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学園 高等部1年 対抗戦編

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「ふふっ」

  思わず昔を思い出して、笑ってしまった。

「おいおい。この状況で笑うか?」
「あ、ごめん。ちょっとね…」

  クーにフラッグを任せて、私たちは今敵陣に向かって突っ込んでいってる。

「クーリアは大丈夫なのか?」
「大丈夫。クーはやる時はやるから」

  私はクーがどれだけの実力を持っているのかをよく知っている。ヴィクターとイルミーナも知ってはいるけど、それはクーの本気の実力じゃない。だから心配してるんだろうね。まぁ私から言うことじゃないから、言わないけどさ。

「とりあえず、どうする?」

  ある程度進み、一旦臨時の作戦会議をする。

「1人ずつ分かれて各個撃破?」
「大丈夫か?」
「大丈夫じゃない?」

  それに私たちが全員やられたとしても、クーがなんとかしてくれるはず。

「じゃ、行くか」

  ヴィクターは右手、イルミーナは左手、私はそのまま真っ直ぐ進む。



「…っ!きたね」

  しばらく進んでいると、突然どこからか小石が飛んできた。  かわして周りを見渡すと、木の上に1人の男子が立っていた。

「お前ら…バカなの?」

  出会ってそうそうそんなこと言う?

「なによ」
「だってよ、フラッグ1人だけだろ?」

  あら、もう知ってるのね。

「大丈夫よ。あなた達を行かせなければいいんだから」

  私は呪文を紡ぎ、魔法を発動させる。

「……《エアバレット》」
「くっ!」

  空気の塊が真っ直ぐ男子へと飛んでいく。すると男子は木から降りてそれをかわした。
  ………だけどね?

「甘い!」
「うぉ!?」

  降りてきたところを回し蹴りで追撃する。魔法にばかり気を取られていたのか、あっさり蹴りをくらった。

  パリンっ!

  どうやらネックレスが割れたみたい。思ったより割れるのが早いのね。

「あー!なんだよ、もうかよ… 」
「私の勝ちね」

  男子は渋々と言った感じでその場を後にした。

「さて、フラッグは…あ、あった」

  思ったより近くにあったわね。地面に刺さっている赤い旗を引き抜く。
  すると、ポーンという音が聞こえ、アナウンスが流れた。

『青チーム、フラッグ1本獲得!獲得したのは…サラ選手!』

  ちなみに私たちのチームの旗は青色。だから青チームなのよね。相手は赤チーム。

『おぉ!?なんと、赤チーム全滅!よってこの試合、青チームの勝利!』

  あら?全滅?思ったより呆気なかったわね。

『最後に赤チームの主将を討ち取ったのは…クーリア選手?だ!』


  ………クー、なんだかんだ言って倒してるのね。でも、なんで疑問?

『青チームは速やかに本部まで!』

  ここに来るのは転移だけど、帰るのは徒歩なのよね…なんて面倒な。
  あ、それと、主将っていうのはリーダーみたいなもの。私たちのチームは、私が主将なの。

「おーい。サラー!」

  ヴィクターが手を振りながら走ってきた。

「勝ったな」
「当然じゃない」

  ヴィクターと本部へと向かう。途中イルミーナ、クーと合流した。

「クー、やったじゃない。主将倒したのね」
「え?うーん…倒した…の?」

  なんか歯切れ悪いわね。

「どうしたの?」
「いや、その主将?私の防御魔法に突っ込んでぶつかって自滅…」

  ……バカだったのは相手の方だったらしいわね。





  
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