃからの。気にするでない」
心底美味しそうに卵焼きを頬張る可歩を眺め、瑠華が顔を綻ばせる。自分が作ったものを嬉しそうに食べる人の様子を見るのは、やはり良いものだ。
「ん゛ッ…」
「……何やら苦しげな声が聞こえたが、大丈夫かの?」
「大丈夫です! ちょっと限界化しただけなので!」
因みにソフトテニス部のメンバーの殆どが瑠華のファンである。なので至近距離で推しの緩い笑顔を直視した結果、何人かが口と鼻を押さえて下を向いていた。人生満喫しているようで何よりである。
「……まぁ何事も無いのであれば良いが。ところで可歩よ、妾はこの後どうすれば良いのじゃ?」
「えっと、この後は……」
「勝ち残り戦じゃない?」
「あぁそれそれ。それで瑠華お姉ちゃんに相談なんだけど…シングルでも出来る?」
「出来るか出来ないかで言えば出来るが…シングルは無いはずじゃろう?」
「一般的に部活で行うのはダブルスになるけど、一応ルールとしてシングルが無い訳じゃないからね」
「成程のぅ…それで勝ち残りというのはつまり、勝った方が残り続けるというあれじゃな?」
「うん。次の試合開始までのお遊びって感じだから、気楽にやっていいよ」
「相分かった」
元々気負う事も無い瑠華ではあるが、取り敢えず頷いておく。
「瑠華先輩に誰も勝てる気がしないんだけど」
「無論手加減はするぞ?」
「それが前提意識としてあるのがそもそもおかしいと思いますぅ…」
ご最もである。まぁ当の本人は首を傾げているし、それを見て周りは限界化しているのでその話は結局有耶無耶になったのだが。
瑠華が用意したお弁当は綺麗に皆のお腹に収まり、数分の休憩を挟んでから次の試合―――勝ち残り戦が始まった。
「瑠華お姉ちゃん。くれぐれも程々でよろしくね?」
「わざと負けなければ良いのじゃろう?」
「……うん、それでいいよもう」
可歩は諦めた。仕様が無いね、瑠華ちゃんだもの。
試合は一ゲームだけ。サーバーは挑戦者側というルールでいよいよ勝ち残り戦が始まった。参加者は他の試合にエントリーしていない暇な人達である。
「リベンジ!」
「おや、其方は…」
そんな暇潰し兼用のゲームの最初の挑戦者は、瑠華達と初戦で当たった子であった。瑠華としても可歩と親しげに話していた事で、印象に残っている。
ファーストサーブが瑠華側のコートに鋭く打ち込まれ、それを難無く相手の逆サイドへと送り返す。
「相変わらず嫌な位置!」
「と言いつつしっかり打ち返すのじゃな」
これは雫と同類かもしれないなと思考の片隅で予想しつつ、ラケットとボール、そしてコートに損傷を与えない程度に加減してラリーを繰り返す。
因みに元々大雑把な手加減しかした事が無かった瑠華にとって、ここまで繊細に何度も手加減をするのは初めての試みだったりする。
――――――なので。
「あっ…」
バチンッという大きな音が鳴り響き、瑠華のラケットのガットが切れた事を虚しく告げた。
柔らかいボールを使うソフトテニスにおいて試合中にガットが切れる事は凄く珍しいので、それだけ瑠華の膂力が桁違いである事を物語る。
「やってしもうたのぅ…」
「瑠華お姉ちゃん。これ使って」
そこへ透かさず可歩が予備のラケットを差し出した。瑠華としては有難いが、それでは可歩の分が無くなってしまうのでは無いかと首を傾げる。
「良いのか?」
「元々こうなる気がしてたから、大丈夫。あと一応三本あるよ」
「……すまんのぅ」
頼りになる妹だと思いながらラケットを受け取り、試合を再開する。
(手加減を学ぶ良い機会じゃと思うたが…中々難しいものじゃの)
そんなことを考えながら、瑠華は容赦無くコート端にボールを叩き込むのだった。……もう何も言うまい。
「勝ったあ!」
「お疲れ様じゃの」
その様子に苦笑しながら瑠華が近付いて、手にしたタオルで可歩を労う。最初に行われていたトーナメント戦は、決勝戦にてデュースを繰り返すという白熱したものになっていた。可歩が汗だくになるのも無理は無い。
「ありがとー…」
「これは中々お疲れのようじゃな?」
「もう足パンパンだよぉ…」
だが今日の試合はこれで終わりにはならないので、疲れていたとしても帰ることは出来ない。
「しかし昼前に終わるとは思わんかったのじゃ」
「あー、まぁ全員参加のトーナメント戦じゃないからねぇ…」
今回の大会は全体の順位を決める事よりも試合の数を熟す事を重視しているので、別コートにて別のトーナメント戦が行われている。なのでこれまでの試合数自体は四回程度だ。
倒れた可歩を引き起こして身体に付いた砂を払い、対戦相手と握手大会の後、本部にて試合報告。そこまでしたところで緊張が緩んだのか、クゥ…と可愛らしく可歩の腹の虫が鳴いた。
それを聞いて可歩が思わず顔を赤らめると、瑠華がクスクスと笑った。
「そろそろ昼餉を食べるかの?」
「……うん」
