75 / 138
学園 高等部1年 終
69
しおりを挟む
しばらく魔導刻印に没頭していると、窓の外が暗くなっていることに気付いた。
「……熱中しすぎた」
思わずクーリアが呟く。
クーリアにとって、魔導刻印は未知の知識。故に、いつも本を読む時のように時間を忘れ、没頭してしまったのだった。
「…ご飯もいつの間にか置かれてるし」
クーリアの目の前には、まだ湯気が立ちのぼる食事が置かれていた。おそらく邪魔しないよう祖母が持ってきたのだろう。
クーリアは祖母の気遣いに感謝しつつ、食事を食べ終えた。
「あ、そうだ。リーヴォ、おいで」
「アウ?」
とてとてとリーヴォがクーリアに近づく。
クーリアはその行動に内心悶えつつも、顔には出さずに、ひょいっとリーヴォを膝の上に抱き上げた。
「あなたも食事いるもんね」
「アウっ!」
クーリアがリーヴォに触れている手から少しづつ魔力を流していく。すると、リーヴォが目を細め、気持ちよさそうな仕草をする。
「ふふっ。気持ちいい?」
「アウゥ…」
いつもの量の魔力を流し終わると、リーヴォがクーリアの膝の上でぐでぇ、と寝転がる。
クーリアはそんな様子に苦笑しながらも、机の上にあるものに目を向けた。
作ったのは、雷撃弾が5発。氷結弾が3発。
そして……少し細工を施した、爆裂弾が2発。
(……ちょっと作り過ぎたな)
クーリアが内心そう思うが…ちょっとどころではない。
そもそもこれだけの量の弾を作るのに、普通は2日はかかる。しかし、それをクーリアは半日と時間を要さずに作り上げた。その時点で異常なのだが……常識という物を知らないクーリアが、その事に気づくことはなかった。
「とりあえず雷撃弾でも装填しとこう」
クーリアがリーヴォを膝の上から机の上に移動させ、荷物から魔導銃を取り出す。そして、その上部の砲身の後方をスライドする。するとカチリと音が鳴り、弾丸が1発入るスペースが現れた。
「…確かに、いちいちこれは面倒かも」
しかし、クーリアにとって連射することなど皆無に等しいので、問題は無い。
空いたスペースに、作ったばかりの雷撃弾を装填する。そして、スライドした部分を元に戻し、暴発を防ぐためのロックをかけた。
「これでよし、と」
それをドリトールから魔導銃と共に貰ったホルスターへと仕舞う。腰に巻くベルトタイプだ。
「…案外重い」
付けてみた感覚がそれだった。普通の人はそこまで感じない重さではあるのだが……何分、クーリアは自他ともに認めるほど、非力である。故に重く感じたのだ。
……こればかりは、鍛えるしかない。
「……熱中しすぎた」
思わずクーリアが呟く。
クーリアにとって、魔導刻印は未知の知識。故に、いつも本を読む時のように時間を忘れ、没頭してしまったのだった。
「…ご飯もいつの間にか置かれてるし」
クーリアの目の前には、まだ湯気が立ちのぼる食事が置かれていた。おそらく邪魔しないよう祖母が持ってきたのだろう。
クーリアは祖母の気遣いに感謝しつつ、食事を食べ終えた。
「あ、そうだ。リーヴォ、おいで」
「アウ?」
とてとてとリーヴォがクーリアに近づく。
クーリアはその行動に内心悶えつつも、顔には出さずに、ひょいっとリーヴォを膝の上に抱き上げた。
「あなたも食事いるもんね」
「アウっ!」
クーリアがリーヴォに触れている手から少しづつ魔力を流していく。すると、リーヴォが目を細め、気持ちよさそうな仕草をする。
「ふふっ。気持ちいい?」
「アウゥ…」
いつもの量の魔力を流し終わると、リーヴォがクーリアの膝の上でぐでぇ、と寝転がる。
クーリアはそんな様子に苦笑しながらも、机の上にあるものに目を向けた。
作ったのは、雷撃弾が5発。氷結弾が3発。
そして……少し細工を施した、爆裂弾が2発。
(……ちょっと作り過ぎたな)
クーリアが内心そう思うが…ちょっとどころではない。
そもそもこれだけの量の弾を作るのに、普通は2日はかかる。しかし、それをクーリアは半日と時間を要さずに作り上げた。その時点で異常なのだが……常識という物を知らないクーリアが、その事に気づくことはなかった。
「とりあえず雷撃弾でも装填しとこう」
クーリアがリーヴォを膝の上から机の上に移動させ、荷物から魔導銃を取り出す。そして、その上部の砲身の後方をスライドする。するとカチリと音が鳴り、弾丸が1発入るスペースが現れた。
「…確かに、いちいちこれは面倒かも」
しかし、クーリアにとって連射することなど皆無に等しいので、問題は無い。
空いたスペースに、作ったばかりの雷撃弾を装填する。そして、スライドした部分を元に戻し、暴発を防ぐためのロックをかけた。
「これでよし、と」
それをドリトールから魔導銃と共に貰ったホルスターへと仕舞う。腰に巻くベルトタイプだ。
「…案外重い」
付けてみた感覚がそれだった。普通の人はそこまで感じない重さではあるのだが……何分、クーリアは自他ともに認めるほど、非力である。故に重く感じたのだ。
……こればかりは、鍛えるしかない。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
213
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる