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学園 高等部1年 終

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 その日の授業は至っていつも通りであった。
 ……クーリアが寝ていないことを除けば。何故クーリアがいつものように寝ていないのかというと……

「お姉ちゃん、寝ちゃダメだよ?」
「………」

 リーフィアのせいであった。
 一応転入生でありまだ慣れていないリーフィアの為に、ナイジェルが席をクーリアの隣にしたのだが、そのせいでクーリアは寝ることが出来なかったのだ。

「……クーリアが起きて授業受けてるところ、俺初めてみたかも」

 思わずナイジェルが呟いた。

「……お姉ちゃん、どういうことかな?」
「ひぅ?!あ、いや、その……」

 クーリアがまるで猫に睨まれたネズミのように縮こまる。
 授業中のことは家族には誰一人として話していないので、リーフィアは今日初めて知ったのだ。だからこそ、尋ねた時の声は……凍えるような声だった。

「はぁ……まぁ分かるんだけど」
「あ、そう?」
「……(だって正直お姉ちゃん学園に通う必要ないでしょ?)」
「まぁね」

 だがクーリアは自身の学習状況をリーフィア以外に教えていないので、学園を飛び級で卒業するという手段をとることは出来ないのだ。

「よし。じゃあリーフィア、これを解いてくれ」
「はい。33です」
「正解だ……やっぱり姉妹だな」
「なにがです?」
「いや……普通に解いたが、これまだ習ってないんだぞ?」
「そうなんですか?でも簡単ですし」
「……なんでこの姉妹俺のクラスにいるの?」

 全くもって正論である。

「望んだからとしか…」
「わたしはのせいだし」

 ……一教師をアレ呼ばわりである。

「はぁ……まぁ、いいか。とりあえず座学はここまでだ。この後は実習だが……」
「はい。行っていいですか?」
「はぁ……絶対戻ってこいよ!?」
「分かってますよ」

 第一としてリーフィアという存在が今回はいるので、クーリアは遅れることはしたくなかった。
 ………おそらく静かな怒りを貰うことになるからである。
 クーリアの兄妹で最も怖いのは、1番下のリーフィアなのだ。

(……凍りたくないんだもん)

 ……これは比喩ではない。本当に凍らされるのだ。実際クーリアは一度凍らされたことがあるのだが……低体温症で死にかけた。
 なので絶対凍りたくないクーリアは、遅れないようにしようと心に誓ったのだった。

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