今回大会が行われている運動公園には食事を摂る為のテーブルも屋外に設置されているので、そちらで用意してきたお弁当を広げる事に。
「おぉ…豪華…」
「折角じゃし、他の者も共に食べるかと思うてな」
「あ、じゃあ呼んでくるね」
瑠華が用意してきたお弁当はいつも通りの重箱スタイルであり、その量は元々他の部活のメンバーも共につつくだろうと予想して用意した物だ。
流石にお弁当を持って来ていない人は居ないので遠慮無くとはいかないだろうが、例え余ったとしても瑠華が食べるので問題は無い。
「瑠華先輩のお弁当食べていいんですか!?」
「構わんよ。その為に用意したようなものじゃからの」
――――まぁ瑠華が作ったお弁当を食べられるという貴重な機会を逃すような人は居らず、余る事は無さそうだが。
「美味いかえ?」
「うん、美味しい。いつもありがと」
「好きでやっている事じゃからの。気にするでない」
心底美味しそうに卵焼きを頬張る可歩を眺め、瑠華が顔を綻ばせる。自分が作ったものを嬉しそうに食べる人の様子を見るのは、やはり良いものだ。
「ん゛ッ…」
「……何やら苦しげな声が聞こえたが、大丈夫かの?」
「大丈夫です! ちょっと限界化しただけなので!」
因みにソフトテニス部のメンバーの殆どが瑠華のファンである。なので至近距離で推しの緩い笑顔を直視した結果、何人かが口と鼻を押さえて下を向いていた。人生満喫しているようで何よりである。
「……まぁ何事も無いのであれば良いが。ところで可歩よ、妾はこの後どうすれば良いのじゃ?」
「えっと、この後は……」
「勝ち残り戦じゃない?」
「あぁそれそれ。それで瑠華お姉ちゃんに相談なんだけど…シングルでも出来る?」
「出来るか出来ないかで言えば出来るが…シングルは無いはずじゃろう?」
「一般的に部活で行うのはダブルスになるけど、一応ルールとしてシングルが無い訳じゃないからね」
「成程のぅ…それで勝ち残りというのはつまり、勝った方が残り続けるというあれじゃな?」
「うん。次の試合開始までのお遊びって感じだから、気楽にやっていいよ」
「相分かった」
元々気負う事も無い瑠華ではあるが、取り敢えず頷いておく。
「瑠華先輩に誰も勝てる気がしないんだけど」
「無論手加減はするぞ?」
「それが前提意識としてあるのがそもそもおかしいと思いますぅ…」
ご最もである。まぁ当の本人は首を傾げているし、それを見て周りは限界化しているのでその話は結局有耶無耶になったのだが。
瑠華が用意したお弁当は綺麗に皆のお腹に収まり、数分の休憩を挟んでから次の試合―――勝ち残り戦が始まった。
「瑠華お姉ちゃん。くれぐれも程々でよろしくね?」
「わざと負けなければ良いのじゃろう?」
「……うん、それでいいよもう」
可歩は諦めた。仕様が無いね、瑠華ちゃんだもの。
試合は一ゲームだけ。サーバーは挑戦者側というルールでいよいよ勝ち残り戦が始まった。参加者は他の試合にエントリーしていない暇な人達である。
「リベンジ!」
「おや、其方は…」
そんな暇潰し兼用のゲームの最初の挑戦者は、瑠華達と初戦で当たった子であった。瑠華としても可歩と親しげに話していた事で、印象に残っている。
ファーストサーブが瑠華側のコートに鋭く打ち込まれ、それを難無く相手の逆サイドへと送り返す。
「相変わらず嫌な位置!」
「と言いつつしっかり打ち返すのじゃな」
これは雫と同類かもしれないなと思考の片隅で予想しつつ、ラケットとボール、そしてコートに損傷を与えない程度に加減してラリーを繰り返す。
因みに元々大雑把な手加減しかした事が無かった瑠華にとって、ここまで繊細に何度も手加減をするのは初めての試みだったりする。
――――――なので。
「あっ…」
バチンッという大きな音が鳴り響き、瑠華のラケットのガットが切れた事を虚しく告げた。
柔らかいボールを使うソフトテニスにおいて試合中にガットが切れる事は凄く珍しいので、それだけ瑠華の膂力が桁違いである事を物語る。
「やってしもうたのぅ…」
「瑠華お姉ちゃん。これ使って」
そこへ透かさず可歩が予備のラケットを差し出した。瑠華としては有難いが、それでは可歩の分が無くなってしまうのでは無いかと首を傾げる。
「良いのか?」
「元々こうなる気がしてたから、大丈夫。あと一応三本あるよ」
「……すまんのぅ」
頼りになる妹だと思いながらラケットを受け取り、試合を再開する。
(手加減を学ぶ良い機会じゃと思うたが…中々難しいものじゃの)
そんなことを考えながら、瑠華は容赦無くコート端にボールを叩き込むのだった。……もう何も言うまい。
12
お気に入りに追加
73
あなたにおすすめの小説
動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョンを探索する 配信中にレッドドラゴンを手懐けたら大バズりしました!
