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最終章 決戦
第156話 神殺し
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「いくよ?」
不敵な笑みを浮かべ、フィリアがぐっと体勢を低くして構える。その様子からベルが焦りの表情を浮かべ一気に後ろへと下がった。その、次の瞬間。
ベルの腕が、消え去った。
「───っ!?」
肘上から斬り飛ばされたその切り口から鮮血は出ない。しかし、ジクジクとした痛みがベルを襲う。
「ふぅ…ちょっと、ズレちゃったかな」
いつ間にかベルの後ろに回り込んでいたフィリアが、もう一度刃を構える。だが、その額には脂汗が滲んでいた。
「その、剣は…」
苦悶に表情を歪め腕を抑えつつも、瞳はしっかりと信じられないものを見るかのようにフィリアの刀を凝視している。
「なんで、わたしを…」
「斬れるのかって?」
フィリアが見せつけるように刀を掌で転がす。
神器である以上、神を傷付けることは出来ない。それをベルはよく知っていた。それ故の優位が、今音を立てて崩れた。
「神器である翡翠刀は、確かに神モドキの貴方を斬ることは出来ない」
でも、とフィリアは続ける。
「それが例外となるものがあるとしたら?」
神器でありながら、その理を外れるもの。
神を“傷付ける為に創られた”神器ならば。
フィリアが足に力を込め、一気に肉迫する。その進路をベルが槍で阻むが、その全てを無視してフィリアが突っ込む。フィリアに対して槍が容赦なく突き刺さり、血が流れ、そして、治る。
「っ!?」
攻撃を繰り返し、その全てが命中しても、その次の瞬間には傷跡など一つも残らない。
「はぁぁ!」
フィリアが遂にベルの元へと辿り着き、横薙ぎに振るう。それを咄嗟に創りだした槍で受けるが、その槍ごとベルの脇腹が抉られた。
「ちぃっ!」
狙い通りの場所を捉えることが出来ず、フィリアが歯噛みする。だが、その追撃はベルによって防がれた。
一度体勢を整える為にフィリアが大きく後ろに下がるが、その瞬間フィリアが片膝をついてしまう。
◆ ◆ ◆
「はぁ…はぁ…」
(不味い不味い不味い…!!)
額からポタポタと汗が滴るのを右腕で乱暴に拭う。それだけの行為なのに、身体中が動きを拒否するかの如くギシギシと痛む。
翡翠刀。それはわたしに与えられた神器にして、わたしの使命を体現する物。目の前の存在を止める為だけに創造された、“神殺し”の神器。さしずめ、【神滅刀】とでも呼べる代物だ。
しかし、それは人間には扱う事の出来ない代物でもある。本来は、神が、神を殺す為の武器なのだから。それ故に人間が使える様機能を制限された姿。それが、翡翠刀。
「まさか、そんなものを持ち出してくるなんて…でも使い熟せていないようねぇ?」
ベルの言葉は、正しい。今のわたしでは、この神滅刀を扱う事は不可能だ。まだ、人間である、わたしには。
神滅刀から与えられる恩恵は途轍も無く大きい。受けた怪我を瞬時に回復出来る程の再生能力。常人離れした膂力。しかしそれは人間には過ぎた力。実際狙った場所に振り下ろす事は力に振り回され出来ていないし、身体が神滅刀から絶えず流れ込む力で破裂寸前になっている。左腕を再生していないのも、これ以上身体に負荷を掛ける事が出来ないからだ。
……精々、持って後一分が限度かな。それ以上は……いや、考える必要は無い。どの道後は無いのだから。
軋む身体に鞭打ち、一気に勝負を仕掛ける。
「自滅するまで待ってあげるわぁ!!」
時間稼ぎでベルが槍をこれでもかと言う程投げ飛ばす。腕を振るうにも激痛が走るこの状態では、躱す事など出来はしない。その全てを受け止め、それでも尚足を進める。
「痛っったい、じゃない、のっ!!」
痛覚が無効化されている訳では無い。激痛で何度も意識が飛びかける度、神滅刀が…翡翠が、わたしの意識を連れ戻してくれる。
『相変わらず、無茶、するんだか、らっ!!』
怒りとも、悲しみとも取れる感情が腕を伝う。まぁ、最初から翡翠はコレを使う事に反対していたものね。
神は直接手を下す事を自ら縛っている。それ故に神の代行者たる存在が必要だった。それに与えられる為だけに創られ、わたしを通じて“変質した神器”。だからこそ、神の意思に逆らう様な行動が翡翠には出来る。例えば、わたしにこの力を使わせない様にする、だったり。
元々この能力解放は翡翠の手によって行われる筈だった。それを無視する為に、態々詠唱までしたんだもの。
「っ!?」
幾ら攻撃を繰り返しても止まらぬわたしにベルが焦りの表情を浮かべ、地面を蹴って後ろへ飛ぶ。無論、逃しはしない!
