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学園 高等部1年 終

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 しばらく魔導刻印に没頭していると、窓の外が暗くなっていることに気付いた。

「……熱中しすぎた」

 思わずクーリアが呟く。
 クーリアにとって、魔導刻印は未知の知識。故に、いつも本を読む時のように時間を忘れ、没頭してしまったのだった。

「…ご飯もいつの間にか置かれてるし」

 クーリアの目の前には、まだ湯気が立ちのぼる食事が置かれていた。おそらく邪魔しないよう祖母が持ってきたのだろう。
 クーリアは祖母の気遣いに感謝しつつ、食事を食べ終えた。

「あ、そうだ。リーヴォ、おいで」
「アウ?」

 とてとてとリーヴォがクーリアに近づく。
 クーリアはその行動に内心悶えつつも、顔には出さずに、ひょいっとリーヴォを膝の上に抱き上げた。

「あなたも食事いるもんね」
「アウっ!」

 クーリアがリーヴォに触れている手から少しづつ魔力を流していく。すると、リーヴォが目を細め、気持ちよさそうな仕草をする。

「ふふっ。気持ちいい?」
「アウゥ…」

 いつもの量の魔力を流し終わると、リーヴォがクーリアの膝の上でぐでぇ、と寝転がる。
 クーリアはそんな様子に苦笑しながらも、机の上にあるものに目を向けた。
 作ったのは、雷撃弾が5発。氷結弾が3発。
 そして……少し細工を施した、爆裂弾が2発。

(……作り過ぎたな)

 クーリアが内心そう思うが…ちょっとどころではない。
 そもそもこれだけの量の弾を作るのに、普通は2日はかかる。しかし、それをクーリアは半日と時間を要さずに作り上げた。その時点で異常なのだが……常識という物を知らないクーリアが、その事に気づくことはなかった。
 
「とりあえず雷撃弾でも装填しとこう」

 クーリアがリーヴォを膝の上から机の上に移動させ、荷物から魔導銃を取り出す。そして、その上部の砲身の後方をスライドする。するとカチリと音が鳴り、弾丸が1発入るスペースが現れた。

「…確かに、いちいちこれは面倒かも」

 しかし、クーリアにとって連射することなど皆無に等しいので、問題は無い。
 空いたスペースに、作ったばかりの雷撃弾を装填する。そして、スライドした部分を元に戻し、暴発を防ぐためのロックをかけた。

「これでよし、と」

 それをドリトールから魔導銃と共に貰ったホルスターへと仕舞う。腰に巻くベルトタイプだ。

「…案外重い」

 付けてみた感覚がそれだった。普通の人はそこまで感じない重さではあるのだが……何分、クーリアは自他ともに認めるほど、非力である。故に重く感じたのだ。
 ……こればかりは、鍛えるしかない。
 
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