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学園 高等部1年 対抗戦編

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 クーリア達が転移されたのは……草原だった。
 見晴らしの良い、遮るものなどほぼないフィールド。

「また戦いにくい場所…」

 サラが思わず悪態をつく。
 お互いに魔法を当てやすいが、その分お互い避けるのが難しい。

「クー」
「終わったよ」

 サラが確認するまでもなく、既にクーリアはフラッグに防御魔法を施し終わっていた。
 サラはその対応の速さに感謝しつつ、クーリアに笑顔を向けた。クーリアも笑顔で答える。

「じゃあ任せるね」
「うん。願うよ」

 そんなクーリアの言葉に苦笑を零しつつ、サラ達は駆け出した。


「さーてと。敵は……4人どころじゃないね」

 サラ達が去った後、クーリアが魔力を広げて確認すると、明らかに敵の数が4人以上いることが確認できた。

(サラの予感が当たったか…)

 以前サラが使った魔法によるダミー作戦ということも考えられるが、そもそもクーリアは魔法と人の反応の違いを理解しており、それはありえないと分かっていた。

(サラにも言ってないからね…)

 クーリアはサラにだいぶ自身のことを打ち明けているが、それでも隠していることは多い。
 サラのことを信じていない訳では無いが、それでも話すことは躊躇われた。

(それはサラを危険にさらすことと同義だからね…)

 クーリアはそれを危惧していたのだ。
 サラがクーリアの魔法を出来なかったとしても、そういう魔法があるということを知られるだけでも危険なのだ。
 しかし、知らなければふとした拍子に零すこともない。それ故にクーリアはサラに話さなかった。

(おっと。そろそろ動きそうかな)

 索敵に意識を集中する。
 今回フラッグに施した防御魔法は、魔法反射型ではない。なので相手が魔法で攻撃を加えてから、魔法反射の機能を付与する予定だ。

(そっちの方が監視の魔道具を誤魔化しやすいからね)

 そんなことを考えていると、4つほどの反応が近づいてくるのが分かった。

(監視の魔道具の死角から、か)

 それだけで、魔道具の場所を把握していることが窺えた。
 クーリアのように魔力で把握するなど普通できないので、どこかで情報を得たとしか考えられなかった。

「ただの模擬戦なのにねぇ」

 クーリアはそういうが、この対抗戦の結果は貴族からすればかなり重要なものだった。
 なぜなら、勝てばそれだけ実力をアピール出来るからである。この結果は王家にも開示されるので、尚更であった。

「とりあえず、向かいますか」

 クーリアは反応が近づいていた方へと向かっていった。





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