「はぁぁっ!」
最大の力を利き足に込め、爆発的に加速する。嫌な音が耳を劈くが、その全てを無視する。あと、少し…っ!
「翡翠っ!」
『っ!!』
ぶわりと黒炎が膨れ上がり、わたしの腕を、肌を容赦なく焦がす。そして───
─────剣先が、ベルの胸を貫いた。
「う、そ…」
呆然と、ベルが突き刺さった場所を見つめる。
「あぁ、アァァァァァッ!!!」
「っ!?」
暴れるベルを押し倒し、地面に縫い付ける。燃え盛る黒炎が、ベルを、わたしを包んでいく。
……あっついなぁ。
「お終い、だよ…」
先程まで昂っていた感情は酷く落ち着きを取り戻し、冷静に置かれた状況を理解しようと頭が動く。
ベルとわたしの身体が黒煙に包まれた所から灰となり、ボロボロと無惨にも崩れ落ちていく。
……間に、合わなかったな。
力の解放に付けられた制限時間。それは、わたしの身体が、“魂”が耐えられる限界値そのものだ。それを超えた今、わたしの身体もまた異物として処分される。
「うぅ…」
視界がぐらつく。思考が止まる。身体は、もう動かない。意識が、沈ん、で─────……………
『……………………』
不敵な笑みを浮かべ、フィリアがぐっと体勢を低くして構える。その様子からベルが焦りの表情を浮かべ一気に後ろへと下がった。その、次の瞬間。
ベルの腕が、消え去った。
「───っ!?」
肘上から斬り飛ばされたその切り口から鮮血は出ない。しかし、ジクジクとした痛みがベルを襲う。
「ふぅ…ちょっと、ズレちゃったかな」
いつ間にかベルの後ろに回り込んでいたフィリアが、もう一度刃を構える。だが、その額には脂汗が滲んでいた。
「その、剣は…」
苦悶に表情を歪め腕を抑えつつも、瞳はしっかりと信じられないものを見るかのようにフィリアの刀を凝視している。
「なんで、わたしを…」
「斬れるのかって?」
フィリアが見せつけるように刀を掌で転がす。
神器である以上、神を傷付けることは出来ない。それをベルはよく知っていた。それ故の優位が、今音を立てて崩れた。
「神器である翡翠刀は、確かに神モドキの貴方を斬ることは出来ない」
でも、とフィリアは続ける。
「それが例外となるものがあるとしたら?」
神器でありながら、その理を外れるもの。
神を“傷付ける為に創られた”神器ならば。
フィリアが足に力を込め、一気に肉迫する。その進路をベルが槍で阻むが、その全てを無視してフィリアが突っ込む。フィリアに対して槍が容赦なく突き刺さり、血が流れ、そして、治る。
「っ!?」
攻撃を繰り返し、その全てが命中しても、その次の瞬間には傷跡など一つも残らない。
「はぁぁ!」
フィリアが遂にベルの元へと辿り着き、横薙ぎに振るう。それを咄嗟に創りだした槍で受けるが、その槍ごとベルの脇腹が抉られた。
「ちぃっ!」
狙い通りの場所を捉えることが出来ず、フィリアが歯噛みする。だが、その追撃はベルによって防がれた。
一度体勢を整える為にフィリアが大きく後ろに下がるが、その瞬間フィリアが片膝をついてしまう。
◆ ◆ ◆
「はぁ…はぁ…」
(不味い不味い不味い…!!)
額からポタポタと汗が滴るのを右腕で乱暴に拭う。それだけの行為なのに、身体中が動きを拒否するかの如くギシギシと痛む。
翡翠刀。それはわたしに与えられた神器にして、わたしの使命を体現する物。目の前の存在を止める為だけに創造された、“神殺し”の神器。さしずめ、【神滅刀】とでも呼べる代物だ。
しかし、それは人間には扱う事の出来ない代物でもある。本来は、神が、神を殺す為の武器なのだから。それ故に人間が使える様機能を制限された姿。それが、翡翠刀。
「まさか、そんなものを持ち出してくるなんて…でも使い熟せていないようねぇ?」
ベルの言葉は、正しい。今のわたしでは、この神滅刀を扱う事は不可能だ。まだ、人間である、わたしには。
神滅刀から与えられる恩恵は途轍も無く大きい。受けた怪我を瞬時に回復出来る程の再生能力。常人離れした膂力。しかしそれは人間には過ぎた力。実際狙った場所に振り下ろす事は力に振り回され出来ていないし、身体が神滅刀から絶えず流れ込む力で破裂寸前になっている。左腕を再生していないのも、これ以上身体に負荷を掛ける事が出来ないからだ。
……精々、持って後一分が限度かな。それ以上は……いや、考える必要は無い。どの道後は無いのだから。
軋む身体に鞭打ち、一気に勝負を仕掛ける。
「自滅するまで待ってあげるわぁ!!」
時間稼ぎでベルが槍をこれでもかと言う程投げ飛ばす。腕を振るうにも激痛が走るこの状態では、躱す事など出来はしない。その全てを受け止め、それでも尚足を進める。
「痛っったい、じゃない、のっ!!」
痛覚が無効化されている訳では無い。激痛で何度も意識が飛びかける度、神滅刀が…翡翠が、わたしの意識を連れ戻してくれる。
『相変わらず、無茶、するんだか、らっ!!』
怒りとも、悲しみとも取れる感情が腕を伝う。まぁ、最初から翡翠はコレを使う事に反対していたものね。
神は直接手を下す事を自ら縛っている。それ故に神の代行者たる存在が必要だった。それに与えられる為だけに創られ、わたしを通じて“変質した神器”。だからこそ、神の意思に逆らう様な行動が翡翠には出来る。例えば、わたしにこの力を使わせない様にする、だったり。
元々この能力解放は翡翠の手によって行われる筈だった。それを無視する為に、態々詠唱までしたんだもの。
「っ!?」
幾ら攻撃を繰り返しても止まらぬわたしにベルが焦りの表情を浮かべ、地面を蹴って後ろへ飛ぶ。無論、逃しはしない!
「はぁぁっ!」
最大の力を利き足に込め、爆発的に加速する。嫌な音が耳を劈くが、その全てを無視する。あと、少し…っ!
「翡翠っ!」
『っ!!』
ぶわりと黒炎が膨れ上がり、わたしの腕を、肌を容赦なく焦がす。そして───
─────剣先が、ベルの胸を貫いた。
「う、そ…」
呆然と、ベルが突き刺さった場所を見つめる。
「あぁ、アァァァァァッ!!!」
「っ!?」
暴れるベルを押し倒し、地面に縫い付ける。燃え盛る黒炎が、ベルを、わたしを包んでいく。
……あっついなぁ。
「お終い、だよ…」
先程まで昂っていた感情は酷く落ち着きを取り戻し、冷静に置かれた状況を理解しようと頭が動く。
ベルとわたしの身体が黒煙に包まれた所から灰となり、ボロボロと無惨にも崩れ落ちていく。
……間に、合わなかったな。
力の解放に付けられた制限時間。それは、わたしの身体が、“魂”が耐えられる限界値そのものだ。それを超えた今、わたしの身体もまた異物として処分される。
「うぅ…」
視界がぐらつく。思考が止まる。身体は、もう動かない。意識が、沈ん、で─────……………
『……………………』
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