海夏世もみじ
ファンタジー
旧題:動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョン配信中にレッドドラゴン手懐けたら大バズりしました
動物に好かれまくる体質を持つ主人公、藍堂咲太《あいどう・さくた》は、友人にダンジョンカメラというものをもらった。
そのカメラで暇つぶしにダンジョン配信をしようということでダンジョンに向かったのだが、イレギュラーのレッドドラゴンが現れてしまう。
しかし主人公に攻撃は一切せず、喉を鳴らして好意的な様子。その様子が全て配信されており、拡散され、大バズりしてしまった!
戦闘力ミジンコ主人公が魔物や幻獣を手懐けながらダンジョンを進む配信のスタート!
神様のミスで女に転生したようです
結城はる
ファンタジー
34歳独身の秋本修弥はごく普通の中小企業に勤めるサラリーマンであった。
いつも通り起床し朝食を食べ、会社へ通勤中だったがマンションの上から人が落下してきて下敷きとなってしまった……。
目が覚めると、目の前には絶世の美女が立っていた。
美女の話を聞くと、どうやら目の前にいる美女は神様であり私は死んでしまったということらしい
死んだことにより私の魂は地球とは別の世界に迷い込んだみたいなので、こっちの世界に転生させてくれるそうだ。
気がついたら、洞窟の中にいて転生されたことを確認する。
ん……、なんか違和感がある。股を触ってみるとあるべきものがない。
え……。
神様、私女になってるんですけどーーーー!!!
小説家になろうでも掲載しています。
URLはこちら→「https://ncode.syosetu.com/n7001ht/」
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。
俺が異世界帰りだと会社の後輩にバレた後の話
猫野 ジム
ファンタジー
会社員(25歳・男)は異世界帰り。現代に帰って来ても魔法が使えるままだった。
バレないようにこっそり使っていたけど、後輩の女性社員にバレてしまった。なぜなら彼女も異世界から帰って来ていて、魔法が使われたことを察知できるから。
『異世界帰り』という共通点があることが分かった二人は後輩からの誘いで仕事終わりに食事をすることに。職場以外で会うのは初めてだった。果たしてどうなるのか?
※ダンジョンやバトルは無く、現代ラブコメに少しだけファンタジー要素が入った作品です
※カクヨム・小説家になろうでも公開しています
配信の片隅で無双していた謎の大剣豪、最終奥義レベルを連発する美少女だと話題に
菊池 快晴
ファンタジー
配信の片隅で無双していた謎の大剣豪が美少女で、うっかり最凶剣術を披露しすぎたところ、どうやらヤバすぎると話題に
謎の大剣豪こと宮本椿姫は、叔父の死をきっかけに岡山の集落から都内に引っ越しをしてきた。
宮本流を世間に広める為、己の研鑽の為にダンジョンで籠っていると、いつのまにか掲示板で話題となる。
「配信の片隅で無双している大剣豪がいるんだが」
宮本椿姫は相棒と共に配信を始め、徐々に知名度があがり、その剣技を世に知らしめていく。
これは、謎の大剣豪こと宮本椿姫が、ダンジョンを通じて世界に衝撃を与えていく――ちょっと百合の雰囲気もあるお話です。
借金背負ったので死ぬ気でダンジョン行ったら人生変わった件 やけくそで潜った最凶の迷宮で瀕死の国民的美少女を救ってみた
羽黒 楓
ファンタジー
旧題:借金背負ったので兄妹で死のうと生還不可能の最難関ダンジョンに二人で潜ったら瀕死の人気美少女配信者を助けちゃったので連れて帰るしかない件
借金一億二千万円! もう駄目だ! 二人で心中しようと配信しながらSSS級ダンジョンに潜った俺たち兄妹。そしたらその下層階で国民的人気配信者の女の子が遭難していた! 助けてあげたらどんどんとスパチャが入ってくるじゃん! ってかもはや社会現象じゃん! 俺のスキルは【マネーインジェクション】! 預金残高を消費してパワーにし、それを自分や他人に注射してパワーアップさせる能力。ほらお前ら、この子を助けたければどんどんスパチャしまくれ! その金でパワーを女の子たちに注入注入! これだけ金あれば借金返せそう、もうこうなりゃ絶対に生還するぞ! 最難関ダンジョンだけど、絶対に生きて脱出するぞ! どんな手を使ってでも!
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる